SECの厳しい告発!旧TUSD運営者、ジャスティンサンチームが保有比率80%以上、99%をオフショアファンドに投資

要約
2024年9月25日、米国証券取引委員会(SEC)は旧安定コインTUSDの運営者であるTrueCoin LLCとTrustToken Inc.に対し、詐欺的行為および未登録の投資契約販売で告発を行いました。本記事では、SECの告発内容、ジャスティンサンチームの保有状況、TUSDの資産運用リスク、及び市場への影響について詳細に解説します。

1. SECによるTUSD運営者への告発

2024年9月25日、米国SECは公式サイトで、TrueCoin LLCとTrustToken Inc.に対して告発を発表しました。告発理由は、TrueUSD(TUSD)が詐欺的行為および未登録の投資契約販売に関与しているとされるものです。SECはこれらの企業が《銀行秘密法》、《国際緊急経済権力法》および《商品取引法》に違反し、無許可の送金業務や禁制取引を行っていたと指摘しています。

2. ジャスティンサンチームの保有比率とオフショア投資

SECの訴状によると、TrueCoinとTrustTokenは2020年11月から2023年4月まで未登録の投資契約販売を行い、投資家を誤解させる宣伝活動を展開しました。特に注目すべきは、ジャスティンサンチームがTUSDの保有比率の80%以上を占め、99%の資産をオフショアファンドに投資している点です。具体的には、First Digital Trust Limitedに約5.02億ドル(TUSD流通量の約99.8%)を投資しており、これによりTUSDの資産儲備の大部分が高リスクなオフショアファンドに依存しています。

3. TUSDの償還困難リスク

SECの告発資料では、TUSDの償還に関する重大なリスクが明らかにされています。特に、オフショア投資基金への大量の資金移動により、TUSDの償還が困難になる可能性が高まっています。現時点でTUSDの総供給量は4.95億枚であり、資産の約99.8%がFirst Digital Trust Limitedに投資されています。この状況は、投資家がTUSDを償還しようとする際に、実際の資産が不足している可能性を示唆しています。

4. TrueCoinとTrustTokenの関与

TrueCoinはTUSDの発行者であり、TrustTokenはTrueFiの開発および運営を担当しています。SECの訴状によると、これらの企業は未登録の投資契約を通じて資金を調達し、TUSDおよびTrueFiの利益機会を誇大に宣伝しました。具体的には、2021年時点でTUSDの借入年利回りが21.37%に達し、TrueFiプロトコル上で約7800万枚のTUSDが貸し出されていました。しかし、これらの活動は未登録であり、投資家に対して誤解を招くものでした。

5. 和解協定と市場への影響

TrueCoinとTrustTokenは、SECとの和解協定により告発を受け入れ、約16.4万ドルの民事罰金を支払うことで合意しました。しかし、この和解協定はまだ裁判所の承認を待っており、SECの調査は継続中です。和解が承認されれば、これらの企業は連邦証券法に違反した行為を禁止されますが、現時点では市場への影響は限定的です。しかし、SECの告発によりTUSDへの信頼は大きく揺らぎ、投資家の間で懸念が広がっています。

6. 市場の反応と新たな課題

SECの告発後、TUSDに関連する市場では大規模な資金移動が確認されました。特に、ジャスティンサンチームが保有するTUSDの大量移動が注目されており、これにより市場の流動性が低下しています。また、DEX CurveはTUSDを抵押資産リストから除外することを検討しており、これはTUSDの信頼性に対するさらなる疑念を呼び起こしています。

さらに、Binanceなどの主要取引所でもTUSDに対する取り扱いが見直されており、投資家は慎重な姿勢を強めています。これにより、TUSDの市場シェアは急速に縮小し、他の安定コインへの需要が高まる可能性があります。

7. 今後の展望と規制の重要性

TUSDの告発事件は、仮想通貨市場における規制の重要性を再認識させるものであり、今後もSECをはじめとする規制当局の監視が強化されることが予想されます。投資家は、安定コインを含む仮想通貨への投資に際して、透明性と信頼性を重視する必要があります。

また、他の仮想通貨プロジェクトも同様のリスクに直面する可能性があるため、企業は法規制を遵守し、投資家に対して正確な情報を提供することが求められます。これにより、仮想通貨市場全体の健全な発展が促進されることが期待されます。

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