8月25日仮想通貨ニュース:市況と注目材料

▽ 要約

マーケット:BTC一時11.1万ドル割れ、ETHは4,900ドル台で推移。
ステーブル:USDe供給が120億ドルで過去最高を更新。
WLFI:Aaveの7%配分巡り提案通過の主張と否定情報が交錯。
日程:東京WebX、香港Bitcoin Asia、米コアPCEなどが週内焦点。

投資家が知りたいのは「今、何が動き、どこを見るか」だが、本稿は8月25日 仮想通貨ニュースの要点を一望できる形で示すため、USDeの急拡大、WLFIとAaveの配分論争、主要トークンの大口解禁、東京・香港の大型イベント、米PCE・GDPなど今週の相場ドライバーを解説する。

8月25日 仮想通貨ニュース+今日のスマートマネー(Nansen)

本日の市況と主要データ(8/25)

主要ステーブルの伸長と金利観測の思惑が交錯したため、BTCは一時11.1万ドル割れとなり、ETHは4,900ドル台を維持した。
BTCは8月25日未明に110,852.90ドルまで下落し日次で-3.11%の局面があった一方、ETHは同日4,900.70ドルで+2.13%を確認した。ステーブルではUSDe総供給が120億ドルに達し過去最高を更新、流動性の受け皿が拡大した。さらに9月利下げ観測を巡るSNS言及が11カ月ぶり高水準となり、過度な楽観への警鐘も示された。

USDeの急拡大

供給拡大の背景に基軸通貨需要と運用先拡張があるため、USDeは時価総額100億ドル突破から加速し120億ドルへ伸長した。
Ethenaは総供給120億ドル到達を公表し、同プロジェクトは約500日で時価総額100億ドルに到達していた。安定通貨の台頭はDEX・CEXの流動性と裁定活動を支え、ボラティリティの圧縮とポジションレバレッジ取りやすさに寄与しうる。

マクロ言及の急増とセンチメント

利下げ議論の言及増はしばしばピークトップの逆指標となりうるため、過度な強気は短期の反落リスクを伴う。
Santimentは9月FOMCの利下げ期待に関するSNS言及が11カ月ぶりの高水準と指摘した。歴史的には単一の強気物語が過熱すると、イベント前後での「事実売り」や上振れ・下振れの拡大を招くことがある。

WLFIとAave—7%配分を巡る経緯

相反する主張が並立するため、一次情報の提案・投票記録に基づく事実確認が重要となった。
WLFIとAaveの提携を巡り、AaveにWLFI総供給の7%付与とAave v3による20%のプロトコルフィー還元を含む提案が話題化。否定的見解も出た一方、Aave創業者は「WLFIチーム作成の提案がAave DAOで可決し、WLF側でも追認」と再度発信した。投資判断では配分・権利確定の技術的条件(スナップショット時点、TGE条件、ロックやベスティング)を吟味する必要がある。

公募参加者の分布とTGE影響

上位集中とTGE20%解放の資金化余地があるため、初期フローは価格の上振れと利食い圧力が併存する。
公募参加者のTOP10は総投入7,308万ドルで4.63%(約46.4億枚)を保有、TOP1(moonmanifest.eth)は10億枚超と断層的。想定価格0.2843ドルではTGE解放20%の価値が約2.64億ドルに達する。出来高・板厚・清算エンジンの仕様により初期ボラは増幅しやすい。

今週のイベント・規制・マクロ日程

地域イベントと米指標が重なるため、流動性が回帰する一方でイベントドリブンの乱高下に備える局面となった。
東京のWebX(8/25–26)に続き、香港で8/27にブロックチェーン高峰フォーラム、8/28–29にBitcoin Asia(Eric Trump登壇予定)が開催される。米指標は8/28に実質GDP改定、8/29に7月コアPCE。香港では取引・カストディ規制制度の意見募集が8/29締切となる。

関連:8/25 BTCフラッシュクラッシュの全貌

トークン解禁・取引所アップデート

供給ショックと新規上場が同時期に集中するため、短期金利感応度の高いアルトは個別で乖離が生じやすい。
解禁:JUPが8/28に約5,347万枚(約2,710万ドル)、KMNOが8/30に約2.29億枚(約1,330万ドル)、HUMAが8/26に約3.78億枚(約1,000万ドル)、VENOMが8/25に約5,926万枚(約890万ドル)、ALTが8/25に約2.40億枚(約850万ドル)、SOPHが8/28に約2.67億枚(約890万ドル)、SAHARAが8/26に約8,427万枚(約730万ドル)、REZが8/30に約4.48億枚(約620万ドル)など。
取引所:Binance Alphaが8/25にMultiple Network(MTP)、8/26にAlttown(TOWN)を予定。Bybitは8/26にCentrifuge(CFG)現物上場。OKXは8/27–28に一部レバレッジ銘柄の下架を実施。韓国のDAXA各社は8/28にPUNDIAIの取引サポートを終了する。

注意喚起(フィッシング)

EIP-7702を悪用した一括承認型フィッシングが確認されたため、署名前にトランザクション内容の逐語確認が必要となる。
一括操作にNFT・トークンの承認が混在し、約154万ドルの被害が発生した事例が報告された。ウォレット側の可視化や承認上限の管理、Revocationツールの定期実行を推奨する。

▽ FAQ

Q. USDeの最新供給量は?
A. 2025年8月24日に総供給120億ドルへ到達し、過去最高を更新した。

Q. WLFIのTGEで解放される価値規模は?
A. 想定価格0.2843ドルで20%分が約2.64億ドル相当と見積もられる。

Q. 今週の大型カンファレンスは?
A. WebX(8/25–26、東京)とBitcoin Asia(8/28–29、香港)が開催される。

Q. 今週の主要マクロイベントは?
A. 米実質GDP改定(8/28)と7月コアPCE(8/29)が焦点となる。

Q. 主要なトークン解禁は?
A. JUP(8/28・約5,347万枚)、KMNO(8/30・約2.29億枚)などが控える。

■ ニュース解説

価格は金利観測の思惑転換で短期に振れやすく、USDe供給拡大で流動性は厚みを増す一方で、WLFIとAaveの配分論争や大口解禁が上値と下値を試す要因となる。
BTCは11.1万ドルを割れ、ETHは4,900ドル台を維持し、USDeは供給120億ドルに到達し、SNSでは利下げ言及が急増した。WebXやBitcoin Asiaなど需給が厚くなる催事に加え、米GDP改定やコアPCEといった政策判断が重なり、イベント通過のたびに「期待から結果を受けてのポジション解消」が生じやすく、薄い板の時間帯にはスプレッド拡大も起きやすい。
投資家の視点:①イベント前後はレバレッジ縮小と指値分割、②解禁銘柄はフロー起点(ベスティング・マーケットメイク)を精査、③ステーブルの成長は手数料・清算エンジンとの相性でボラに作用。時間分散と損切り幅の事前設定を徹底。

※本稿は投資助言ではありません。

(参考:Ethena Labs,Aave DAO