米中会談『12/10』と米市場

▽ 要約

米中会談は「12/10」、関税一部引下げと希土類1年維持で限定合意。
Bybitは日本の新規登録を10-31 21:00 JST停止、既存は当面継続。
米10年債4.1%・BTC $108,585、PCEは本日8:30 EDT公表。

米中会談が「12/10」と評され市場は様子見、米10年債は4.1%前後でBTCは$108,585と底堅く、PCE発表待ちの展開。

市況総括

米中会談の緊張緩和とパウエル発言が交錯したため米金利は4.1%へ反発し株・暗号資産は上値を抑えられた。
米10年債利回りは4.1%前後(10/30終値ベースの近辺)で推移し、S&P500連動のSPYはおおむね6,800台半ば、BTCは$108,585(00:15 UTC)で日中の戻り売りをこなす展開。今夜(日本時間)にPCEの公表が控え、利下げ観測の修正が意識されやすい。

レンジ・需給の見方

BTCは$106,463〜$111,557の日中レンジで、米金利や政策ヘッドラインに対し短期売買が優勢となった。
テクニカルには直近高値更新の可否が金利とPCE次第で、リスクリバーサルは中立寄り、現物の裁定・先物のベーシスはやや収縮気味。

規制・政策アップデート

Bybitは2025-10-31 21:00 JSTから日本の新規ユーザー登録停止を告知したため、国内ユーザーのオンボーディング環境は一段と厳格化へ。
既存ユーザーの提供サービスは現時点「変更なし」と明示されたが、追って追加措置の可能性に言及されており、税務・本人確認体制の強化が今後の焦点。

企業・資金調達・プロジェクト動向

1月にBlackRockのLarry Fink氏が「BTCは$700,000の世界もあり得る」と示唆した見解が再び脚光を浴びたため、機関投資家マクロ論点としての通貨価値希薄化ヘッジが話題化。
一方でJPMorganのJamie Dimon氏は公の場では依然として批判的スタンスが散見される一方、同行は顧客のBTC取引やエクスポージャー把握を容認するなど実務は前進し、メッセージとオペレーションの乖離が意識された。

ブラックロック/JPモルガンの対照

Fink氏の超強気シナリオは国家・SWFの2〜5%配分仮定を背景に再評価されたため、価格の上方テールが語られやすい。
対照的にJPモルガンは「個人見解は否定的、顧客選好には対応」という二層構造で、ETFやプライムブローカレッジを介した間接保有が拡大。

イベント

2025-10-30の米中会談は「12/10」と評され関税一部引下げ(フェンタニル関連10%)や希土類供給の1年確約で一時休戦となったため、持続性と実装の検証が必要。
市場は短期的なリスクオフ緩和を織り込んだが、半導体輸出規制や台湾など未解決の骨格論点が多く、ファンダメンタルズの抜本転換には至っていない。

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▽ FAQ

Q. 米中会談の合意ポイントは?
A. 2025-10-30に関税一部緩和(フェンタニル関連10%)や希土類1年維持、大豆購入再開を含む限定合意が発表された。

Q. Bybitの日本向け措置はいつから?
A. 2025-10-31 21:00 JSTに日本居住者・日本国籍の新規登録を停止、既存ユーザーの提供サービスは現時点変更なし。

Q. 米10年債の足元は?
A. 10/30時点で約4.1%、パウエル議長発言後に上昇し月内の低下分をほぼ相殺、PCE次第で再評価の余地。

Q. BTCの今日の目安は?
A. $108,585(00:15 UTC)で、日中は$106,463〜$111,557のレンジ推移、金利・政策ニュースに敏感。

Q. 本日のPCEの時刻は?
A. BEAが2025-10-31 8:30 EDT(日本時間21:30)に9月分を公表予定、コアは約2.8%近辺との推計も。

■ ニュース解説

米中会談が一時休戦に傾いたためリスクオフは和らいだ一方で、合意は限定的で関税・希土類など実装検証待ちとなり金利は4.1%前後へ反発。
投資家の視点:短期はPCE・金利に注意しつつ、政策ヘッドラインの反復に左右されにくいポジション設計(現金比率・ヘッジ)と、機関採用の進展(ETF/カストディ/流動性)を軸に中期シナリオを比較検討。

※本稿は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。

(参考:Reuters,Bloomberg,TIME