Base L2の急伸とソラナのサンドイッチ攻撃再燃、そして規制の行方:3月15日・仮想通貨ニュース総覧

【要約】
・Base L2が大規模な資金を呼び込み、イーサリアム(ETH)の流動性を「奪取」
・ソラナ(Solana)上でサンドイッチ攻撃が再燃、MEV問題と検閲リスクが深刻化
・一部専門家は今の市況での“底値買い”に慎重姿勢
・ビットコイン(BTC)は直近7.5万ドルが重要サポートとして注目
・元英中銀総裁のマーク・カーニー氏がカナダ首相に就任、規制強化への懸念も
・3ACがFTXへの債権請求を15.3億ドル規模に拡大、CoinbaseはBase上のMEMEを上場へ

Base L2が注目を集める理由

アメリカの暗号資産取引所大手Coinbaseが開発するLayer2(L2)ネットワークである「Base」が、2025年以降も大規模な資金流入を獲得しています。Base L2はイーサリアム(ETH)のスケーラビリティ問題を解決すべく生まれたソリューションで、近頃は28億ドル規模の資金を引きつけ、他のL2を上回る注目度を示しました。

特に目立つのが、イーサリアム上からBase L2へ移る資金の割合です。ある調査では、Baseが呼び込んでいる資金の約7割以上がETH由来とされ、多くのユーザーがETHメインネットからBaseへ移行する動きが鮮明になっています。一方、Arbitrumなど他のL2では資金流出が目立ち、**「Baseによる流動性の奪取」**という指摘も少なくありません。

Baseの成長を支えている要因のひとつに、Coinbaseのブランド力と技術力があります。Coinbaseが蓄積してきた開発リソースや大手取引所としての信用はL2プロジェクトの中でも群を抜き、米国の暗号資産規制が徐々に整うなかで、**「Coinbaseの後押しがBase L2の優位性につながる」**と考えられています。さらに、Base上ではMEMEコインや現実資産のトークン化(RWA)が活況を呈しており、CocoroやDRBといったMEMEが一時的に時価総額1億ドルを超えるなど、ユーザー流入の加速要因となっています。

ソラナ・エコシステムのサンドイッチ攻撃再び

一方、**Solana(ソラナ)チェーンでは、再び「サンドイッチ攻撃」が活発化しているとの声がコミュニティで高まっています。サンドイッチ攻撃とは、ユーザーの取引を前後で挟み込むように自動売買(MEVボット)が注文を入れ、トランザクションを挟み撃ちにする手法です。ユーザーにとってはスリッページや不利な価格を押し付けられる典型的なMEV(最大抽出可能価値)**の問題の一例といえます。

最近はユーザーが優先手数料(Tips)を支払ってもなお、サンドイッチ攻撃に合う事例が報告されています。本来であれば優先手数料を上乗せすれば、トランザクションの順序を有利に保てるはずですが、攻撃者はより高額な優先手数料を用意し、さらにブロック生成を担当するバリデータと組んで情報を得ることで、「保護費(プロテクションフィー)」のように優先手数料を吊り上げる構図が見られるようになってきました。

このような不正行為が横行すると、通常ユーザーが離れてしまい、**「取引量の減少がさらに攻撃のインセンティブを高める」**という悪循環が起こり得ます。ソラナ開発コミュニティには、この問題に対処するための提案(例:SIMD-0228)も出されていますが、まだ十分な対策が講じられているとは言いがたい状況です。

今は“底値買い”のタイミングなのか?専門家の見解

市場全体の下落が続くなか、**「今が買い増し時期か否か」については専門家でも意見が分かれています。あるアナリストはホワイトハウスの加密(暗号資産)サミットの成果が期待を下回り、トランプ政権によるビットコイン国家備蓄計画にも具体性が乏しいため、短期的には「Macro(マクロ)要因の不透明さが続く」**と見ています。米連邦準備制度(FRB)の金融政策がどう転ぶかにも注意が必要で、金利次第でリスク資産からの資金流出が加速する恐れがあるとの指摘です。

さらに、BTCやETHをはじめ多くの銘柄が長期下落局面にある一方で、逆張りの“底値買い”を目指して焦ると、取り返しのつかない損失を招くリスクもある、とも言われます。特に、トランプ政権が先ごろ発表した**「国家比特コイン備蓄の本格戦略は現時点でなし」という事実が、マーケットの期待を冷やしているようです。結論としては、「明確な利好材料が出るまでは無理をせず、ポジション保全を優先すべきだ」**という意見が多い印象です。

BTCとETHの重要サポート価格

暗号資産取引所のデータによれば、ビットコイン(BTC)は一時8万ドルを割り込み、ここ数週間の下落傾向が明らかです。ある専門家は**「7.5万ドル前後がBTCにとって直近最大のサポートライン」**だと分析しており、ここを割るとマイケル・セイラー氏が注目する6.6万ドルあたりまで下落するリスクもあるといいます。

また、イーサリアム(ETH)の対ビットコイン比率は過去最低水準まで下落し、競合チェーンであるSolanaなどの台頭もあって、今は**「ETHはさらなる下値を探る可能性が高い」**との声も。分析企業のデータでは、ソラナ系DEXの取引高が増え、ETHのシェアが低下傾向にあることも不安材料です。過去の周期を振り返ると、2019年相場のようにもうしばらく下落が続き、金融政策の大きな変化が起きた際に一気に反転する、というシナリオも示唆されています。

カーニー氏がカナダ首相に就任:規制強化への懸念も

元イングランド銀行総裁であり、カナダ銀行総裁も務めたマーク・カーニー氏がカナダの首相に就任しました。カーニー氏は中央銀行家としての豊富な経験を持ち、以前から**「ビットコインは固定供給量ゆえに経済に適応しづらい」**と批判的な見解を示してきたことでも知られます。同時に、CBDC(中央銀行デジタル通貨)導入や、分散型金融(DeFi)を含む暗号資産全般への規制整備を前向きに検討すべきとの立場も明らかにしてきました。

今回の就任を受け、カナダ国内では**「BTCなど暗号資産への風当たりが強まるか」と警戒する声もあります。とはいえカーニー氏は「技術革新そのものは否定せず、適切に取り入れる」**姿勢を示唆しており、今後はカナダにおける規制の枠組みづくりや、CBDCの推進などが注目される見通しです。

その他の最新ニュース:3ACとFTX、DOGINME上場など

  • 3ACのFTXへの請求拡大
    破綻した暗号ヘッジファンドThree Arrows Capital(3AC)は、暗号資産取引所FTXに対し15.3億ドル規模の債権を主張しています。当初は約1.2億ドルとされていた請求額が大幅に拡大し、米国の破産裁判所もこれを認める方向へ。さらに、3AC創業者Zhu Su氏はFTX創業者Sam Bankman-Fried(SBF)への厳罰を求める発言をしており、両者の対立はより深刻化しているようです。
  • Coinbase、DOGINME(doginme)をリストアップへ
    Coinbaseは最近、Base上で話題となったMEMEトークン「DOGINME(doginme)」を資産一覧に加えました。メインネットに正式上場するかは不明ですが、MEME銘柄の上場検討が加速する背景として、Base L2へのユーザー流入が寄与しています。
  • トランプ支持のWorld Liberty Financial(WLFI)が5.5億ドル調達
    元大統領ドナルド・トランプ氏の支援を受けたとされるプロジェクト「World Liberty Financial(WLFI)」が、トークン販売を通じて総額5.5億ドルを資金調達したことが発表されました。DeFiを主軸に据える計画とされ、市場の関心を集めています。
  • Lit Protocol、LITKEYのトークノミクスを公開
    Lit Protocolは、同プロトコル上で利用されるLITKEYトークンの経済設計を明らかにしました。トークン総量の4.8%はエコシステムへの空投に充てる方針で、Nagaと呼ばれるメインネットでの新技術導入が予定されています。
  • Solana提案SIMD-0228は2/3の支持に届かず
    ソラナコミュニティ内で議論されていた新提案(SIMD-0228)は、投票率に達したものの66.67%の支持には届かず不成立という結果に。インフレ率やバリデータ報酬などを巡る調整案だったため、今後のエコシステム全体の方針にも注目が集まります。

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