95歳バフェット「最後の手紙」退任と感謝祭

▽ 要約

経営:年末にCEO退任、年次書簡は終了。
公式:感謝祭レターで“going quiet”宣言。
人事:後任はグレッグ・エーブル氏が就任。
寄付:A株1,800→B株270万株へ転換し寄付。

ウォーレン・バフェットが年末退任に合わせ『バフェット 最後の手紙』を公表しgoing quietと感謝祭レター継続、A株1,800→B株270万株寄付、後任グレッグ・エーブルを明示した。

ウォーレン・バフェットの退任宣言と感謝祭レター

年末にエーブル体制へ移行するため、バフェット氏は「going quiet」と述べ年次書簡と長時間の総会発言を終え、今後は毎年11月の感謝祭メッセージで発信するとした。
バークシャーは11月10日付リリースで、書簡の冒頭に「英国風に言えば“going quiet”」と明記。あわせて「年末にグレッグ・エーブルがボスになる」「誠実なコミュニケーター」と後継を称えた。なお、バフェット氏は会長職にとどまり、株主向けの主要コミュニケーションはエーブル氏が担う。

要点

退任宣言に先立ち、11月10日にA株1,800株をB株2,700,000株へ転換し4財団へ寄付、同日付メッセージが「最後の手紙」として公開された。

背景

株主との長期的な対話文化を重視してきた同社は、年次報告書・総会・随時の書簡で透明性を担保してきたため、書簡終了後は「感謝祭レター」が恒常的な対話の器になる。
バフェット氏はオマハに根差した生活史やチャーリー・マンガー氏との64年の友情を振り返り、運と謙虚さを繰り返し強調した。議論はあっても口論はなく、「I told you so」は彼の語彙に無かったと記す。

市場への影響

トップ交代は周知のシナリオであり、エーブル氏が年次書簡と総会の説明役を引き継ぐため、情報発信の非連続性は限定的となる。一方で「バフェット・プレミアム」の薄れを巡る見方は短期的なボラティリティ要因となり得る。

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論点とリスク

「全社の将来性は平均をやや上回る」が、規模の大きさはアイデア発掘の制約となるため、指数超過リターンの持続性には慎重姿勢が必要だとしている。
同氏は「壊滅的災難が起きにくい企業」と強調し、株主志向の経営・ボード運営を掲げる一方、株価は50%下落もあり得るとして平時の忍耐と資本配分規律を促す。

今後の注目点

2025-12:エーブル氏がCEO就任、年次書簡・総会での説明役を継承。
2026-02:初の年次書簡(新体制下)が公表予定、資本配分と保険事業の方針を確認する局面。
2026-11:バフェット氏が感謝祭メッセージを継続予定。慈善寄付の進捗と保有A株の配分方針が補足される可能性。

▽ FAQ

Q. バフェット氏はいつ退任し、今後どう関与しますか?
A. 2025年末にCEO退任、会長は継続。毎年11月の感謝祭メッセージで発信します(書簡は終了)。

Q. 後任は誰ですか?
A. グレッグ・エーブル氏(63)が2025年末にCEO就任し、年次書簡と株主総会での主要説明も担います。

Q. 今回の寄付はどの程度の規模ですか?
A. A株1,800→B株2,700,000へ転換し4財団へ贈与、推定約$1.35B。最大はスーザン財団へ1,500,000株です。

Q. 書簡で示した同社の見通しは?
A. 「全体は平均をやや上回る」一方、規模の大きさが頭打ち要因になり得ると慎重な口調で述べました。

Q. リスク管理に関する言及は?
A. 「壊滅的災難の可能性は最小級」。株主志向の経営と節度あるリスクテイクを堅持すると強調しました。

■ ニュース解説

年末のCEO交代に合わせて年次書簡の終了と感謝祭メッセージへの移行、寄付加速、会長継続が示され、後継のエーブル氏を中心にコミュニケーションの連続性を確保する方針が明確化した。
投資家の視点:イベントドリブンなボラティリティに備えつつ、①保険アンダーライティングと資本配分の運用実績、②巨大現金残高の使途、③A/B株の供給変化(寄付・換金の波及)をモニターするのが実務的対応。

※本稿は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。

(参考:Berkshire Hathaway