9月16日 暗号資産ニュース:英中銀の上限制案とARB解禁

▽ 要約

マクロ 中銀ウィークでBTC$114k・ETH$4,631が焦点
規制 英中銀が個人1万〜2万ポンド上限案に業界反発
供給 ARB9,265万枚が9/16に解除、短期の売り圧意識
チェーン Polkadotが総供給21億DOT上限を可決

中央銀行イベントが集中する週に入り、市場は金利と流動性の行方を見極めたい。結論として、9月16日 暗号資産ニュースの焦点は「英中銀のステーブルコイン保有限度案」「ARBの大規模アンロック」「BTC/ETHの支持水準」だ。全体像を短時間で把握できるよう、事実と数字を厳選して解説する。

マクロ・市況(中央銀行ウィークと主要水準)

市場は政策金利の変化が近いため、BTCは$114,000の支持固めとETHは$4,631維持が当面の争点となった。
米FRBの利下げ観測が強まる一方、週明けの暗号資産は小反落を挟みつつ方向感を探る。PANewsはBTCが$116,000近辺で推移し、まず$114,000の支持転換が重要と整理、ETHは$4,631の保持が新高値探索の条件と指摘した。ETFフローはBTC現物で5日連続+6.42億ドル、ETH現物で4日連続+4.06億ドル(9月12日まで)と底支えが続く。

短期の値動きと出来高

ETF流入が続くため、先物のCMEギャップ解消後も現物主導の買い意欲は残存した。一方で15日には全面反落の局面があり、BTCが一時$115,000割れ、ETHも$4,600割れを試すなど神経質な展開となった。

トークンアンロック(供給イベント)

9月16日22:00にARBが9,265万枚(流通比2.03%、約$4,920万相当)を解除するため、短期の供給増が意識されやすい。ZK(9/17)やOP(9/21)など大型解禁も続く。

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規制・制度(英中銀案/欧州CBDC)

英中銀が「一時的な安定運用」のため個人1万〜2万ポンド、企業1,000万ポンドの保有限度を提案したため、業界は革新阻害と執行コストを理由に反発した。
英中銀は「システミック」なステーブルコインに移行上限を課す意向を7月の講演で言及し、9月にかけ報道や業界団体が反対を表明した。当局は年内に詳細を諮問予定とする。

ECBの動き(デジタルユーロ)

準備段階の終了を受け、ECB理事会は来月、CBDCの次段階を決定する予定のため、立法整備の加速が論点となる。

チェーン・プロジェクト(供給設計と安定性)

PolkadotはDAO投票で総供給上限を21億DOTに設定したため、発行抑制と長期インフレ率の明確化が進んだ。
提案1710は賛成81%で可決し、従来の無上限モデルから2年ごとの発行抑制へ移行する。

HyperliquidのUSDH

USDHの長期予約シンボルはNative Marketsが獲得したため、BlackRockとSuperstateの外部・オンチェーン準備を併用し、少額ミント検証→上場→上限撤廃の段階導入が見込まれる。

Moneroのブロック再編

Moneroでは18ブロックの再編が観測され、51%攻撃を伴わずとも再編耐性の議論が再燃した。

企業・資本(採用・IPO・資産配分)

Amazonが「Head of Crypto Ecosystem」を年俸$500,000で募集し、Capital Groupはビットコイン関連株の保有を$60億超へ拡大したため、人的資本と投資資本の流入が続く。

FigureのIPOとRWAを巡る論点

Figureは9月11日に米市場へ上場し初日に最大+44%を記録、創業者公開書簡で「DeFiは資金調達の主流へ」と強調した。一方、DefiLlamaとの「オンチェーン資産」定義を巡る論争は、RWA測定の基準設計が未成熟である課題を示した。

▽ FAQ

Q. 英中銀のステーブルコイン上限制案は?
A. 英中銀は個人1万〜2万ポンド、企業1,000万ポンドの保有限度を暫定導入する方針を示し、年内に詳細を諮問。

Q. 9月16日のARBアンロックはどれくらい?
A. 9,265万ARBが9/16 21:00(北京)に解除、流通比2.03%、評価額は約4,920万ドル。

Q. Polkadotの供給は今後どうなる?
A. DAOが総供給上限を21億DOTへ設定、従来の年次発行から2年ごとの発行抑制へ。

Q. BTC/ETHの注目点は?
A. BTCは$114,000の支持転換、ETHは$4,631維持が鍵。ETF流入が下支えしている。

Q. USDHはどのように運用される?
A. Native Marketsが発行、BlackRock・Superstate準備で段階導入。まず小規模ミントを検証。

■ ニュース解説

英中銀の保有限度案とARBの大型解除が重なるため、短期は規制と供給イベントがボラティリティを左右する一方で、ETF資金流入と利下げ観測が下値を支える。
英中銀は個人1万〜2万ポンドの上限案を示し業界は執行困難や競争力低下を懸念しており、当局は安定的な決済導入と銀行預金流出の制御を狙う一方で、英市場では一時的な利用制約の可能性があり他法域とのアービトラージ拡大に注意が必要だ。
投資家の視点:ポートフォリオ全体では、①供給イベント前後のレバレッジ縮小、②規制ヘッドラインへの感応度が高い銘柄比率の抑制、③主要支持(BTC$114k/ETH$4,631)割れ時の段階的買い下がりルール化、④規制差の小さいステーブルコインとRWA銘柄の選別を検討しうる。

本稿は投資助言ではありません。

(参考:)