▽ 要約
キャンペーン否定:UAEは7月6日「仮想通貨投資家向けビザ不存在」と共同声明
拡散源:TON財団が100kドルステーキングでビザ取得と発表が拡散
未認可:VARA「TONは未認可」と警告、当局が虚偽広告注意喚起
市場反応:TONは発表で+12%、否定報道で‑6%と乱高下
UAEゴールデンビザ 仮想通貨をめぐり「ステーキングだけで10年ビザ取得」という華々しい話題が一日で覆りました。本稿では当局の正式見解と誤情報が広がった仕組みを整理し、投資家が取るべき対応を示します。
UAE当局が共同声明で完全否定
仮想通貨投資家向けのゴールデンビザは存在しない。
2025年7月6日、ICP・SCA・VARAの3機関は「デジタル通貨投資家はゴールデンビザ対象外」と共同声明を発表し、SNS上の噂を正式に否定しました。
本来のゴールデンビザ対象
ICPは長期居住権の対象を「不動産投資家、起業家、卓越した才能、科学者・専門家、優秀な学生卒業生、人道支援功労者、フロントライン労働者」に限定すると改めて説明しています。
誤情報はなぜ広がったか
TON財団のマーケティング発表が多言語で拡散したため。
TON財団の発表
TON財団CEOマックス・クラウン氏は7月6日、Xで「10万ドル相当のTONを3年間ステーキング+手数料3.5万ドル」で10年ビザ取得と告知。公式サイトには7週間以内の承認や家族同時付与など詳細が掲載されました。
メディアとSNSの二次拡散
CointelegraphやCoinDeskを含む複数メディアが速報し、テレグラム創業者パーヴェル・ドゥロフ氏のリポストも絡んで話題が急拡大。TON価格は一時12%急騰しました。
価格反転と否定報道
当局否定後、Cointelegraphは「TON6%下落」と報道。市場は情報の真偽を織り込み直しました。
当局・メディアの警告と今後
VARAは「TONは未認可」と明示し、ライセンス取得済み企業とだけ取引せよと警告。Khaleej TimesやGulf Newsも同内容を速報し、利用者に公式情報の確認を促しています。
投資家は ①政府サイトで要件確認 ②ライセンス取得企業かを検証 ③高利誘因や“早期取得”をうたう広告を鵜呑みにしない――という基本行動が求められます。
▽ FAQ
Q. ゴールデンビザは仮想通貨だけで取れますか?
A. 取れません。共同声明でデジタル通貨投資家は対象外と明言されています。
Q. TON財団の案内は完全なデマですか?
A. 当局は公式提携を否定。第三者業者が起業家ビザ申請を代行する形とみられます。
Q. VARA未認可の事業者と取引した場合のリスクは?
A. 詐欺被害やビザ却下など行政救済を受けられない恐れがあります。
■ ニュース解説
今回の騒動は「暗号資産プロジェクト発→SNSトレンド→価格高騰→当局否定」という典型的なフェイクニュース拡散モデルを示しました。UAEはWeb3を積極誘致する一方で規制も厳格化しており、“政府のお墨付き”を謳う案件ほど一次情報を確認する重要性が浮き彫りになりました。
(出典:wam.ae,cointelegraph.com,khaleejtimes.comgulfnews)