世界M2急増でビットコイン相場はどう動く?

▽ 要約

流動性:世界M2残高は25年7月に過去最高を更新
ビットコイン:M2の伸びに約3〜6か月遅れて上昇しやすい
リスク:インフレ再燃で中央銀行が再引き締めへ転換する可能性
データ注意:為替変動でドル換算M2が過大表示されるケースも
投資判断:流動性指標とマクロリスクを総合的に監視すべき

世界M2急増 ビットコイン――「マネーの洪水」は暗号資産相場を再び押し上げるのか。
読者が抱く最大の疑問は「足元の通貨供給拡大がビットコイン価格にどこまで波及するのか」です。本稿では結論として「短期的には追い風、中期ではインフレ再燃リスクに警戒」という見立てを示し、その根拠を詳説します。

世界のM2が過去最高を更新

主要国別の供給動向

米国は2025年5月、M2残高が21.94兆ドルと史上高値を更新。
中国は前年比7〜8%の伸びを維持し世界M2の約46%を占有。
ユーロ圏は2024年に底打ち後+3〜4%まで回復。
日本は+1%と緩慢ながら拡大を継続。

流動性急増の背景

各国の利上げ停止・緩和観測、金融システム不安対策、通貨安によるドル換算膨張が重なり、合算M2は55.48兆ドルに到達。

M2とビットコインの歴史的相関

拡大局面:強気相場を後押し

2020〜2021年のM2急増期、BTCは約4,000→64,000ドルへ16倍。
足元でもM2増に約90日遅行し10万ドル台に到達。

収縮局面:急落の引き金

2022年の量的引き締めで米M2がマイナス転落、BTCは年内65%下落。
長期相関0.65だが30日相関は-0.9〜+0.95と変動が激しい。

今後のシナリオとリスク

強気シナリオ

  • 流動性継続+ETF資金流入で年内15万〜20万ドルに上伸。
  • 中国のM2拡大とドル安が世界M2を押し上げる構図が続く。

弱気シナリオ

  • インフレ再燃 → 追加利上げ → 流動性吸収で20〜30%急落。
  • 規制強化・地政学リスクで資金フローが逆流。

投資家が見るべき指標

  1. 主要国M2伸び率と転換点
  2. グローバルETFの純流入額
  3. インフレ指標(PCE・CPI)と金利先物

▽ FAQ

Q. 世界M2急増はどの地域が牽引?
A. 2025年は中国が46%を占め、米欧が続いて押し上げています。

Q. M2拡大は必ずビットコイン高を意味する?
A. 長期相関は強いものの短期では乖離するため単独指標では不十分です。

Q. インフレ再燃時のBTC下落幅は?
A. 想定では20〜30%の調整が起こり得ます。

■ ニュース解説

本記事は、「世界M2急増がビットコイン相場へ与える影響」を整理しました。流動性拡大が短期的にリスク資産を押し上げる一方、インフレと金融政策のブーメラン効果が潜在的な下押し圧力となる点に留意が必要です。

(出典:binance,allabout,coindesk,X)