AI Agent & DeSciが作り出す新たな「Meme」の世界

【要約】
本記事では、AI AgentとDeSciが同時に注目される理由や、それぞれの主要なMemeトークンについて詳しく解説いたします。AI Agentはブロックチェーンとの組み合わせによって自律性と分析力を備えた新たな投資・技術分野として脚光を浴びています。一方DeSci(分散型科学)は、Web3技術を活用して研究資金や知的財産管理を改善し、科学研究を大きく前進させる取り組みです。市場ではAI AgentとDeSciが融合する形でMemeブームが再燃し、イノベーションの潮流を牽引しています。

1.AI Agentの急成長と主なMemeトークン

1-1.AI Agentとは何か

AI Agentとは、環境を感知し、自律的にタスクを実行し、経験から学習を重ねられる「自動化・目標指向型AIシステム」です。DeFi Summer期(2020~2021年)に似た投機熱と比較されるほど、AI Agentは今の暗号資産市場で大きな注目を集めています。ブロックチェーンの透明性はAIの学習や意思決定プロセスと相性がよく、今後ますます発展するとの見方が強まっています。

1-2.人気AI Agent系Memeトークン

Cookie DAOが示す「Mindshare(消費者の心の占有度)」を参考に、高い注目度を集める代替トークンをピックアップします。

  • AIXBT(@aixbt_agent)
    市場評価額およそ5.5億ドル。独自エンジンで加密ツイッターのトレンドを分析し、保有者に高精度の投資情報を提供するとされています。
  • Virtuals(@virtuals_io)
    市場評価額約40億ドル。$VIRTUALをロックしてAIエージェントを生成する仕組みを導入。1月1日時点で1.3万体以上のAIエージェントが作られています。
  • AI16Z(@ai16zdao)
    市場評価額約20億ドル。ElizaOSというフレームワークを開発するDAOで、複数の関連トークンを運用中。
  • Fartcoin(@FartCoinOfSOL)
    Solanaチェーン上のMemeコイン。ユーザーがジョークやMemeを投稿すると報酬が得られる仕組み。
  • Zerebro(@0xzerebro)
    アートやNFT生成に特化したAIエージェントで、独自のコンテンツ発信を行います。
  • Griffain(@griffaindotcom)
    Solana上のAI Agentで、ウォレット操作やトークン取引、NFTのミントなど複雑なタスクを自動化。
  • SNAI(@swarmnode)
    分散型クラウドプロトコルSwarmNode.aiの基盤トークン。AI Agentをクラウドサービスとして提供します。
  • ARC(@arcdotfun)
    AIインフラに関連するトークンで、開発フレームワークとの連携が特徴。

ほかにも、ALCH・Spore.fun・VADER・Luna・Bullyなどのトークンが台頭しており、BaseやSolanaといった高パフォーマンスチェーンを主戦場に多種多様なAI Agent系Memeプロジェクトが続々登場しています。

2.DeSciの新潮流と主な取り組み

2-1.DeSci(分散型科学)の基本理念

DeSciは、Web3技術を活用して科学研究の資金調達や知的財産権管理を効率化しようとする取り組みです。これにより研究資金を公開かつ透明な形で集め、既存の学術論文や特許の扱いを大きく改善する可能性があります。2021年に誕生したVitaDAOを始祖として、多くのプロジェクトが研究資金集めや研究成果のトークン化に活路を見出しています。

2-2.BioDAO Protocol

Binance Labsが出資したBIO Protocolは、DeSci領域における重要プロジェクトの一つです。複数の子DAOを擁し、共同で研究資金やIP(知的財産)を管理していく仕組みを採用。VitaDAO(長寿研究)やAthenaDAO(女性健康)、HairDAO(脱毛対策)など、すでに複数の分野で子DAOを立ち上げており、各自が特定の研究テーマに取り組む形を取っています。

2-3.PumpScienceとSolanaの動き

DeSciのMeme版プラットフォームともいえるPump.scienceがSolanaで始動。抗生物質RifampicinをモチーフにしたRIFトークンや、石榴由来のUrolithin Aに着目したUROなど「研究テーマ×Meme」の代替トークンが実験的に投入されています。従来の金融領域にとどまらず、科学研究をエンターテインメント化する試みが目立ちます。

2-4.その他DeSci関連プロジェクト

  • SciHub(@0xAA_Science)
    オープンアクセス運動を支援する非公式トークン。論文無料公開サイトSci-Hubへの寄付・宣伝を目的に作成。
  • WORM
    秀麗な神経ネットワークをヒントに作成された「オンチェーンのデジタル脳」。自律的に情報を処理して意思決定を行うとされています。
  • GENOME
    遺伝子データを安全かつプライバシーを重視してトークン化するプロジェクト。個人のDNA解析データをDeFiのような手法で活用する取り組みです。
  • GALEON
    医療現場や政府と連携し、ブロックチェーン技術を活用した電子カルテ(EHR)システムの普及を目指すプロジェクト。
  • ResearchHub
    論文の共有や査読プロセスにトークンインセンティブを導入し、学術界の協力・発表を活性化する試み。

3.AI AgentとDeSciがもたらす未来

3-1.Meme×技術で新たな相乗効果

AI Agentは技術面での実装や投資価値が語られる一方、DeSciは社会的・学術的な重要性に焦点が当たります。両者ともMemeとしての要素を持ちつつ、裏付けとなる実用性や課題解決アプローチを提示できている点が特徴的です。

3-2.異なる“ブレイク”条件

  • AI Agentの場合
    内部からのブレイクに依存しやすく、「自律的で面白い」「技術的ハードルを超えている」など、AIそのものの進化によって話題性を確立しやすい面があります。
  • DeSciの場合
    研究者や医療、製薬といった外部コミュニティを巻き込む必要があり、著名研究機関や企業との提携などがきっかけで大きく飛躍する可能性があります。

3-3.両者のリーダー不在と今後

現段階では、AI Agent分野では時価総額10億ドル超級のリーダー的トークンがいくつも誕生していますが、DeSciはまだ大型プロジェクトが少ない状況です。とはいえ、Binanceが投資したBioDAO Protocolなどを中心に活発化が見込まれます。いずれも市場の投機マネーだけでなく、技術や社会的意義が組み合わさることで伸びしろが大きいと考えられます。

AI AgentとDeSciの両輪が今後の暗号資産市場にどれほど影響を与えるのかは未知数ですが、Meme要素だけでは語りきれないほど多彩な試みが進行中です。純粋な投機ではない、価値志向の動きが徐々に台頭している点こそ、この新たな潮流の最大の特徴だといえましょう。今後、研究者や開発者、投資家が交わることで、ブロックチェーンによるイノベーションがさらに加速する可能性があります。どちらの分野にも、社会実装とコミュニティの盛り上がりが鍵を握るのは間違いありません。

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