
【要約】
・イーロン・マスクが自身のSNSアカウント名を「Harry Bōlz」に変更
・米連邦準備制度理事会(FRB)議長ジェローム・パウエルが「暗号資産業界の去銀行化」問題を再検討すると表明
・複数の上場企業や投資機関がビットコインETFへの投資やビットコイン買い増しを検討
・SECとBinanceが60日間の訴訟手続き停止を共同申請
・米国でのCBDC動向、NFTやAIエージェント関連のプロジェクト展開、そして去中心化金融(DeFi)をめぐる話題が続々登場
・MemeコインやIP(知的財産)トークン化といった領域への注目も拡大中
「Harry Bōlz」に改名:マスク氏のSNS動向
まず注目されたのは、イーロン・マスク氏がSNS(旧Twitter)で自身のアカウント名を「Harry Bōlz」に変更したニュースです。具体的な意図や狙いは明かされていませんが、マスク氏のプロフィール変更は常に大きな話題を呼ぶため、一部のトレーダーが「Harry Bōlz」という名称を使った新規トークンを立ち上げるなどマーケットに波紋が広がっています。実際に、ある巨額保有者(いわゆる“クジラ”)がわずか数日でトークンを購入・売却して数十万ドル相当の利益を得たケースも報告され、短期投機の動向が活発化していることが示唆されます。
FRB議長が語る暗号資産の「去銀行化」再検討
次に、米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が、暗号資産業界の「去銀行化(debanking)」問題を再度見直す必要性に言及しました。これは、暗号資産関連の事業者や投資家が従来の銀行サービスから排除されがちであるとの批判を受け、規制のやり方を「公正性の観点から振り返るべきだ」という姿勢を示したものです。米国議会では既に、このテーマに関して上下両院で公聴会が行われており、銀行サービスと暗号資産業界の新たな共存策が検討され始めています。パウエル氏は、暗号資産に対するリスク管理が適切であるならば、銀行が暗号関連顧客にサービスを提供することを認めるべきとの考えを改めて強調しました。
米証券取引委員会(SEC)とBinanceが共同で訴訟停止申請
アメリカ証券取引委員会(SEC)は、Binanceとの訴訟手続きを60日間停止するよう裁判所に共同で動議を提出しました。この背景には、SEC内部に新たな暗号資産規制タスクフォースが発足した点があるとみられ、Binance側もこの調整期間に前向きな合意を目指す意向を示しています。市場では、リップル(XRP)やCoinbase、KrakenなどSECと法的係争を抱える他の大手も同様の措置を狙う可能性があると指摘されています。
大手企業・機関投資家によるビットコインETF・BTC買い増し
最近では、NYSE ArcaがGrayscaleのカルダノ(ADA)現物ETF申請を支援する書類を提出し、北カロライナ州議会が州の公的資金でビットコインETFへの投資を可能にする法案を検討中との報道もありました。さらに日本の大手ゲーム企業グミ(Gumi)は、約660万ドル相当のビットコインを新たに購入し、BTC預け入れによるステーキングへの参入を計画中と発表。こうした動きは機関投資家や上場企業の暗号資産への接近を改めて裏付け、ETF関連の話題も市場の注目度を高めています。
NFT・AIエージェント・Memeコイン:新プロジェクトの動向
DINの空投・トークン経済学公開
AIエージェントに特化した新たなブロックチェーンとして注目されるDINが、トークン「$DIN」の空投受付ページを公開しました。主にDINのエコシステムに貢献したユーザーを対象に段階的に空投が実施される予定で、トークンの分配比率はコミュニティ主体となる61.5%が充てられると公表されています。
Treasure ChainによるMageプラットフォーム
Web3ゲーム向けエコシステムを展開するTreasure DAOは、AIエージェントにフォーカスした新プラットフォーム「Mage」を立ち上げると発表しました。$MAGICを中心トークンとし、様々なAIエージェントの協調運用を可能にする構想が注目されています。
Story Protocolの主網ローンチ
「Story Protocol」というIP(知的財産)管理のためのブロックチェーンも近くローンチを控えています。あらゆる創作物をトークン化し、著作権の自動管理と収益分配を実現するという構想で、これに伴う関連トークンやNFTの上場が複数取引所で予告されています。
Solayer(LAYER)やAutonolas(OLAS)の新規上場
大手取引所BinanceやUpbit、Bithumbなどは、ソラナ(Solana)関連の新規トークン「Solayer(LAYER)」を取り扱うと発表。BinanceのHODLer空投プログラムにもLAYERが登場し、今後さらなるリスティングが続く見込みです。また、Binance AlphaではAutonolas(OLAS)がリストアップされ、こちらも取引開始が注目されています。
その他:規制動向や市場の資金移動
米国の通商問題
米国では依然としてすべての輸入鉄鋼・アルミに一律25%の関税を課す政策が維持されており、貿易摩擦の行方や世界経済への影響も暗号資産市場に間接的な影響を及ぼす可能性があります。
大口資金移動
一部の解析では、Binanceが1月にBTCとETHの自社保有分を大幅に削減し、USDCへの移行が進んでいるというデータが報告されました。多くはプラットフォーム内の資金再編と見られていますが、資金洗浄リスクや規制への対応といった観測もあり、市場参加者の注視が続いています。また、ETHを大量取得するクジラアドレスの動きも相次ぎ、約3.2億ドル相当のイーサリアムが数日間で取引所から引き出された例が確認されました。
「本当の強気相場(Bull Cycle)の始まり」:専門家の見解
あるアナリストの見解によれば、ビットコインの歴史的パターンから鑑みて、次の本格的な強気相場は今まさに始動し、今年10月頃まで続く可能性があるといいます。特にビットコインのマクロ要因が追い風となり、相対強弱指数(RSI)の底打ちに注目する投資家が増加。一方で、AI・NFT・Memeコインなど短期バブルの様相を呈する領域では急落・急騰が激しく、投資家は十分なリスク管理が求められています。
さらに、SEC訴訟への対応や新しい規制の施行状況など、今後の米国および各国当局の動きによって、市場のセンチメントは大きく左右されるでしょう。とはいえ、大手企業の暗号資産参入やETF関連の進展は「長期的にはポジティブである」と多くの専門家が指摘しており、今後も市場のボラティリティを注視しながら、投資家は適切な戦略を立てる必要がありそうです。