【要約】
・5月16日仮想通貨ニュースでは、Arthur Hayesによるビットコイン100万ドル説が再び注目
・Coinbaseが大規模ハッキングに対し身代金を拒否し、逆に懸賞金を設定
・“Believe”のプラットフォームで起きた流量反転とコミュニティのFUD(不安・不信)
・中国の大都市で見られる「隠れ型マイニング」とAI需要の融合
・「NXPC」トークンの冒険島(MapleStory)参入でGameFiに光
・各ニュースの詳細とその背景、そして一連の解説を総合的に報告
Arthur Hayes:2028年前にビットコインは100万ドルに到達か
かつてBitMEXを率いたArthur Hayes氏は、5月16日仮想通貨ニュースの注目トピックとして「ビットコインは2028年までに100万ドルに達する可能性がある」との見解を示しました。
- 長期予測の根拠
- 米国債の大規模な価値下落や海外資金の回流が価格上昇のカタリストになるという見方
- 2028年のアメリカ大統領選挙までに政策が揺れる懸念もあるが、ビットコイン自体には追い風になる可能性が高い
- 短期的見解
- Hayes氏は「近い将来のマーケットでは戦術的な空売りの機会が残されている」と指摘
- 政治や資本規制など不確定要素は大きいものの、長期的には依然として強気
Coinbase:ハッキング集団に対して強硬姿勢
大手取引所Coinbaseは海外カスタマーサポートを買収したハッカー集団から「2000万ドルの身代金」を要求されましたが、応じるどころか逆に同額の懸賞金を設定し、攻撃者特定に協力を求める姿勢を示しました。
- 被害の概要
- 外部のコールセンター要員をハッカーが買収し、約1%未満のアクティブユーザー個人情報が漏えい
- ただしパスワードや秘密鍵、資金は影響を受けていない
- Coinbaseの対応
- 補償プログラムを用意し、詐欺被害が生じた顧客をサポート
- 大型懸賞金を掛けてハッカーを追跡し、捜査当局とも連携
「Believe」が直面する流量の反噬とLAUNCHCOINの爆上げ
起業家たちが参入し、Launchpadの混戦で一気に話題をさらったプラットフォーム「Believe」。そのプラットフォームトークンLAUNCHCOINが大幅に高騰した一方、コミュニティからは高い手数料やボットによるフロントランなどの不満が噴出しています。
- YAPPER暴落を契機としたFUD
- AI深層偽造アプリ「Yapper」の創業者が別トークンとの関わりを指摘され、一気に価格が下落
- 創業者過去の経営トラブルも浮上し、ユーザーが不信感を強めた
- 高額手数料・フロントランへの不満
- Believeは買い売りそれぞれ2%の手数料を徴収、さらにすばやい新規トークン購入を狙う“フロントラン”が横行
- 結果として、個人投資家が高値で買いを入れて損失拡大という図式
AI時代に生き残る隠れ型マイニング
「中国国内での仮想通貨マイニングは終わった」という定説を覆すように、上海など都市部のオフィスビルでごく小規模なマイニングが行われているとの報道が話題です。
- 都市部への“潜伏”
- 大規模露天型マイニングは姿を消したが、小さなGPUマシンをオフィスに置いて稼働させるケースが増加
- 外観はAI計算用のサーバーと大差なく、電力使用量も低い
- AI算力への転用
- AI需要の高まりで高性能GPUの確保が難しくなる一方、既に保有するマイニング用GPUをAIモデル学習に転換し、合法的に事業を展開する企業も増加
- こうしたグレーゾーン上の生存戦略が功を奏している模様
「NXPC」:冒険島のIPをブロックチェーン上で拡張
韓国ゲーム大手NEXONが手掛けるトークン「NXPC」が一時時価総額40億ドル規模に急騰し、NFTやGameFi市場に新風を吹き込みました。
- MapleStory Universe構想
- 誰もが知る「冒険島」(メイプルストーリー)の世界観をベースにし、NFTやDeFi要素を導入
- ゲーム内代替通貨NESOやガバナンストークンNXPCを組み合わせ、独自の経済圏を形成
- 大手ゲーム企業による参入
- NEXONは250億ドルを超える自社時価総額を背景に、ブロックチェーン領域での積極投資を表明
- 既存の多数ユーザー基盤を活かし、NFTやトークン利用を実ゲームに落とし込む方針
マーケットの動向と大型データポイント
- ウクライナが国家戦略としてビットコイン保有を検討
- 新しい暗号資産法に基づき、国家準備資産にビットコインを組み込む見込み
- GLXY Digitalがコインベースへ大量ETHを転送
- 8時間で39834ETH(約1億3000万ドル相当)を転入した事実が確認され、市場の関心を集めている
- Pump.fun市場シェアが下落
- Meme系銘柄を中心に人気を博したPump.funだが、Letsbonk.funやBelieveなど新興プラットフォームにシェアを奪われている
- MetaMaskの独自トークン構想が再浮上
- 共同創業者Dan Finlay氏が「可能性を排除しない」と発言
- ただし公式発表や具体的なローンチ計画は依然として未定
ニュースの解説
「5月16日仮想通貨ニュース」では、ビットコインの超強気予測から取引所のセキュリティ対応、さらにはゲーム・マイニングと多岐にわたるトピックが注目されました。Arthur Hayes氏が示す長期的な強気観測は、市場にインパクトを与えていますが、短期的には様々なリスクや売りの機会が混在している点に留意が必要です。
一方、Coinbaseの毅然とした対応は業界の成熟度をうかがわせ、投資家保護とハッカー追跡の手段として今後各取引所が参考にする可能性もあります。「Believe」の事例が示すように、新興プラットフォームは斬新な仕組みを打ち出す一方、透明性や手数料など課題が顕在化。今後は利用者がより厳しくプロジェクトを見極める段階に入りそうです。
AIとの融合が進むマイニングやゲーム大手の活発参入など、いわゆる「Web3経済圏」は多彩なプレイヤーの動きで加速傾向にあります。ただしNFTやGameFiも過去のブーム同様に、資金流入が一時的になるリスクは拭えません。最終的には透明性や持続性が担保されるかが鍵でしょう。全体として、マーケットは長期上昇への期待感が高まりつつも、部分的な混乱や過熱感も否めません。投資家は十分なリサーチとリスク管理を行いながら、今後の動向を見守る必要があります。