8月26日 仮想通貨ニュース:ETH高値、WLFI論争、資金流入

▽ 要約

マーケット ETHが4,957.98ドルで高値、BTCは11.68万ドルギャップ。
トークン WLFIのAave7%配分巡り対立、早期投資家は最大14倍。
ステーブル MetaMaskのmUSDや配布主導権争いで再編が進行。
資金動向 週17件・2.403億ドル調達、IVIXが6,000万ドル。

投資家の関心は「どこに資金が流れているか」に尽きる。本稿は8月26日の主要トピックを横断し、8月26日 仮想通貨ニュースとして市況、プロトコル論争、ステーブル再編、資金循環を要点整理する。高値更新のETH、WLFIを巡るAaveとの齟齬、mUSDなどOEM型の台頭、週次の資金調達とVC動向まで解説する。

市況とマクロ(ETH高値・BTCテクニカル・政策)

ETHが4,957.98ドルで過去高値を付け、パウエル発言で利下げ観測が強まる中、BTCは11.68万ドル近辺にCMEギャップを残したため、短期はETH優位の展開となった。
Jackson Holeでの鳩派トーンがリスク資産を押し上げ、週末のETH強含みと資金のローテーションが示唆された。一方BTCは長期保有層の売りとETF資金の揺り戻しで戻りが鈍い。テクニカルではETHの4,600ドル上維持なら5,200〜5,500ドルを視野、BTCは11.34万ドル回復が確認線となる。

金利・規制のシグナル

降息観測は9月決定の経済指標次第となり、香港は2026年1月1日からバーゼル基準に沿った暗号資産の資本規制を全面適用するため銀行の保有は厳格化する。
ETFフローはBTC現物ETFが週次で▲11.7億ドルの純流出、ETH現物ETFは14週連続の流入が止まり2.38億ドルの流出と、相場の息切れを映した。

プロトコル/トークン動向(WLFI・HYPE・テーマコイン)

WLFIのTGEを前に、Aave DAOに7%のトークン配分と20%の手数料シェアを付与する提案の「有効性」を巡り当事者の主張が対立したため、AAVEのボラティリティとガバナンスの信認が議論となった。
WLFIは総供給1000億、販売35%・コミュニティ32.5%・初期支援者30%・チーム2.5%の割当で、早期投資家は$0.015(14倍)と$0.05(4.2倍)の利回りが示現した。上場は9月1日予定。

関連:トランプ発WLFIトークン、9月始動へ

HYPE評価と「DAT」旋風

Hyperliquid関連では、HYPEを「過小評価」とする創業者インタビューや、Arthur Hayesの「3年で最大126倍」見立てが相次ぎ、取引所型キャッシュフローと買い戻しを根拠にした評価手法が注目を集めた。

セレブ銘柄の教訓

Kanye Westの$YZYは9秒点火から時価総額急騰後に急落し、内部者関与の疑義が指摘された。著名人銘柄は情報の非対称と流動性リスクが大きい。

ステーブルコインの新局面(mUSDと配布競争)

MetaMask×Bridge(Stripe傘下)のmUSDは、ブランドがUI/配布を担い、発行・準備・監査は基盤事業者が請け負うOEM型のため、参入障壁とコンプライアンス負担を同時に下げるモデルと位置付けられる。
世界では「発行」から「配布」主導の競争へ軸足が移り、時価総額は2,778.66億ドル、USDTシェア60.19%、USDCは674.56億ドル(24.28%)と寡占構造が進む。

政策対話とRWA実務

上海のセミナーでは、クロスボーダー送金の大量実証と法遵守コストの現実論が共有され、APACと香港の制度整備がRWA普及の足場になるとの見方が示された。

DeFi・インフラ(Curve/ZK)

Curveの新作Yield Basisは循環レバレッジで無償損失を「移転」する設計のため、手数料配分・crvUSDの安定性・清算連鎖の懸念が残る一方で取引高増を狙う戦略と評価された。
ZKはzkVM→zkコプロセッサ→オープン証明市場へ発展し、RISC ZeroやBoundlessの構想が「信頼計算の共通基盤」へ進化させている。

Launchpadの設計比較

代表的10プラットフォームの仕組みは、発行と取引の一体化、手数料の焼却・配当、ボンディングカーブなどに分岐し、参加条件とポジション管理が成否を分けると整理できる。

取引の本質と実例

PendleのPT/YT分離は香港の駐車場投資の「所有(PT)と賃料権(YT)」に対応し、時間価値の切り分けと流通で価格が形成される点を直感的に示す。

Web3スポーツの急拡大

Football.FunはBase上でTVL1,000万ドル超、延べ時価総額1.5億ドル到達など指標が急伸し、手数料収益と手数料率の動的制御で経済圏を拡大した。持続性と公平性には賛否がある。

資金循環(週次17件/VCの現実)

8/18〜24は17件・総額2.403億ドルの調達で、AI×コンプラのIVIXが6,000万ドルBを完了した一方、VCの資金組成は強気相場でも難度が上昇している。
大手はSOL買い向けの10億ドル資金組成を模索し、企業のデジタル資産トレジャリー(DAT)台頭は従来VCとの資金配分を競合させる。

▽ FAQ

Q. 8月26日のETHは何があった?
A. 8月26日朝に4,957.98ドルの過去高値を更新し、短期はETH優位。

Q. WLFIとAaveの合意は有効?
A. Aaveは7%配分と20%手数料案の有効性を主張、WLFI側は否定。

Q. mUSDの特徴は?
A. Bridgeが発行・準備を担うOEM型で、MetaMaskはUXと配布に注力。

Q. 直近週の資金調達は?
A. 17件・約2.403億ドル、IVIXがシリーズBで6,000万ドルを調達。

Q. HYPEの見通しは?
A. Hayesは3年で最大126倍の上昇余地を言及、収益成長を根拠。

■ ニュース解説

ETH高値と利下げ思惑が資金のETH偏重を強めた一方で、WLFIとAaveの配分論争はオンチェーン・ガバナンスの不確実性を映し、ステーブルはmUSDなどOEM型と配布主導の競争が進んだ。
投資家の視点:短期はETH相対強の継続とステーブル/RWAの制度面進展に沿った銘柄選別、WLFI周辺は情報開示と実装状況の確認を優先し、レバレッジ系DeFiは清算リスクと収益配分の実効性を精査した参加が無難。

※本稿は投資助言ではありません。

(参考:PANews