▽ 要約
ファイナンス概要:総額3.84億ドルを私募で調達し BTC購入へ
戦略目的:BTCを長期資産と捉え財務レジリエンス強化
事業継続:IoT半導体開発ロードマップは従来通り
今後予定:7月1日頃までに資金受領、株主承認後実行
ビットコイン準備金戦略の採用は「現金より価値が増す資産」を求める企業の新潮流だ。フランス発の上場半導体メーカー、セカンズは総額3億8400万ドルの私募調達を確定させ、調達資金の大半をビットコインに転換する方針を示した。本記事では狙い・手法・影響を整理し、投資家が取るべき次の一手を提示する。
資金調達の概要
セカンズは私募で 3.84 億ドルを確保し、BTC 取得費用を確保した。
発行条件と内訳
- 株式私募:ADS 1 億3928万5714株(普通株 14 倍換算)+ワラント、調達額 1 億9500 万ドル。
- 転換社債:額面 1 億8900 万ドル、90 日以内行使可能なワラント付き。
- 発行価格:ADS 当たり 1.40 ドル、普通株換算 0.14 ドル。
クロージング条件
株主総会(6 月 30 日)承認後、7 月 1 日ごろに全額受領予定。エクイティ完了がデット完了の前提となる。
ビットコイン準備金戦略とは
取得資金の大半をビットコインに転換し、長期財務資産とする計画だ。
CEO の狙い
「ビットコインはプレミア資産であり株主価値を高める」とカラム CEO は強調。
運用体制
パートナーは Swan Bitcoin。保管・購入・会計処理を一括支援し、企業財務への適合性を高める。
IoT 事業との両立
同社は 4G/5G IoT 製品ロードマップを継続し、調達残額を研究開発に投入する。
株主・市場への影響
希薄化リスクと BTC ボラティリティの両面を抱えるが、成功すれば株主価値増大が見込める。
- 私募に伴う新株発行で発行済み株式は大幅増。
- BTC 価格上昇時は含み益が財務を押し上げる。下落時は逆効果。
今後のスケジュールとリスク
取引完了と BTC 取得が 7 月上旬、SEC 開示と会計処理が注視点。
- 株主総会承認 → 7 月 1 日私募完了 → BTC 取得開始。
- 規制変更・ボラティリティ・為替が主リスク。
▽ FAQ
Q. 資金調達額はいくら?
A. 総額 3 億 8,400 万ドルで、株式 1 億 9,500 万ドルと転換社債 1 億 8,900 万ドルの私募から成ります。
Q. いつビットコインを購入する?
A. 2025 年 7 月 1 日頃の私募完了後、速やかに購入を開始する予定です。
Q. パートナー企業は?
A. ビットコイン運用は Swan Bitcoin 社が担当し、購入から保管までを支援します。
Q. 既存事業への影響は?
A. IoT 半導体のロードマップは維持され、調達残額が研究開発に充当されます。
■ ニュース解説
セカンズの「ビットコイン準備金戦略」は欧州上場テック企業としては珍しい。企業財務に暗号資産を組み込む動きは MicroStrategy 等に次ぐ第二波として注目される。投資家は BTC 価格のボラティリティと希薄化のトレードオフを評価する必要がある。
(出典:sequans)