▽ 要約
リーガル枠組強化:統一ライセンス制度を創設
トークン多様化:RWA・代替化ETFを恒常発行
ステーブルコイン施行:8月1日より発行者免許必須
税制優遇措置:ETF印紙税・ファンド利得税を免除
人材育成策:Web3専門人材を長期誘致
香港デジタル資産政策2.0 発表から一夜明けた今、「規制強化と成長促進は両立できるのか?」という疑問が市場を駆け巡っています。本稿では新方針の核心を先に示し、読者が投資判断に活用できるメリットを明確化します。コンプライアンスこそ最大の成長ドライバー。その理由と数字的根拠を解説します。
政策2.0の全体像
香港は「試験田」から「グローバル枢軸」へ脱皮する。
LEAP戦略4本柱
- Legal & Regulatory:取引所・カストディ・VASPsを単一法で包括規制。
- Expanding Tokenisation:政府債・金・再エネ証書などRWA常態化。
- Advancing Use‑case:ステーブルコインライセンスでB2B決済を後押し。
- People & Partnership:OECD・IOSCOと共同研究枠組を構築。
従来版(2022)との違い
- ステーブルコインに発行時点で法定準備金義務。
- RWA代替化ETFに税免除明示。
- 監督・執行・ツールを含む“三位一体”で制度閉環。
マーケットインパクト
短期:取引所ライセンス競争
2025年6月現在、香港で正式発牌の取引所は11社に到達。40社が1号牌を拡張申請中。三ヶ月以内にオムニバス口座経由の機関流入が30%増加するとの業界推計があります。
中期:RWA市場規模
政府常態発行のトークン債は年間300億HKD規模とも。HashKeyは金・EV資産等の上場を示唆。
長期:APACステーブル競争
韓国・シンガポール勢との版図争いが不可避。だが先行して税・監督ルールを与えた香港が機関資金のハブを狙える。
業界プレーヤーの声
HashKey 肖風CEO
「コンプライアンスは入場券。RWAとステーブルコインで香港がメインチェーンになる。」
券商セクター
国泰君安国際ほか複数の中資系証券がライセンスを取得し、BTC/ETH分銷サービスを開始。
投資家への3つのチェックポイント
- ライセンス保有先の選定:取引所・カストディのダブルライセンス有無。
- RWA銘柄の税制優位:印紙税免除ETFへの流入状況を確認。
- ステーブルコイン発行者の資本力:8/1 以降の準備率・格付け。
▽ FAQ
Q. LEAP戦略とは?
A. 法規簡素化・代替化拡大・ユースケース前進・人材協働の四位一体策。
Q. ステーブルコインライセンスの特徴は?
A. 1:1準備金に加え銀行並み規制、施行日は2025年8月1日。
Q. RWA ETFの税制優遇内容は?
A. 印紙税ゼロ、利得税免除で従来ETFと同等扱い。
■ ニュース解説
今回の政策2.0は、過去の「規制→市場萎縮」という悲観シナリオを覆し、規制を梃子に資本を呼び込むモデルを志向しています。金融街セントラルでは「上海・シンガと異なり税制で勝負」との声が優勢。制度が整ったことで、機関はAMLリスクを抑えつつRWAへ参入可能。これはグローバルDeFiにとっても流動性ジャンクションの形成を意味します。
(出典:PANews)