【要約】
本記事では、2025年1月2日時点で報じられた複数の仮想通貨ニュースをまとめて解説します。Do Kwonの米国引き渡し手続き完了や、米国国税局の加密資産税制に関する暫定的な救済措置、さらにNFT市場の最新動向やLayer1・Layer2(L1・L2)をめぐる予測など、世界各地の規制・プロジェクト・投資・市場データを網羅的にカバーしつつ、各プロジェクトの進展状況を詳説します。
1.世界の主要規制・政策動向
モンテネグロ首相がDo Kwonの米国引き渡し手続きを完了したことを公表し、Terraform Labs共同創業者をめぐる国際的な法的手続きが進んでいます。Do Kwon氏はTerraUSD崩壊に関する疑惑で複数地域で起訴されており、今後はアメリカへの移送が予定されています。
一方、スイスでは「ビットコインを国家金融システムに組み込む」という憲法改正案の公的審査がスタートしました。全国的な公投に向け、連邦政府が提案内容の署名受付を始めています。さらにアメリカ国税局(IRS)は、中央集権型取引所ユーザーに対して2025年限定の仮想通貨税制ルールを緩和する臨時措置を発表し、一部ユーザーは柔軟な会計処理が可能となる見通しです。
ロシアでは2025年1月1日から2031年3月までにかけて、10の地域で暗号資産マイニングが全面的に禁止されるほか、寒冷期のみ部分的に制限する地域も存在します。各地方政府の要請により、追加禁止も検討されているようです。
2.NFT市場・ブロックチェーン最新動向
NFT市場は2024年の年間販売総額が88.3億ドルに達し、前年より1.1%増加しました。とりわけイーサリアム(Ethereum)上のNFTが依然として大きな市場シェアを占めています。また、PepeなどのMeme(ミーム)文化が背景にあるNFTが大幅な値動きを示し、一部ユーザーの誤操作や驚くべき取引が相次いで報告されています。
SPACE IDは2025年のロードマップを公表し、ドメイン名やアイデンティティサービスをWeb3以外へも拡大する計画を示唆しました。これにより、Web2とWeb3のID管理を統合する取り組みが進む見通しです。
3.主要プロジェクトのトークン生成イベント(TGE)と資金調達
・Sonic SVM
Solana上のSVMブロックチェーン「Sonic SVM」は、独自トークンSONICのトークンエコノミクスを公表。総供給量24億枚のうち57%をコミュニティに割り当て、TGEは2025年1月7日に予定されています。初回流通量は全体の15%程度とされ、6年かけて完全に分配される見込みです。
・FLock.io
FLock.ioは、Baseチェーン上で独自AIトレーニングプラットフォームを主ネットにローンチし、同時にトークンFLOCKの生成イベントを実施しました。コミュニティ空投により、プラットフォーム参加者にはFLOCKが付与される予定です。
・FalconX
加密資産ブローカーのFalconXは、デリバティブスタートアップArbelosの買収に向けた最終交渉に入っていると報じられました。Dragonfly CapitalやCircle Venturesが出資しているArbelosを取り込むことで、FalconXはさらなる流動性とデリバティブ強化を狙います。
4.市場データと動向
OSLによる最新レポートでは、ビットコインが2024年末に高い支配力を示した後も、2025年にかけて主要投資対象の地位を維持すると予測しています。ETF(現物ビットコインETF)の資金流入が好調で、投資家需要の増加が継続中との分析もありました。
一方、イーサリアム(ETH)は独自の強力な基盤をもち、ETHのETFやL2の台頭によって今後さらなる価格上昇が見込まれるとする声も増えています。実際、1confirmationの創業者は「ETHは最終的に1万ドルを超える」と強気な見通しを示しており、市場でも注目が集まっています。
NFT販売額が月間8.77億ドル(12月)を記録するなど、投資家のリスク選好姿勢は下支えされている形です。ただし2021年や2022年に比べると、市場全体のヒートアップ度は緩やかであり、中長期的には規制面やマクロ情勢の変化が影響するとみられます。
5.レイヤー1・レイヤー2:次世代チェーンの行方
Dragonfly管理合伙人は2025年の大局観として、L1とL2の境界が曖昧になり、EVMの市場シェアがさらに拡大すると予測しています。Solanaのように別のアーキテクチャをもつブロックチェーンも存在感を維持する一方、EVM互換チェーンが引き続き主流の選択肢になるとの見方です。
また、Messariによる2025年の予測でも、「Hyperliquid」のような高パフォーマンス銘柄の勢いは一時落ち着く可能性があると指摘されています。一方、イーサリアムはSolana以上に優位なパフォーマンスを見せるという観測もあります。
6.Memeコインの熱狂と懸念
Memeコイン市場では、青蛙キャラクター“Kek”や“Pepe”などを取り上げたトークンが続々登場。最近では、イーロン・マスク氏が「Kekius Maximus」とSNS上で名乗り、関連銘柄が急騰する現象も観測されました。Memeコインの値動きは投機マネーが集中しやすいため、乱高下には要注意との指摘も多く、一部で「過熱感が強い」との見方が根強くあります。
7.Web3・AI連携:プラットフォーム拡大の可能性
多くのプロジェクトがWeb3と人工知能(AI)の連動を模索し、AIで生成されたコンテンツや取引戦略をブロックチェーン上で実装する動きが盛んです。例えば、FLock.ioは分散型AIトレーニングを掲げており、参加者に報酬を付与する仕組みを導入。今後はトランザクション手数料の削減や、NFTのデータ活用なども視野に入れている模様です。
8.メガプロジェクトと独自チェーンの展開
MegaETHは高TPS(取引処理性能)を実現するとされるEVM互換チェーンとして注目を集めています。投資家層も豪華で、複数のラウンドで合計3,000万ドル超を確保したと報じられました。NFT関連やDeFiプロジェクトが同チェーン上での展開を計画しており、メインネット稼働後のエコシステム拡大が期待されています。
9.香港政府の動き
香港の陳茂波・財政司司長は、デジタル人民元などの中央銀行デジタル通貨(CBDC)やスマホ決済、デジタル資産取引などの振興を継続する方針を示しました。ブロックチェーン技術に基づく貿易決済の推進や異なる地域の中央銀行との連携を強化し、金融イノベーションによる実体経済のサポートを目指すとしています。
10.展望と留意点
2025年は規制の進展や機関投資家の参入拡大が続く一方、時に急激な価格変動も起こり得る年となりそうです。L1・L2、NFT、DeFi、Memeコイン、AI連携など、多岐にわたる領域で新たなトークン生成や投資機会が生まれています。とはいえ、法規制の強化や技術リスクへの備えは必須であり、投資家・事業者の双方が慎重に状況を見極める必要があります。