SecuritizeがRedStoneを選定:代替資産をDeFiに組み込み、新時代の金融を加速

  • 2025/3/13

【要約】
・Securitizeがブロックチェーン予言機(オラクル)サービスのRedStoneを正式にパートナーとして選定
・ベラ イドやアポロなど大手資産運用会社と協業し、RWA(現実世界資産)のトークン化を推進
・RedStoneによる価格データ配信を活用し、代替資産のDeFi統合を実現
・2025年に向け、トークン化市場およびDeFiの成長に期待が高まる

トークン化RWA(現実世界資産)を活用して、世界の金融市場をブロックチェーンへ移行させる動きが加速しています。こうした背景のもと、Securitizeは大手資産運用会社との共同プロジェクトを展開し、資産のオンチェーン化に不可欠なブロックチェーン予言機(オラクル)としてRedStoneを首要パートナーに指名しました。本記事では、SecuritizeによるRWAのトークン化の意義と、RedStoneのデータ配信によって実現されるDeFiへの接続について詳しく解説します。

トークン化RWAとは:DeFiが変革をもたらす新領域

RWA(Real World Assets)をトークン化するとは、現実世界の金融商品や不動産、証券などの資産をブロックチェーン上でデジタル証券化し、オンチェーン取引を可能にすることを指します。DeFi(分散型金融)はこれまで仮想通貨やステーブルコインが中心でしたが、RWAのトークン化によって、機関投資家から個人投資家まで幅広く参加できる新たな市場が形成されつつあります。

SecuritizeはこのRWAトークン化のリーディングカンパニーとして、ブラックロック(ベライド)やアポロ、KKRなど世界最大級の資産運用企業と協力し、既存証券市場のオンチェーン移行を進めています。グローバル証券市場の推定総額は約300万億ドル(約300兆ドル)とも言われ、対してDeFiエコシステムは約900億ドルの規模と推定されます。こうした数値からも、伝統的金融がブロックチェーンと結びつくことで生まれる成長余地は膨大と言えます。

SecuritizeがRedStoneを選定した背景

しかし、RWAをDeFi領域で広く活用するには、「オンチェーンで正確かつ信頼できる価格データ(オラクル)」が必須です。オラクルとは、ブロックチェーン外の現実世界のデータをチェーン上に安全かつ正確に反映させる仕組みを指します。
今回、SecuritizeはRedStoneを首要のオラクルパートナーとして選定しました。その理由には以下の点が挙げられます。

  1. 高い正確性:RedStoneは稼働以来、一度も重大な価格配信エラーを起こしていないとされ、安定かつ高精度のデータ提供が可能。
  2. モジュール式のアーキテクチャ:RWAなど特殊な価格指標に合わせ、柔軟にデータの取り扱い方法を調整できる。
  3. 複数チェーン対応:イーサリアムやEVM互換チェーンなど、幅広いブロックチェーンに対応し、今後のさらなる拡大にも対応しやすい。

SecuritizeのCEOであるCarlos Domingo氏は、「従来型の閉鎖的金融システムから脱却するには、RWAをオープンで許可不要なブロックチェーン上に載せることが重要だ。RedStoneとの連携は、トークン化された証券を単にブロックチェーン上で取引するだけでなく、既存のDeFiアプリケーションへ本格的に統合していく道を開く」と述べています。

DeFiへの統合を支えるRedStoneの強み

RWAをDeFiへ組み込む際、リアルタイムの価格配信が不十分だと、市場操作リスクや誤った担保評価などによって大きなトラブルを引き起こしかねません。RedStoneはプッシュとプルの両機能でNAV(純資産価値)や日次金利などを正確かつスムーズに提供し、信頼できるデータ基盤を確立します。

  • プッシュ型:RedStone側から定期的に価格をチェーンへ送信
  • プル型:スマートコントラクトが必要なタイミングで価格を取得

この柔軟なデータ配信により、Securitizeの代替資産を担保に用いたDeFiの融資プラットフォームや、オンチェーン取引所でのスムーズな決済が実現される見込みです。

RWA市場の拡大とDeFiへのインパクト

RWAのオンチェーン化はすでに一定の実需が生まれています。たとえば、Securitizeが提供するベライドドル建てファンド(BUIDL)やアポロの多元化クレジット代替資産(ACRED)などは、アメリカ証券取引委員会(SEC)など公的機関のライセンスを取得したうえでトークン化され、DeFi市場への接続が可能となりました。
DeFi上でRWAが当たり前に扱われるようになれば、市場規模は指数関数的に拡大する可能性があります。RWAの時価総額は一部推計で既に150億ドルを超えるともいわれ、今後さらに多様な機関投資家や個人投資家の需要を吸収していくでしょう。

さらなる成長を支える両社の役割

Securitizeは、トークン化ファンドの組成や、必要となる各種ライセンス(SEC登録の証券ディーラーやデジタル移転代理店など)を取得することで、コンプライアンス面を強固にサポートしています。また、運営するATS(オルタナティブ取引システム)を通じて、登録投資家がオンチェーンで代替資産を安全に取引できる環境を提供しています。
一方、RedStoneはモジュール式の設計でRWAの特性や規制要件に合わせたオラクル機能を実装し、DeFi参加者が安心して取引を行えるよう価格データの信頼性を担保します。この両社が協力することにより、トークン化された現実世界資産を抵当として利用する金融プロダクトや、新たな金融派生商品など、革新的なユースケースが今後登場する可能性が高まっています。

「RWA × DeFi」は金融未来の軸となるか

RWAは、ステーブルコイン以外のオンチェーン資産として新興市場を形成しており、今後も拡大が見込まれます。実際、機関投資家の暗号資産需要はビットコインETFの例を見ても明らかであり、トークン化ファンドへの関心は高いと言えます。SecuritizeがRedStoneを採用することで、トークン化RWAの透明性と信頼性がさらに向上し、DeFi市場における「本物の資産運用」への需要を一段と刺激するでしょう。

合規性とリスクについて

  • Securitize Markets, LLCはFINRA/SIPCメンバーの証券ディーラーであり、発行する証券はアメリカ証券取引委員会(SEC)規制下の枠組みに則っています。
  • デジタル資産への投資は高リスク・投機的性格を帯び、流動性リスクや市場操作リスクなど多様なリスクが存在します。
  • Securitize, Inc.は技術プロバイダーとして機能し、Securitize, LLCはSEC登録の移転代理店として業務を行っています。
  • 運営するSecuritize MarketsはSEC規制のオルタナティブ取引システム(ATS)、Securitize Capitalはフロリダ州認可の投資アドバイザー免除事業者です。

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