oricon MEが2023年4月3日に発表したオリコン顧客満足度調査では、暗号資産取引所の現物取引と証拠金取引の両部門でGMOコインが総合1位となりました。現物取引では3年連続、証拠金取引は初めて発表されたランキングです。
これは利用経験者がサービスをどう評価したかを示す調査であり、価格上昇や資産の安全を保証するものではありません。2026年9月27日時点から読むにあたり、当時の順位と調査方法、その後のサービス変更を分けて整理します。
2023年の現物・証拠金取引の上位は異なる顔ぶれ
現物取引の総合上位は、1位GMOコイン、2位bitbank、3位BITPOINTでした。証拠金取引は、1位GMOコイン、2位bitFlyer、3位DMM Bitcoinです。同じ暗号資産を扱う会社でも、評価するサービスと回答者の利用経験が異なるため、現物での順位を証拠金へそのまま当てはめることはできません。
| 2023年調査 | 現物取引 | 証拠金取引 |
|---|---|---|
| 総合1位 | GMOコイン | GMOコイン |
| 総合2位 | bitbank | bitFlyer |
| 総合3位 | BITPOINT | DMM Bitcoin |
| 回答者数 | 5,668人 | 603人 |
| 調査企業数 | 17社 | 10社 |
出典はオリコン顧客満足度調査の2023年発表資料です。詳細は現物取引の2023年版と、両部門の公式発表資料で確認できます。年を指定しないランキングのトップページは更新されるため、2023年の数字を照合するときは年度の表示も必要です。
回答者と調査期間を確認すると分かること
調査方法はインターネット調査です。対象者は全国の20〜69歳で、過去3年以内に、主に自分の判断で売買する裁量トレードを用いて、該当する取引を自ら行った人でした。口座を持つだけで取引したことがない人や、すべての年代の利用者を同じ条件で含む調査ではありません。
両部門の調査期間には、2022年11月9〜16日、2021年11月5〜12日、2021年1月5〜12日の3期間が記載されています。「2023年版」という名前は発表年を示しており、2023年4月に集めた回答だけで作られた順位ではありません。発表直前の値動きや出来事への反応が、そのまま調査全体に反映されたと解釈することもできません。
現物の5,668人、証拠金の603人は各部門のサンプル数です。GMOコイン1社の回答者数でも、各社へ均等に割り振った人数でもありません。調査企業数も同様に、対象となった企業の数であり、そのすべてが総合ランキングに載ったという意味ではありません。
2023年の現物ランキングページでは、不正回答や異常値、対象条件から外れた回答を除いて作成すると説明しています。総合ランキングには規定人数を満たす企業などの条件があり、2023年資料の規定人数は100人以上でした。掲載されていない企業を、直ちに満足度が最下位の企業とみなす読み方は適切ではありません。
総合順位と項目別順位は何を表しているか
2023年調査の評価項目は、口座開設、取引のしやすさ、手数料の妥当性、資産管理、提供情報の充実さ、キャンペーン、カスタマーサポート、システムの安定性の八つでした。総合得点は単純に1位になった項目数を数える方式ではなく、利用者ニーズに基づく重要度と、他人への推奨に関する得点を加味して算出したと発表されています。
現物取引でGMOコインが1位だったのは、口座開設、取引のしやすさ、資産管理、提供情報、サポート、システムの安定性の6項目です。bitbankは手数料の妥当性とシステムの安定性で1位となり、安定性はGMOコインと同点でした。BITPOINTはキャンペーンの項目で1位です。総合2位や3位であっても、特定の項目では上位に評価されていました。
証拠金取引では、GMOコインが取引のしやすさ、手数料、資産管理、提供情報の4項目で1位でした。一方、bitFlyerも取引のしやすさ、キャンペーン、サポート、システムの安定性の4項目で1位、DMM Bitcoinは口座開設で1位です。総合順位だけでは見えない評価の内訳があります。
ただし、手数料の「妥当性」は利用者の評価であり、あらゆる銘柄・注文方法・金額で実費が最安だったという意味ではありません。使いやすさについても、どの画面や取引に慣れていたかで感想が変わります。順位と、個別の機能・料金表が答える問いは異なります。
安心感のコメントを安全性の証明にしない
発表には、システムが安定している、入金が反映されやすい、画面が見やすいなどの利用者コメントが掲載されていました。こうした声は、日常的な操作の満足度を知る材料になります。しかし、ある人が安心して使えたという経験と、事故や損失が今後起こらないことは別の話です。
オリコンのランキングページも、サービスへの感想は回答者本人の見解であり、調査会社の見解ではないと説明しています。本記事でも、利用者が述べたセキュリティへの印象を、技術監査や資産保全の検査結果として扱いません。「システムの安定性」で1位という結果から、障害が一度もなかったと読み替えることもできません。
元記事の見出しにあった「クリプトの春」という表現は、満足度の測定値そのものではありません。この調査には将来の暗号資産価格を予測する設問結果や、市場が回復すると立証する分析は示されていません。顧客満足度が高いことを、暗号資産を買う時期の根拠に結び付けないように読む必要があります。
また、現物と証拠金では取引の仕組みが違います。現物で使いやすいと感じた操作性が、証拠金を用いる取引の損益変動を小さくするわけではありません。二つの部門を設けた調査結果を、「同じ会社ならどの取引でも同じ条件」とまとめてしまうと、調査が分けていた違いを見落とします。
その後の変化としてDMM Bitcoinの口座移管を確認
2023年の証拠金取引で3位だったDMM Bitcoinについては、その後の口座移管を確認できます。SBI VCトレードの第8期事業報告は、2025年2月に移管に向けた14銘柄の取り扱いを始め、同年3月にDMM Bitcoinからの移管を実施したと記載しています。これは移管前の予定だけを示す告知ではなく、実施後の事業報告です。
したがって、2023年のランキングに社名があることを根拠に、現在も当時と同じDMM Bitcoinのサービスへ申し込めると案内することはできません。また、移管元で得た2023年の満足度評価が、そのまま移管先の現在の評価になるわけでもありません。取引ツール、提供する商品、契約条件などは個別に確かめる対象です。
この変化は、過去の調査が無意味だということではありません。当時の利用経験を記録した資料としての価値と、現在の口座選びに使える範囲を区別する必要がある、ということです。今回の確認は事業報告に記された移管実績までで、各利用者の口座状態や資産残高を確認したものではありません。
過去ランキングを参照するときの確認順序
この資料を読む際は、まず年度と取引の部門、次に回答者の条件と調査時期を確認すると、数字の意味をつかみやすくなります。2023年現物の評価なのか、同年証拠金の評価なのかが分からないまま、会社名と順位だけを比較しないことが基本です。
そのうえで、総合順位だけでなく、自分が知りたい項目の評価と具体的なサービス仕様を分けて読みます。例えば、サポートの満足度を知るには当時の回答が参考になりますが、現在の窓口の受付時間は最新の公式案内が必要です。手数料評価を見る場合も、料金表の更新日と、現物・証拠金のどちらに適用される条件なのかを別途確認します。
調査対象企業の定義も部門で異なりました。現物は暗号資産交換業者、証拠金は金融商品取引業者としての登録を条件とし、それぞれ該当サービスとBTC/JPY取引への対応を求めています。この範囲で行われた調査を、世界中の全プラットフォームを網羅した順位として紹介することはできません。
本記事では2026年版の順位を再構成したり、全掲載社の現在の料金や稼働状況を比較したりしていません。2023年調査が測ったのは当時の利用者満足度であり、そこから現在の提供条件や将来の安全性までを一括して判断できない、という範囲を明確にして参照してください。
よくある質問
Q. 2023年はどの会社が総合1位でしたか。
A. オリコン顧客満足度調査では、現物取引・証拠金取引ともGMOコインが1位でした。2023年の結果であり、現在の順位を示すものではありません。
Q. 回答者5,668人はGMOコインの利用者数ですか。
A. いいえ。2023年の現物取引部門全体のサンプル数です。証拠金取引部門は603人で、各社の利用者数や市場シェアとは異なります。
Q. 安心感や安定性の評価が高ければ損失を避けられますか。
A. 利用者が感じた満足度から、将来の価格変動、障害、資産管理上の損失が起こらないとは判断できません。現在の取引条件や提供状況は別途確認が必要です。
この記事の出典
- オリコン顧客満足度調査:2023年暗号資産取引所ランキング発表資料
- オリコン:2023年現物取引ランキングと調査概要
- オリコン:調査・ランキング方法
- SBI VCトレード:第8期事業報告(2025年3月の移管実施)
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供であり、投資の勧誘や助言ではありません。暗号資産・NFTの価格は大きく変動します。最新の情報は各公式発表をご確認ください。




