【要約】
本記事では、2025年1月27日前後における仮想通貨の主要トピックスを網羅的に解説いたします。Paradigmが提唱するイーサリアム(Ethereum)開発の加速、新規プロジェクトや既存銘柄のトークン大量ロック解除(SuiやOptimismほか)、Abstractメインネットのローンチ、そしてマイケル・セイラー氏のビットコインTracker更新など、投資家や開発者が注目すべき最新情報を整理しました。
Paradigmの最新レポート:イーサリアム開発を加速すべき理由
仮想通貨の主要ベンチャー企業であるParadigmは、イーサリアムのコア開発スピードを「大幅に引き上げるべき」とする研究記事を発表しました。イーサリアムはスマートコントラクトやDeFi、さらにはDAOなどを広めた先駆的存在ですが、Paradigmは「今の開発サイクルは依然として遅い」と指摘しています。
- 開発サイクルの現状
イーサリアムは約1年に1度のペースで大きなアップグレードを実施しています。しかし同社によれば、それでは革新的な提案や技術を迅速に導入しきれず、競合チェーンへのユーザー流出につながる可能性があるという見解です。 - 具体的な加速策
- コア開発者会議(AllCoreDevs)の進行フローを最適化し、保守的な意見だけで合意を遅延させない。
- DevOpsやテスト環境への潤沢なリソース投入により、ハードフォークなど大幅な変更の実施頻度を上げる。
- 複数クライアントの実装においては「全チームの“否決権”」ではなく「提案権」を重視することで、新機能の検証を並行して行いやすくする。
- Rethクライアントの活用
Paradigmは独自に開発したイーサリアムクライアント「Reth」を通じ、アップグレードや新EIP(Ethereum Improvement Proposal)の検証を素早く行う計画を示しています。RollupやMEV対策をはじめ、アカウント抽象化の利便性向上にも取り組む見込みです。
同社は「イーサリアムが『固まってしまう』リスクは大きい」と警鐘を鳴らし、柔軟なアップデートが将来的なネットワークの持続可能性と競争優位を支えると強調しています。
今週の注目スケジュール:Abstractメインネットローンチ、Suiの大型トークン解禁など
2025年1月27日から2月2日にかけて、複数のプロジェクトが重要なアップデートやトークン解禁を予定しています。
2-1. Abstractメインネットが1月27日にローンチ
Pudgy PenguinsのCEOであるLuca Netz氏によると、Abstractというレイヤー2ネットワークが米国東部時間1月27日にメインネットを立ち上げる予定です。Abstractは文化・コミュニティ重視のチェーンとして、NFTやソーシャル系DAppの利用を促進するとみられています。
2-2. DeFi関連の活動・プロジェクト動向
- Falcon Finance:DWF Labsが来週リリースを予告する合成ドル協議Falcon Financeが注目されています。
- Uniswap v4:Uniswap Labsはv4の段階的デプロイを進めており、来週には全コントラクトを本稼働させると発表しています。
2-3. Sui(SUI)やOptimism(OP)の大型トークン解禁
- Sui(SUI):2月1日午前8時(日本時間)に約6,419万枚(時価2.65億ドル相当)が追加解禁される予定です。流通量比は2.13%となり、今後の価格動向に影響が及ぶと考えられます。
- Optimism(OP):1月31日午前8時には約3,134万枚(時価5,140万ドル相当)が解禁されます。これは流通量の2.32%に相当します。
ほかにも**SingularityNET(AGIX)やManta Network(MANTA)**など、多数のトークンが解禁日を迎える見込みです。いずれも市場参加者にとっては価格変動のリスクや流動性増加要因として要注目といえます。
Michael SaylorのビットコインTracker更新
マイクロストラテジー(MicroStrategy)の創業者でありビットコイン支持派として著名な**Michael Saylor(マイケル・セイラー)**氏が、再び「Bitcoin Tracker」の情報を共有しました。これまでのパターンを振り返ると、MicroStrategyはセイラー氏が関連サイトで更新を行った直後にビットコインを追加購入するケースが多いとされています。
- 購入の可能性
公式にはまだ発表されていませんが、これまで「Tracker更新→MicroStrategyが追加購入を翌日発表」という流れが複数回確認されています。実際に購入があれば、ビットコイン市場へ大きな注目が集まるでしょう。
DeepSeek公式サイトの一時障害
人工知能(AI)のスタートアップであるDeepSeekの公式サイトが、1月26日午後に一時的なアクセス障害を起こしました。DeepSeekは、オープンソースの大型言語モデル「DeepSeek-R1」を公開したばかりで、注目度が急上昇していました。
- 障害の背景
公式には「サーバーの過負荷」と説明されています。注目度の高いAIプロジェクトということもあり、サイトトラフィックが急激に増加した可能性が考えられます。現時点では復旧済みとのことです。
今後予定される主なトークンロック解除
上述のSUIやOP以外にも、来週にかけて解禁が予定される銘柄が複数存在します。特に大きなロック解除は以下のとおりです。
- Tribal Token(TRIBL):1月29日午前8時に約2,207万枚(3,970万ドル相当)
- ZetaChain(ZETA):2月1日午前8時に約4,426万枚(2,090万ドル相当)
- dYdX(DYDX):2月1日午前8時に約833万枚(970万ドル相当)
解禁率が高い銘柄は、短期的に売り圧力が懸念される場合があります。ただし、解禁後のロック分再ステーキングやプロジェクト継続投資などへ回るケースもあるため、一概に価格への下押し要因となるとは限りません。投資家は流動性や供給量の変化を注視し、プロジェクトの長期方針にも着目することが重要です。