▽ 要約
マーケット:BTC11.4万ドル、ETH4,100ドルに回復。
取引所:BinanceがUSDE等デペグ補償を72時間内に実施。
清算:Hyperliquidで損失6,300件、総額12.3億ドル。
資金:BitmineがETH12.9万枚購入、買い戻し継続。
投資家の関心は「急落後の戻りは本物か」に集約されるため、本日の結論は部分的回復である。10月13日はBTCが11.4万ドル、ETHが4,100ドルを回復し、Binanceはデペグ補償を発表、流動性ショックの傷は残りつつも資金の買い戻しも観測された。10月13日 仮想通貨ニュースの要点を一次情報に基づき解説する。
10月13日の市況(BTC/ETHの節目回復)
11日の急落後の買い戻しで、13日にBTCは11.4万ドル・ETHは4,100ドルを再び上抜け、短期的な警戒感がやや後退した。
OKX気配ではBTCが114,000ドル、ETHが4,103ドル台まで上昇し日足で反発が確認された。上値は先物清算の残渣と週明けの流動性に左右されるが、直近の節目回復はテクニカル上の安心感につながる。
需給の素描とボラティリティ
先物清算の一巡とスポット買いの重なりで戻りが出た一方、急騰・急落を繰り返す地合いのため、上昇幅は限定されやすい。
直近24時間の清算縮小や短期筋の買い戻しが観測されるが、週内イベントと外部流動性の変化には留意が必要だ。価格更新の頻度からも、見出し値超えのみを根拠にした追随は避けたい。
関連:Hyperliquid 10万BTCクジラの正体疑惑と時系列
取引所の対応—Binance補償と上場予定
Binanceがデペグ補償を通知しつつAlpha/先物の上場計画を続行したため、プラットフォームリスク抑制と話題喚起が同時進行となった。
USDE・BNSOL・WBETHのデペグで影響を受けた先物・証拠金・ローン利用者に対し、10月11日05:36〜06:16(GMT+8)の差額分を基準に補償し、72時間内に反映するとした。加えて、CLO・ENSO(10月14日上場予定)やCLOUSDT無期限(同日19:30、最大50倍)の計画を告知、CORLはAlphaポイント条件でエアドロップを実施中だ。
運営・規制への視線
過去24時間の巨額清算を受けて、Crypto.comのKris氏は規制当局に「最大清算の取引所の実務検証」を要請した。
内部取引の独立性やAML体制など透明性を問う声が強まり、急変時対応の検証圧力は高い。もっとも、特定個人のウォレット売買認定など過度な追及にはCZ氏が「ユーザーのプライバシーは守る」と距離を置く発言も示した。
清算・流動性ショックの実態
Hyperliquidでは6,300超のウォレットが損失計上となり、累計で12.3億ドル超の被害が確認されたため、市場のハイレバ耐性の低さが露呈した。
損失のうち205件が100万ドル超、1,070件が10万ドル超で、プロ向け派生市場の価格指標・清算設計が議論対象となっている。短期的には板厚の回復が進むが、指数連動・清算連鎖の設計見直しは避けられない。
クジラ・機関の資金フロー
Bitmineなどの買い観測が増えたため、需給の下支えがETH中心に発生した可能性が高い。
Lookonchain観測ではBitmineが急落後に12万8,718ETH(約4.8億ドル)を取得し、続いて2万7,256ETH(約1.04億ドル)を追加したとされる。複数の“7 Siblings”クジラは1,300万ドル規模のETHを買い増し、古参BTCホルダーは約13年ぶりに300BTCを取引所へ送金する動きも確認された。
USDe乖離とリスク管理
USDeの乖離を受け、第三者のリザーブ検証で約6,600万ドルの超過担保が示されたため、短期の信用不安は一定程度抑制された。
Ethenaは週次の外部監査に加え、今回の事象に応じて臨時の準備証明を提示。運用の平常性と超過担保を強調した。なお、LLP(Lighter Liquidity Pool)は24時間で-5.35%と低調となり、翌日に補償方針を公表予定としている。
制度・プロダクト動向(10月13日時点)
インド税当局がBinance関連の富裕層トレーダー400人超を調査する一方、米国ではプロダクト多様化が進むため、地域ごとに制度と普及の位相差が際立った。
インドは源泉徴収1%と最大約42.7%の課税が課される枠組みで監督を強化。米国ではGrayscaleがTAOトラストのForm 10を提出、CoinbaseはAmexカードで最大4%のBTC還元を計画し、BASEチェーンのトークン経済提案などL2の制度設計議論も続く。AsterのS2は選択期限・引換・返金の各期限が明示された。
▽ FAQ
Q. Binanceの補償対象と期間は?
A. USDE・BNSOL・WBETHのデペグ影響口座で、10/11の05:36〜06:16(GMT+8)が対象、72時間内反映。
Q. Hyperliquidの損失規模は?
A. 6,300超ウォレットが赤字、総額12.3億ドル超。205件が100万ドル超、1,070件が10万ドル超。
Q. BitmineのETH買いはどのくらい?
A. 12万8,718ETH(約4.8億ドル)取得後、2万7,256ETH(約1.04億ドル)を追加取得と観測。
Q. Aster S2の締切と引換は?
A. 選択締切10/13 20:00、引換10/14 20:00、返金は10/16 07:59(いずれもUTC+8)。
Q. 10月13日時点の価格目安は?
A. BTCは11.4万ドル前後、ETHは4,100ドル台。OKX板を基に速報が配信された。
■ ニュース解説
急落後の反発と補償発表が重なったため、市場は一部落ち着いたが清算・流動性の歪みが残る一方でクジラの買い戻しが下支えとなった。
投資家の視点:レバレッジ管理を最優先に、板薄時間帯の逆指値・証拠金余力を再点検し、取引所リスク(証拠金資産のデペグや指数連動)を分散。イベントの時間(タイムゾーン)と担保銘柄の相関を確認し、約定不能時のバックアップ導線(他所の現物・法定通貨レール)を持つ。
※本稿は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。
(参考:PANews)