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【要約】
・Time.funは、もともとBase上で稼働していた「時間のトークン化」プラットフォーム
・創業者Kawz氏によると、将来的にプラットフォーム独自トークンを発行する可能性はあるが、市場の適合性(プロダクトマーケットフィット)が最優先事項
・「toly’s minutes」というMEMEトークンの時価総額は約1140万ドルで、Solana共同創業者toly氏も反応
・BaseからSolanaに移行した理由は、Solanaが「圧倒的優位に立っている」一方、イーサリアムの文化面に対する疲労感が背景
・Time.funの長期的な目標は、新たな資産クラスとして「他人の時間を所有・売買・サービス利用が可能」にすること
Time.funとは何か
Time.funは、時間のトークン化を中心コンセプトとするプラットフォームです。具体的には、クリエイターやインフルエンサーなどが、自分の時間をトークンとして発行・販売できる仕組みを提供しています。従来のNFTがデジタルアートやコレクション要素を重視してきたのに対し、Time.funは「人が持つ時間そのもの」を資産として扱う点が特徴です。購入した時間トークンは、転売や交換が可能なだけでなく、クリエイターとの特別なやり取りやサービス利用など、幅広い応用が期待されています。
トークン化時間の魅力と課題
「トークン化時間」が注目される理由は、ブロックチェーン技術によって「時間」という抽象的概念を希少資産として扱えるようになる点です。需要の高いクリエイターの時間は、ユーザーにとっては投資価値にもなり得ます。ただし、このモデルを社会に根付かせるには、時間の価値設定や信頼性、実際の利用シーンの明確化など、いくつかの課題が浮上しています。Time.fun創業者であるKawz氏も、まずは市場の適合性を見極めることが重要だと述べており、安易なトークン発行ではなく、しっかりとしたプロダクトマーケットフィットを確立する考えを示しています。
将来検討されるプラットフォームトークン
Time.funでは、将来的に独自のプラットフォームトークンを発行する構想があるようです。Kawz氏によると、たとえば他の時間トークンプラットフォームが存在した場合でも、一つの基軸となる「プラットフォームトークン」を介することで、さまざまなトークンを相互につなぐ仕組みが生まれる可能性があります。しかし現在の段階では、まだ構想レベルにとどまっており、Time.funが目指すのはまず「どうすればトークン化時間を他のプラットフォームやサービスと組み合わせやすくできるか」を実現することです。
BaseからSolanaへ移行した背景
Time.funはもともとBase上でサービスを提供していましたが、2024年11月1日付でSolanaへの移行を公式に発表しました。Kawz氏はその理由として、Solanaが圧倒的優位に立っていると認めつつ、イーサリアムを中心とする文化面での「疲労感」に言及しています。イーサリアムコミュニティには技術志向が強く、一部では高い理想を掲げるあまり一般ユーザーに対して上から目線になりがちな風潮があると批判。もしイーサリアムが文化的な課題を解決できなければ、よりユーザーフレンドリーでスケーラブルなソリューションを提供するSolanaが今後主導的な立場を確立するだろうと示唆しています。
Solana共同創業者toly氏が反応したMEMEトークン「toly’s minutes」
Time.funがSolana上で発行したMEMEトークン「toly’s minutes」は、Solana共同創業者のtoly氏本人がSNS上で言及したことでも話題を集めました。toly氏は「時間こそが楽しみであり、ビジネスコミュニケーションはお気に入りの暗号応用事例のひとつだ」と述べ、肯定的な姿勢を見せています。
市場データによれば、このMEMEトークンは一時1140万ドル(日本円換算で約15億円超)もの時価総額に達したとの報道もあり、注目度の高さがうかがえます。もっとも、この種のトークンは価格変動リスクが大きいため、投資家には注意が必要です。
Time.funの長期目標
Kawz氏は、Time.funの真の長期目標として、新しい資産クラスとしての時間トークンを市場に定着させるビジョンを語っています。たとえば、著名なクリエイターや専門家の時間を所有して「予約権」を売買したり、特定のサービスと組み合わせて特典を得たりと、トークン化された時間の流通が日常的な経済圏を形成する可能性があるというわけです。
これにより、単なるSNSのファンコミュニケーションにとどまらず、ビジネスや学習、エンターテインメントなど多岐にわたる分野での活用が想定されます。現段階で公式に発行が検討されるプラットフォームトークンに関しては、まだ慎重なスタンスを貫いており、「まずはユーザーが求めるものと一致するサービスを提供できるかどうか」が鍵となっています。