9月11日:SEC・CFTC共同声明とCPI前市況

▽ 要約

マクロ|米CPI公表直前、BTC/ETHはレンジで様子見
ルール|SEC・CFTC共同声明で24時間市場・パーペチュアル検討
市場|ETH現物ETFに+4,416万ドル流入、SOLは220ドル台
供給|Aptosとio.netが9/11に大型アンロック予定

投資家の最大の関心は「米CPIと規制の次の一手が価格に何をもたらすか」だ。結論として、SEC・CFTC共同声明(24時間市場・パーペチュアル検討)で制度面の追い風が示唆される一方、9月11日のCPI発表を前にBTC/ETHは方向感を欠く。本稿では(SEC・CFTC共同声明 24時間市場)を軸に、注目指標・日程・個別テーマを解説する。

9月11日の全体像(市況・指標・日程)

CPI公表前でポジション調整が進むため、BTC/ETHは狭いレンジでの往来となった。
BTCは11.1万ドル台、ETHは4,316.55ドル近辺で推移し、恐怖強欲指数は48の中立圏。現物ETFフローはBTC+2,305万ドル、ETH+4,416万ドルで改善。11日は米CPI、Binanceの新規上場・トークン流通、Aptos(約1,131万APT)とio.net(約1,329万IO)アンロックが重なる。

・BTCは短期保有層の売り圧力で11.3万ドル近辺に上値抵抗、ETHは4,200~4,500ドルで持ち合い。
・SolanaやMantle、Pythなど一部セクターが相対的に堅調。
・11日の主な予定:米CPI、Binance AlphaでPINGPONG上場、HOLO流通開始、Aptosとio.netのアンロック。

規制動向—SEC・CFTC共同声明の射程

両当局が協調監督を打ち出したため、米市場でパーペチュアルや24時間市場の合法化観測が強まり、9月29日の公開円卓会議に注目が集まる。
9月5日の共同文書は、暗号資産・デリバティブ・予測市場・DeFiを俎上に載せ、24/7市場や証拠金・レポーティング基準の調整、外国プラットフォーム登録の明確化などを検討する方針を示した。米国市場の競争力回復を前提とした監督協調で、流動性呼び戻しや新商品の法的枠組み整備に波及が見込まれる。

市場テクニカルの現在地

CPI前の指標イベントが意識されたため、直近の上昇後にボラティリティは低下し、ブレイク待ちの様相となった。
BTCは11.36万ドルのネックライン上抜けで12万ドル台を試すシナリオも一方で短期勢の売り圧力が上値を抑制。ETHは4,200~4,500ドルのレンジが意識される。ETFフローの回復は下値を支えるが、トレンド化には出来高とマクロの後押しが必要だ。

テーマ別トレンド(AI・L2・CeDeFi・RWA)

市場は分野ごとのカタリストに反応しやすくなっているため、AI・L2・CeDeFi・RWAの循環物色が続いた。

AI×Base—Sapienの参入

BaseのAIインフラプロジェクト「Sapien」が新規参入したため、BaseのAIスタック拡充とエコシステムの差別化が進む見方がある。

Web3 AI 12プロジェクトの進捗

複数のAI案件で主要マイルストーンが可視化されたため、短期物色に加え中期の実需期待がにわかに強まった。

Upbitの“コインレス”L2「GIWA」

取引所からステーブルインフラまで視野に入れる動きが強まったため、韓国勢はカカオ系と正面衝突の構図を強めている。

Bybit×Mantle—MNTのCeFiハブ化

L2トークンから取引所ユーティリティへ軸足を移す戦略が進んだため、手数料割引・担保用途拡大・買戻し枠などが評価ポイントとなる。実装とBybitの出来高が鍵。

RWAの収益性

RWAは分割性・流動性・24/7取引の利点を持つ一方、法規制・与信・運用コストが課題で、総オンチェーン規模は約284億ドルに拡大している。

取引所・デリバティブ周辺

24/7市場の制度議論が進むため、デリバティブと現物の接続強化が焦点となった。

Hyperliquidのメカニクス

収益・評価のロジック分解から、トークン価値と流動性設計が高時価総額を支える条件として整理された。

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スコア効率は0.85%手数料ペアの活用と中位ティア狙いが合理的で、参加増でポイント価値低下が予想される。

個別トピックとニュースフロー

イベント密度が高まったため、短期フローは個別材料に敏感に反応した。
・Solanaは220ドル台を回復し年初来高値圏へ接近。BinanceのHOLO上場・配布、UpbitのLINEA上場など供給・上場イベントが連鎖。
・Binance上場廃止予定銘柄(BAKE/HIFI/SLF)の逆行高や、MYXの急伸・大量清算が目立つ。
・中国圏では人人比特創業者・趙東氏の出所がSNSで示唆。
・ETH財庫(ETHZilla)や予測市場・DATsの議論が活発化し、ETHを高品質担保とみなす潮流が強まる。
・「財団モデルからの卒業」を示す動きも散見され、ガバナンスと資本政策の再設計が課題に。
・Solana長期強気を示す運用者コメントも観測。
・Monadの主網前でエコシステムの足踏み懸念と前進期待が交錯。

▽ FAQ

Q. SECとCFTCの共同声明の実施時期は?
A. 2025年9月29日に公開円卓会議を予定し、24時間市場やデリバティブ監督の協調を議論する。

Q. 9月11日に重なる主要イベントは?
A. 米8月CPI、BinanceのPINGPONG上場とHOLO流通、Aptos約1,131万APTとio.net約1,329万IOのアンロック。

Q. 直近で強かった銘柄は?
A. SOLが220ドル台と7か月高値、MYXやMantle、Pythなどが上昇セクターをけん引した。

Q. ETFフローの転換点は?
A. 9月9日にETH現物ETFへ+4,416万ドルの純流入が入り、6日連続流出から反転した。

Q. 中国圏の注目ニュースは?
A. 人人比特創業者の趙東氏が9月10日に出所確認と示唆され、法的問題の一区切りが見られた。

■ ニュース解説

米CPI発表を控えたレンジ相場が続く一方でSEC・CFTCの協調が制度面の追い風となる可能性が高いため、イベント通過後のフロー転換と規制進展の両睨みが必要だ。
BTC/ETHは11.1万/4,316.55ドル近辺で推移し、ETH現物ETFに資金が回帰、SOLは220ドル台で、11日はCPIや上場・供給イベントが集中する。米雇用統計の大幅下方改定で利下げ観測が強まり、規制当局が市場競争力回復を掲げ協調姿勢に転換したため、短期はイベント主導のボラ拡大が想定される一方、中期は24/7市場やパーペチュアル解禁観測が評価倍率を押し上げ得る。
投資家の視点:ポジションはイベント密集日(CPI・上場・アンロック)に合わせΔ調整、ETFフローと出来高のセット改善が見えるまでレバレッジは抑制、規制面の材料(9/29円卓)にはアップサイド・テールとしてコール系での保険を検討するのが一般論。

※本稿は投資助言ではありません。

(参考:PANews)