【暗号資産】5月30日動向:Circle IPO、Crypto x AI、DeFi規制やSolanaエコシステム拡大のポイント

【要約】
Circle IPO:ベライド(BlackRock)が約10%出資を計画、Ark Investも1.5億ドルの認購意向
Crypto x AI:AIデモナイトで5つの新プロジェクトが発表され、個人データ所有やAIエージェント活用が加速
SECのDeFi会合:6月9日に「DeFiとアメリカ精神」をテーマにラウンドテーブルを開催
SolanaとRWA:RedStone RWAオラクルがSolanaに導入され、従来金融資産のトークン化が進む
トランプとPEPE:Truth Social上でPEPEと自身のイメージを組み合わせた画像を投稿し話題に
AIエージェント:仮想通貨×AI領域でVirtualsなど複数フレームワークが進化
イーサリアムとUNI:価格反発に伴うUniswapなどへの注目
Solana Accelerate:新カンファレンスで浮上した課題と生態系の活性化がポイント

暗号資産市場全体の注目ポイント

Circle IPOと主要投資家の動向

暗号資産(仮想通貨)市場において重要な安定供給源となっているのがステーブルコイン「USDC」です。その発行元であるCircleがIPO(新規株式公開)を進めており、世界最大級の資産運用会社ベライド(BlackRock)がそのIPOに約10%出資を計画。また、Ark Investも1.5億ドルの認購意向を示しています。CircleのUSDCは、ベライド運用の政府マネーマーケットファンドに90%の準備金が預けられており、同IPOによる調達総額は最大で6億2,400万ドル規模になる見込みです。6月4日に予想される最終的な価格決定を前に、需要は既に発行量を数倍上回ると報じられています。これはステーブルコインに対する機関投資家の高い信頼の現れといえるでしょう。

Crypto x AIデモナイト:5つの新プロジェクト

先日の「Crypto x AI Demo Night」では、個人データ所有や高度なAIエージェントを主題に5つのプロジェクトが紹介されました。ZK(ゼロ知識証明)を活用してコンテンツの真偽を担保するLivyLabsや、個人資産運用にAIを組み込み投資アドバイザー的機能を提供するAIDENなど、いずれも暗号資産領域でのAI実装を加速する取り組みが注目を集めています。特にHonchoの「AIの記憶をブロックチェーン上に保持する」アプローチは、個人ユーザー同士でAI洞察をシェアして収益化する新モデルとして期待されています。

SEC「DeFiとアメリカ精神」ラウンドテーブル

米国証券取引委員会(SEC)は6月9日、「DeFiとアメリカ精神」をテーマにしたラウンドテーブルを開催予定です。SEC議長Paul S. AtkinsやHester M. Peirce委員など要職に加え、Jito LabsやEspresso SystemsなどDeFi関連スタートアップが参加し、パブリックQ&Aセッションも用意されています。今回の会合は、DeFiや分散型取引所を含む暗号資産の新たな規制アプローチを探るうえで重要な場となる見通しです。

RedStoneによるRWAオラクルとSolana拡大

リアルワールド資産(RWA)のオンチェーン化が進む中、RedStoneがSolanaと連携して200億ドル規模のトークン化資産データを提供するRWAオラクルを実装しました。Solanaは高いパフォーマンスを強みに、DeFiエコシステムを拡充中です。今後、RWAオラクルを活用することで、機関投資家が国債や株式など伝統的資産をSolana上で運用できるようになり、より大きな流動性を呼び込む可能性があります。

トランプのPEPE画像投稿が話題に

前大統領トランプがTruth SocialにPEPEと自身を組み合わせた画像を投稿し、「何人も止められない使命を帯びている」とのコメントを添えたことが注目を集めました。PEPEは過去に暗号資産コミュニティでmemeトークンとして一時的に盛り上がりを見せた存在です。こうした政治家や著名人のSNS投稿が暗号資産銘柄に影響を与えるケースは依然多く、市場の短期的ボラティリティを高める要因にもなり得ます。

AIエージェントをめぐるフレームワーク競争

AIエージェントと暗号資産の融合は市場の有望分野とみられています。Virtualsやai16zといったプロジェクトがそれぞれのプラットフォームで開発者や投資家を呼び込み、多様なAIエージェントが台頭する構図です。ただし、一部では資金集めが長引き、プロダクト実装が追いつかず跳票状態になる例も見られ、先行きは玉石混交と言えるでしょう。

イーサリアムの価格上昇とUniswap注目

最近、イーサリアム(ETH)の価格が強く反発し、DeFi全体にも好影響を与えました。代表的な分散型取引所(DEX)であるUniswap(UNI)の代替資産としての需要が再び高まり、企業や機関投資家によるDeFi利用も進展が予想されます。一方でイーサリアムのガス代が上昇傾向にあるため、L2ソリューションや新たなDEX実装を含むスケーラビリティの模索は依然重要な課題です。

Solana Accelerate大会で浮上した新たな論点

Solana Accelerate大会では、Solanaエコシステムの一段の拡充が表明されましたが、一方でFiredancerクライアントの普及速度や新たなRWAオラクル連携などに関する疑問点も指摘されました。特にJump主導のFiredancer導入率がまだ6%前後に留まっており、多くのバリデータが様子見している現状があります。また、KrakenがSolana上で代替株式トークン(xStocks)をリリースする動きも話題です。Solana上のRWAが拡張されれば、分散型金融の魅力は一層高まる可能性を秘めています。

ニュースの解説

本記事で取り上げた暗号資産の主要ニュースは、DeFiやRWA、AIとの融合といった最新トレンドを象徴しています。CircleのIPOやSECの動きは、暗号資産がますますレギュレーションや伝統金融との連携を深めている証拠と言えるでしょう。加えて、SolanaやEthereumなど主要チェーンの活性化は、投資家や大企業の参加意欲をさらに高めると期待されます。一方で、トランプ前大統領のSNS投稿のように政治要因がmemeトークン市場を刺激する面も残っており、こうした短期的なボラティリティには十分留意が必要です。暗号資産業界全体としては、RWAを含む新たなユースケース開拓と、透明性・規制対応をいかに両立させるかが今後の焦点となっていくでしょう。