2023年3週目のNFT市場を振り返る|Sewer Passと旧ランキングの検証

2023年3週目のNFT市場を紹介した旧記事では、Sewer PassやBored Ape関連のコレクションが大きく取り上げられていました。ただし、順位の集計条件や一部の価格を再現できないため、その表を確定的な週間ランキングとしては扱えません。当時の報告と公式資料を手掛かりに、主要な話題と数字を読む際の注意点を整理します。

旧ランキングから確認できること、できないこと

旧記事はSewer Passを筆頭に10コレクションを並べていました。しかし、集計の開始・終了時刻、対象としたマーケットプレイス、除外条件を再現できる資料が残っていません。2023年3週目という題名だけでは、各数字が7日間の合計なのか、記事を作成した時点の直近24時間なのかも確定できません。

そのため、元の順位を市場全体の確定ランキングとして再掲することは避けます。当時の記事で名前が挙がっていた記録は残しつつ、別の資料でも活動が確認できるSewer Pass、BAYC関連、DeGods、The Memesの四つの話題を中心に振り返ります。これは新たに計算した売上順位ではありません。

また、旧記事の「Boring Ape」は正式名称のBored Apeに訂正しました。「ETHの販売数量」「SOLの売上」といった表現も、NFTの個数なのか取引の金額なのかを曖昧にします。通貨の単位で示した取引額を、そのまま売れたNFTの点数として数えることはできません。

新しい数値で古い表を埋め直すと、異なる時期の情報が一つのランキングに混ざります。このページでは当時の話題を解説し、確認できない順位や細かな上昇率には新たな数字を補っていません。

Sewer Passが注目された背景はゲームへの参加

Sewer Passは、Yuga LabsのゲームDookey Dashへの参加に使われたNFTです。DappRadarが2023年1月23日に公開した記事は、初期の取引について3,570万ドル超の取引額と9,601回の売買を報告しています。旧記事の1,928 ETHという数字とは、通貨だけでなく集計期間も揃っていないため、単純に増減を計算することはできません。

この二つの指標を分けるだけでも、出来事の規模が読みやすくなります。金額は成立した取引の大きさを、回数は売買が何回起きたかを示します。同じNFTが複数回売買される場合があるため、売買回数を新しく発行された個数や参加人数と同一視することもできません。

参加パスという性格も価格を見る際の前提でした。画像を収集するだけの作品とは違い、特定の期間にゲームへアクセスする用途がありました。ただし、二次市場でパスが取引された総額は、そのままゲーム運営者の売上になるわけではありません。保有者同士の売買を含むためです。

当時のプレイ期間はすでに終了しています。2023年の参加方法を、いまパスを入手すれば同じゲームへ参加できる説明として掲載することはできません。2024年に公開されたDookey Dash: Uncloggedも、初期の期間限定企画とは区別して扱う必要があります。

BAYC、MAYC、Kennel Clubを一つの作品にしない

旧記事にはBAYCだけでなく、Mutant Ape Yacht ClubとBored Ape Kennel Clubも登場していました。Yuga Labsの公式沿革は、2021年4月に始まった1万点のBAYCから、犬のKennel ClubやMutant Apesへ展開した経緯を説明しています。関連するシリーズでも、同じトークンを別名で呼んだものではありません。

DappRadarの当時の記事は、保有するシリーズの組み合わせがSewer Passやゲームのボーナスと関係していたことを紹介しています。この関連性は、同じ時期に複数のシリーズが話題になった背景を理解する材料になります。ただし、それぞれの取引額が必ず同じ割合で増えたという因果関係を証明するものではありません。

Otherdeedも旧記事に載っていましたが、Yugaの公式説明ではOthersideは2022年に発表された展開です。旧記事の「最古参ベンチャー」という説明は、2021年からのBAYCの沿革と合いません。名称が同じ企業の欄に並んでいるからといって、開始時期や用途まで同一視しないようにします。

ランキングに関連作品が多く入る場合、その分だけ独立した利用者層が増えたとは限りません。一人が複数シリーズを持つ可能性があるため、取引額の合計と利用者の広がりは違う指標として見る必要があります。

DeGodsのSOL建て取引はETHとそのまま比較できない

旧記事のDeGodsの項目はSOL建てで取引額を示し、ほかの多くの項目はETH建てでした。数値の大小だけで並べても、同じ単位による比較にはなりません。共通の通貨へ換算するなら、どの時点の相場を使うかも決める必要があります。

当時の活発な動きの一例として、Magic EdenはPokeeeによるDeGods69点の一括取得を紹介していました。公式インタビューには、Ethereumへの移行を見込んでいたという本人の意向も記されています。一人の購入は具体的な出来事ですが、それだけで週間全体の取引順位を確定することはできません。

ここでは、Solana上の出来事だった当時の取引と、その後に計画された移行を分けます。移行に関する期待があったことを、すべての保有者が同じ理由で売買したという説明へ広げることも避けるべきです。プロジェクトの計画、個人の判断、市場集計は、それぞれ根拠の異なる情報です。

2026年9月に参照したDeGods公式サイトは、NFTと$DEGODトークンを別の項目として案内しています。旧記事のSOL建て取引額から、現在のトークン価格やNFTの価値を推測することはできません。関連する名前が残っていても、比較する対象を確認し直す必要があります。

The Memesは作品の種類と発行部数を分けて見る

旧ランキングにはThe Memes by 6529も含まれていました。公式のコレクション画面は、作品の古さ、発行部数、保有者数、価格などを別の項目として表示・並べ替えできる構成になっています。アートのシリーズを見る場合、作品の種類数と、各作品について存在する部数を分けることが重要です。

たとえば複数部を発行する作品では、同じ図柄に複数の保有者がいる場合があります。画面上に表示される作品が数種類しかなくても、それがコレクション全体の総供給数とは限りません。旧記事末尾の別作品についても、種類数と総発行数を確認せず「8つのNFT」と固定的に説明することは避けています。

The Memesの公式ページでは2026年9月の作品掲載も確認でき、2023年だけの固定リストではないことが分かります。ただし、新しい作品が掲載されていることは、過去のすべての作品が同じ取引量や評価を維持している証拠ではありません。制作活動の継続と二次市場の価格は、別の観点です。

アートの一覧と売買順位を行き来するときは、何を一件として数えているかを確かめます。作者、作品、トークンID、部数といった違いを省くと、数字が小さいから希少、大きいから人気といった読み違いにつながります。

2026年からこの週の記録を読む際の注意点

旧記事には、MineablePunks、A Kid Called Beast、Proceed w/ Cautionなどの名前や、別プロジェクトのプレセール紹介もありました。今回の確認では旧表と同じ条件の取引データを取得できなかったため、これらの細かな価格や順位を確認済みの事実として再掲していません。プレセールの宣伝を市場回復の根拠に含めることも避けました。

歴史的な市場記事は、日付を残すことで、そのとき何が話題だったかを伝えられます。一方、現在の購入候補を選ぶランキングとして使うには、現在の取引、公式の提供状況、利用条件を別途調べる必要があります。当時人気だったことだけで、現在も売りたいときに買い手が見つかるとは限りません。

この週の記録では、ゲーム参加パス、既存のプロフィール画像シリーズ、チェーン移行への期待、継続するアート制作が同じ紙面に並んでいた点が特徴です。それぞれの用途と指標を分けることで、単なる順位表よりも当時の市場の動きを具体的に捉えられます。

よくある質問

Q. この記事は現在の売れ筋ランキングですか?

A. いいえ。2023年3週目として公開された記事の振り返りです。旧表の集計条件を再現できないため、確定した週間順位としても再掲していません。

Q. ETHやSOLで示す販売量はNFTの個数ですか?

A. 通貨単位の数字は取引額を表します。売買回数、NFTの点数、買い手の人数とは区別する必要があります。

Q. Sewer Passを買えば当時のゲームに参加できますか?

A. 2023年の期間限定企画は終了しています。過去の参加パスの説明を現在も使える参加条件として扱うことはできません。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供であり、投資の勧誘や助言ではありません。暗号資産・NFTの価格は大きく変動します。最新の情報は各公式発表をご確認ください。