
【要約】
・EOSが「Vaulta」にブランドアップグレードし、Web3銀行へ転身を宣言
・exSatがEOSを上回るエコシステム規模を形成し、独立性を強化
・トランプ大統領が米国の仮想通貨・次世代金融技術を主導する意志を表明
・Arthur Hayesはビットコインの底値を約7.7万ドルと予測し、市場の乱高下を示唆
・UNI(Uniswap)コミュニティは新基金に1.655億ドルを承認し、今後の「費用スイッチ」に布石
・著名トレーダー「Eugene」によるリスク管理と集中投資の手法が話題に
・FOMC(米連邦公開市場委員会)は政策金利を据え置き、流動性拡大への期待感が高まる
EOSが「Vaulta」へ――Web3銀行としての再始動
かつて“イーサリアム・キラー”とも呼ばれたEOSが、新たに「Vaulta」としてブランドを一新し、Web3銀行事業への転身を表明しました。EOS Network Foundationは、長年にわたる公衆チェーン競争での苦戦から抜け出すべく、銀行や資産運用、保険など伝統的な金融領域へと事業をシフトする方針を発表。カナダの金融機関とも連携し、カストディ(資産保管)サービスを中心としたWeb3銀行をめざすとしています。
特に目を引くのは、EOSトークンを「Vaultaトークン」へ切り替える計画です。既存のEOS保有者は1:1で交換が可能になるとされますが、従来のブロックチェーン・ガバナンス機能は大きく削減される見通しです。さらにEOSネットワーク上のRAMの希少性が今後価値を高めるとの見方もあり、エコシステムにおける代替的な資源の位置付けが注目されています。
exSatがもたらす独立エコシステム:EOSを超える影響力
Vaulta(旧EOS)の重要プロジェクトとして注目されるのが、2024年にローンチされた「exSat」です。これはビットコインの主チェーンとレイヤー2を接続する“Docking Layer”を目指す仕組みで、取引手数料を抑えながらビットコインでのDeFiを可能にする独立性の高い設計になっています。
現在、exSatには5,413BTC(約5.87億ドル相当)がステーキングされており、Vaulta(EOS本体)のTVLを大幅に上回る資金が集まっています。共通基盤としてEOSのRAMを利用しながらも、独自の共識アルゴリズム(PoS+PoW+DPoSを融合)を実装。すでにCertikやHashkey、F2pool、OKXなど複数の大手参加者が検証者として稼働しており、ひとつの独立したエコシステムとして発展中です。
トランプ大統領の仮想通貨政策表明と世界規制動向
2025年3月20日のデジタル資産サミット(DAS)において、トランプ大統領は米国が仮想通貨や次世代金融技術を主導する方針を示しました。
過去には厳しい発言もあったトランプ氏ですが、今回は「我々は以前の政権下で生じたビットコインや暗号資産への過度な規制攻撃を終わらせる」「アメリカは主要な暗号資産の備蓄を進める用意がある」とのメッセージを出し、投資家の注目を集めています。
一方、パキスタンがデジタル資産のフレームワーク導入を検討するなど、世界的に新興国を中心に法整備の動きが強まっています。日本やEUもステーブルコインの規制枠組みを整え始めており、国際的なコンプライアンスが今後ますます重要視されるでしょう。
アーサー・ヘイズとリップルCEOの相場観
BitMEX元CEOのArthur Hayesは「ビットコインが7.7万ドルを底値とするかもしれない」と言及しつつも、株式市場が一時的に再調整する可能性があると主張しています。もし株式相場が再び急変動すれば、ビットコインもさらなるボラティリティに見舞われるかもしれません。
また、Ripple社のBrad Garlinghouse CEOはXRPに関してETF上場を2025年末までに実現できる可能性があると示唆。さらにIPOについても「まったく否定するものではない」と語っており、SECとの訴訟進展次第ではXRPの大規模流動性拡大につながると見られています。
UNIコミュニティの大規模ファンド可決:1.655億ドルの行方
Uniswapコミュニティでは、新たに約1.655億ドルの資金供給を承認する提案が可決されました。これはGauntletと協力した流動性インセンティブや「費用スイッチ」の技術的準備が柱となります。
今回の資金によりUniswap v4の開発や流動性向上策が進む一方、ガバナンスによる手数料分配などの制度設計も加速する見通しです。DEXがより持続的な収益モデルを構築できるかは、DeFi市場全体の大きな焦点です。
トレーダー「Eugene」に学ぶリスク管理と集中投資
著名トレーダーEugene氏(別名「0xENAS」)のインタビューでは、2021年に過剰なレバレッジで大きな損失を被った経験から、いかにリスク管理が重要かが強調されました。短期的な大勝を狙うあまりポジションを集中させすぎると、市場急落で致命的なダメージを受けるリスクがあるという警鐘です。
とはいえEugene氏は、大胆な集中投資こそが数倍・数十倍のリターンを生み出す機会となり得るとも主張。結果的に生き残るためには「明確なストップロスの設定」「ポジション比率の慎重な決定」「自分の優位性を活かすトレードスタイル」が鍵だと指摘しています。
FOMCは金利据え置き:マクロ経済とビットコインの流動性
2025年3月のFOMC(連邦公開市場委員会)では、政策金利を4.25~4.50%に据え置くことが決定されました。ただ、声明からは今後の引き締め度合いを弱める示唆も感じられ、量的縮小(QT)のペースをやや緩める方針が示されています。
これによりドル指数(DXY)の下落と米国債利回りの低下が同時に進み、資金がリスク資産に流れやすい環境が整いつつあるとの見方も存在。安定した資金流入が続けば、ビットコインをはじめとする暗号資産にもプラス材料となり、再び強気基調が強まる可能性があります。
主要取引所・プロジェクトの動向:BinanceやHyperliquidなど
- Binance
永続先物の新ペア(TUT/USDTやBID/USDTなど)を追加し、最大25倍までのレバレッジを提供。BNBチェーン基盤のプロジェクトを対象に投票上場イベントを進行しており、エコシステムを拡大する狙いです。 - Hyperliquidの高レバレッジ取引
ZachXBTによると、一部のアドレスがHyperliquidやGMXで極めて高いレバレッジ取引を行い、巨額利益を得ている事例が確認されています。資金源に詐欺的行為の疑いがあるとの調査結果もあり、透明性とリスク管理の観点で注目が集まっています。 - Uniswapだけでなく各DeFiプロトコルの資金流れ
アルトコイン全般やレイヤー2プロジェクトへの流動性が増加している一方、規制強化や市場不確実性がまだ残るため、安定的な資金供給を実現するためには各コミュニティの慎重なガバナンスが必要となるでしょう。
以上のように、EOS(Vaulta)やexSatの新展開から、トランプ大統領やArthur Hayesの相場観、さらにはFOMCをはじめとするマクロ経済の動きまで、仮想通貨業界は大きな変革期を迎えています。今後もWeb3銀行構想の行方や米国の規制姿勢、そしてビットコイン市場の流動性がどう推移するかに注目が集まるでしょう。