10月26日 暗号資産:BTC11.2万ドル接近、ETF流入

▽ 要約

市況  BTCは$112,000接近、買い支え確認/派生清算は$132Mで両建て縮小
資金フロー 米BTC現物ETFは2025-10-24に+90.605M、ETHは-93.596M
規制  キルギスが国民ステーブルとCBDC準備、教育連携は10大学
企業  BinanceがGIGGLE・F上場、AlphaでXNAP/COMMON/42配布

価格・フロー・政策を横断し、BTCは11.2万ドル接近で買い支え継続、ETH現物ETFは3日連続流出のため需給に差が出た—これをビットコイン市況の観点で解説する。

市況総括(価格・フロー・センチメント)

BTCは買い戻しが優勢となり$112,000接近のため上値試しが続く一方、清算規模は24時間で$132Mと限定的にとどまった。
現物側では米BTC現物ETFが2025-10-24に+90.605Mの純流入、当日の12本はすべて流入で、裁定・積立の買い需要が価格の押し目で機能した。先物・オプションでは両建ての巻き戻しが進み、ネット清算は$132M(ロング・ショート混在)で過度なレバレッジは観測されない。
一方、ETHは現物ETFが3日連続で純流出(2025-10-24は-93.596M)となり、短期の相対パフォーマンスはBTC優位に傾いた。

レンジ・需給の見方

マクロ面のインフレ鈍化観測が米利下げシナリオを支えるため、上値試しの押し目買いが入りやすい地合いとなった。
供給サイドではマイナー難易度・ハッシュが過去最高圏、Miner Revenue Indexは0.694(2021-04高値0.716近辺)で収益環境は中立〜やや改善、現物の売り圧は抑制気味とみられる。クジラ動向は分化し、勝率100%とされる対手がショートを666 BTCまで増やす一方、OGクジラは100 BTCの取引所送付やUSDCの大口移動で流動性確保を進めた。

規制・政策アップデート

中央アジアではキルギスが国民ステーブルコインのBNB Chain発行とCBDCのローンチ準備を明らかにしたため、地域通貨デジタル化の実装が前進した。
米国では政治イベントで暗号資産の債務削減活用に言及があったが、政策化には実務課題が多く短期の資金フローへ直結する材料ではない。インフレ統計の鈍化により10月・12月の利下げ観測が浮上しており、割引率低下の思惑がデジタル資産のリスク許容度を支えている。

企業・資金調達・プロジェクト動向

BinanceはGiggle Fund(GIGGLE)とSynFutures(F)を上場し、派生の建玉はGIGGLEで$100M超まで拡大したため、短期のテーマ回転が加速した。
マイニングではBitdeerの週間産出が123.4 BTC、自社保有は2,180.2 BTCに増加し、現物供給圧力は限定的にとどまる。一方、LINKの大口引き出しやETHホルダー(100〜10,000 ETH)のネット買い戻し(直近週+218,470 ETH)が観測され、メジャー銘柄に資金が回帰している。

レンジ・需給の見方(派生・クジラ)

短期ではロング・ショートの回転が活発で、24時間PnLは+$377Mの利益偏在が出たため、過熱帯では急速な逆回転に警戒が要る。クジラの取引所送付やステーブル移動は板流動性を厚くしつつ、イベント前後の一方向加速を抑える可能性がある。

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イベント

Binance Alphaは2025-10-27にXNAP・COMMON・42の各エアドロップを開始するため、Alpha Points保有者の需給がタイト化しやすい。併せて、225 Alpha Points以上は2025-10-25 16:00(UTC+8)から別途トークン配布請求が始まっており、短期の資金移動に注意したい。

▽ FAQ

Q. 米ビットコイン現物ETFの直近フローは?
A. 2025-10-24に+90.605Mの純流入で、当日は12本すべて流入。過去5営業日の累計でも流入超に転じた。

Q. イーサリアム現物ETFは?
A. 2025-10-24の純流出は-93.596Mで3日連続流出。BlackRock ETHAが-101M、Grayscale miniが+7.395Mと分化。

Q. クジラの建玉と資金移動は?
A. 勝率100%対手のショートは666 BTC(建値$110,004)、OGは100 BTCをKrakenへ、326.32M USDCをBinanceへ送付。

Q. 政策の注目材料は?
A. キルギスがBNB Chainで国民ステーブルを計画、CBDCは準備完了。教育は10大学と連携強化。

Q. 10月27日に何が起こる?
A. Binance AlphaでXNAP・COMMON・42のエアドロップ予定。Alpha Points保有者は配布請求で資金移動が発生しやすい。

■ ニュース解説

米BTC現物ETFが2025-10-24に流入へ戻ったため価格の押し目買いが機能し、ETH現物ETFは3日連続流出で相対弱含みとなった。一方で派生建玉の増加やクジラの玉移動がイベント前のボラを高める可能性がある。
投資家の視点:イベント(上場・配布)前後は流動性と資金回遊が偏りやすいため、スプレッド拡大・清算連鎖・ショートカバーの3点を監視。ポジションサイズ調整と板厚確認、ETF日次フローとステーブル残高の同時チェックを推奨。

※本稿は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。

(参考:PANews