▽ 要約
市況:BTCは$91,000割れ、清算は$416M
ETF:SUI申請とLINK(CLNK)承認報道が焦点
規制・決済:米法案審議と州発行FRNTで基盤整備
2026-01-08はBTCが$91,000を割り、清算増と新商品の材料が同時進行した。

BTCが$91,000を割り込み清算が膨らむ中、機関投資家の関心を映す暗号資産ETFの材料が増えている。SuiやLINK関連の動き、米議会の市場構造法案、州発行ステーブルコインなどを整理し、短期の値動きと中期の制度変化を切り分けて解説します。
市況総括
BTCの下押しと清算の膨張は、レバレッジ主導のポジション調整を示唆する。
BTCは2026-01-08に$91,000を割り、OKXでは$90,938.50まで下落した。短期的には「価格水準」よりも、急変時の流動性と清算連鎖の強さがリスク指標になる。
直近24時間の全体清算は$416Mで、多くがロング側($346M)だった。BTC清算$149M、ETH清算$84.21Mが目立ち、ボラティリティ局面での建玉偏りが露出した。
年初の薄商い局面では、CEXへの大口BTC移動が「売り圧」として解釈されやすい。実際にWintermuteが3日でBinanceへ純計2,654 BTCを入金したとの推計もあり、マーケットメイク・在庫調整と“相場操縦”の境界が論点になった。
規制・政策アップデート
法整備と情報開示の更新は、リスクプレミアムの源泉が「価格」から「準拠性」に移る局面を映す。
米国では参議院銀行委員会が暗号資産の市場構造を巡るCLARITY法案を2026-01-15に審議予定と報じられた。採決のタイムラインは、上場商品やカストディの扱いに波及し得るため、価格イベントとは別軸で注視したい。
日本はOECDの暗号資産報告枠組みCARFを2026-01-01に導入し、取引所に税務情報の収集を求める。既存口座は2026-12-31までの提出期限が示され、実務面の“締切リスク”が明確化した。
個別事案では、去中心化予測市場Polymarketの判定を巡る不満が報じられ、イベント定義・証拠基準の不透明さが改めて論点化した。カンボジアでPrince Group創業者が拘束され中国へ送還されたとの報道もあり、域外案件でもコンプライアンス連想が市場心理に影響しやすい。
ETF動向
現物ETFの申請・承認は、資金導線の「制度化」を加速させる材料になりやすい。
SuiではGrayscaleが2025-12-05にSui Trustの現物ETF転換を申請し、申請書にstaking収益の組み込みも示された。Bitwiseも2025-12-19にSUI現物ETFを申請したとされ、L1の評価軸が「TPS競争」から「規制適合の器」へ寄り始めた。
一方で、プロトコル健全性は別問題だ。SuiのTVLは2025-10に$2.6Bのピークを付けた後、足元は約$1.0Bとされ、DeFi上位のSuiLendを巡るガバナンス不信も指摘された。ETFが“入口”を広げても、オンチェーン実態の毀損はリスクとして残る。
他銘柄では、BitwiseがLINK現物ETF(ティッカーCLNK)のNYSE Arca上場でSEC承認を得たとの報道が出た。逆にWisdomTreeは現物XRP ETFのS-1を撤回し「現時点では進めない」としたとされ、銘柄ごとの前提条件が分岐しつつある。
企業・資金調達・プロジェクト動向
決済インフラ、取引所運営、資金調達が同時に進み、分散した材料が市場テーマを形作っている。
ステーブルコインの領域では、2025年の市場規模が$130.553B→$308.585Bに拡大したとの推計や、2026年にテック企業・AI企業が採用を加速するとの見立てが示された。USD1(WLFI)を最大受益者とする主張もあり、見通しと実績の峻別が重要になる。
米国ではワイオミング州の政府支援ステーブルコインFRNTがKrakenを通じて公開販売され、Solana上で発行された。秒単位決済や$0.01程度の手数料を掲げ、準公的主体が決済実験を進める形だ。
金融機関側ではBarclaysがステーブルコイン清算プラットフォームUbyxに投資したと報じられ、インフラ投資が“周辺部”から積み上がっている。RumbleとTetherが非カストディウォレットを共同投入し、USDTやXAUtでの投げ銭導線を作る動きも出た。
エコシステム施策ではSolana MobileがSeeker向けSKR配布を告知し、総供給の20%に当たる20億枚を2026-01-21 11:00 JST(02:00 UTC)にエアドロップ予定とした。初季のSeeker活動は265 dApp、900万件の取引、$2.6Bの出来高を掲げる。
大口運用ではBitmineが19,200 ETHを追加で質押し、累計827,008 ETH(約$2.62B)に達したと報じられた。レバレッジ市場の清算増と同日に、現物の“利回り志向”も確認できる。
インフラ企業の統合も進む。Fireblocksは暗号会計のTRES Financeを$130Mで買収合意とされ、企業の資金管理・会計オペレーションの内製化需要を取り込む狙いが示唆された。
取引所・プロダクト面では、HTXが2025年に登録ユーザー5,500万人、年商い$3.3Tなどを掲げる年次レポートを公表した。Binanceは2026-01-07 23:00 JST(14:00 UTC)に「币安人生」「ZKP」を上場し種子タグ付与とし、個別銘柄の流動性供給が続く。
資金調達ではBabylonが$15Mを調達し、BTCを第三者に預けずに担保化するBTCVaultsを開発、2026年Q2にAave統合を計画するという。VC論としては、Dan Robinson、Chris Dixon、Kyle Samaniを“歴代トップ”に挙げる見解が紹介され、誰が資金と物語を供給するかも相場形成要因になる。
周辺領域ではAI研究者の李飛飛が「空間知能」を強調し、AIが現実世界の取引・微小決済を誘発するとの文脈と接続し得る。PolymarketについてはYESとNOが「1ドルの分割」であるという仕組み解説も出ており、商品理解の差が収益・損失に直結しやすい局面といえる。
▽ FAQ
Q. 米国の市場構造法案で注目の日程は?
A. 参議院銀行委はTim Scott委員長の下、CLARITY法案を2026-01-15に審議し、2026-01-30前の採決を狙う。
Q. Suiの現物ETF申請で何が論点?
A. Grayscaleは2025-12-05に申請しstaking収益も想定、Bitwiseは2025-12-19に追随した。
Q. 日本のCARF導入で個人は何に注意?
A. 日本は2026-01-01にCARF導入、Coincheckは2026-01-06に通知し、既存口座は2026-12-31まで提出。
Q. ステーブルコインの新規事例は?
A. ワイオミング州はFRNTをKrakenで公募しSolana発行、Stargateでマルチチェーン対応し利息は教育へ、手数料$0.01水準。
■ ニュース解説
清算増と価格下落が短期の需給を示す一方で、制度整備と新商品の動きが中期の資金導線を形作るため、材料の時間軸が交錯している。
ETF申請や州発行ステーブルコインの拡大は採用フェーズの前進を示すので、オンチェーン実態・規制対応・流動性の3点で分解して捉えたい。
投資家の視点:短期は清算額・板の薄さ・大口移動の解釈に注意しつつ、中期は2026-01-15の米審議日程や2026-12-31のCARF提出期限など「確定した日付」を軸にシナリオを組む。個別銘柄はETF材料だけでなく、TVL推移、トークンロック率、カストディ体制、ガバナンス事案を併読することがリスク管理になる。
※本稿は一般的な情報提供を目的としており、特定銘柄・金融商品の売買を推奨するものではなく、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
(参考:PANews)





