▽ 要約
ナスダック上場 25年7/17にLAWRで上場し$15M調達。
イーサリアム戦略 ETHへ最大10億円を25年Q4〜26年春に投資。
アドバイザー体制 元bitFlyer代表・関正明氏が戦略助言。
Z世代エンゲージ 造船太郎氏が9/26就任、SNSで若年層に訴求。
海外資本市場の活用に踏み切ったRobot Consultingのナスダック上場と造船太郎の就任は、資金調達と発信力の双方を一気に強化する動きであり、同社のETHトレジャリー導入(DAT)とリーガルテック戦略の実装を加速させる。読者はIPO条件、投資計画、任命の狙いを一次情報で把握できるよう解説する。
NASDAQ上場の背景と意義
上場により国際的な資本アクセスと信用を獲得したため、R&D・採用・設備投資に資金を配分しつつWeb3連動の新領域に投資余力を確保できた。
2025年7月17日、同社はNasdaq Capital Marketに“LAWR”で上場し、ADS375万株を1株$4で公開、総額$15百万を調達した。使途は人材採用、製品の研究開発、オフィス拡張、運転資金とされ、米国上場により国内外の個人・機関投資家への露出が急速に高まった。上場の選択は、HR×リーガルテックというニッチ領域のバリュエーション確立と、暗号資産を含む新戦略の対外説明力を得る狙いが大きい。
事業内容と沿革(HR×リーガルテックの二軸)
人材ソリューションを中核に、法務・労務のSaaS化を進めたため、収益の基盤を維持しつつ新分野への拡張がしやすい構造となった。
本社は東京・港区。主力の「労務ロボ」は勤怠・受発注・会計仕訳をクラウドで一元管理でき、2022年9月にローンチされた。加えて、助成金申請支援やDX支援を提供し、将来はAIによる判例検索や弁護士マッチング等を備えた「ロボット弁護士」の商用化を目指す。
「労務ロボ」で積み上げるユーザー基盤
HR業務の継続利用性が高いため、チャーン抑制とLTV向上が見込め、リーガル機能の追加販売(クロスセル)も設計しやすい。
ユーザーの業務データを活かして手続きの電子申請や監査対応の効率化を図る設計は、法務領域とのシナジーを生みやすい。
DAT(デジタル資産トレジャリー)と株主エンゲージメント
四半期時価評価を前提に最大10億円のETHを段階取得するため、クリプト市場のボラティリティを織り込みつつ収益源の多様化と本業シナジーの実証を狙う。
同社は2025年Q4〜2026年春にかけてETHを最大10億円投資する計画を公表した。評価は四半期ごとの時価反映。目的はリーガルテック開発の推進、デジタル資産リザーブの構築、資本政策の柔軟化である。暗号資産とIR・財務を連携させるため、クリプト投資家との対話を専門に担う「クリプト株主エンゲージメント」を新設した。
助言体制(Masaaki Seki氏)と実装力
暗号資産と伝統金融の橋渡し経験を採り入れるため、戦略の現実性と開示の質を高める布陣となった。
bitFlyer Holdings元代表の関正明氏が2025年9月からETH投資戦略と財務目標のアドバイザーに就任。リスク管理や会計・開示運用を整備し、DATを財務・IRの共通言語に落とし込む役割を担う。
Z世代投資家「造船太郎」氏の就任と期待効果
若年層の情報接点を拡大するため、SNS発信力の高い個人投資家を前面に据え、投資家教育と対話を並走させる施策へ転換した。
2025年9月26日付で造船太郎氏がクリプト株主エンゲージメント担当に就任。X約13.2万人、YouTube約1.43万人のフォロワー基盤を活かし、DATの背景や市場リスクを平易に説明しつつ、株主・潜在投資家との双方向コミュニケーションを担う。経営は、上場で得た発信力・資金力を背景にリーガルテック×Web3の検証速度を上げ、株主基盤の若返りと分散を目指す。
業績・財務への波及
本業の足元を可視化し、DATのKPIを四半期開示へ接続するため、投資家の評価軸が整う。
2025年3月期の売上高は6億7,556万円で前期比▲2.5%。DAT実行後はETHの時価評価損益が四半期数値に反映され、価格変動が短期のPLを揺らす一方、長期の技術・顧客基盤拡充効果を検証する局面となる。
▽ FAQ
Q. Robot ConsultingのIPO条件は?
A. 2025年7月17日、NASDAQ“LAWR”にADS375万株を$4で公開し$15Mを調達。
Q. ETH投資計画の規模と実施時期は?
A. 2025年Q4〜2026年春に最大10億円を段階投資し、四半期時価評価を実施。
Q. 造船太郎氏の役割は?
A. 2025年9月26日に就任し、X約13.2万人等の発信力で若年層投資家との対話を強化。
Q. 助言体制はどうなった?
A. bitFlyer元代表の関正明氏が2025年9月にETH戦略・財務のアドバイザーに就任。
■ ニュース解説
同社はLAWRでの上場により$15Mの調達を完了し、最大10億円のETH投資とZ世代向けエンゲージメントを同時に進めるため、R&D・採用・IRの三位一体運用を狙う。一方で暗号資産のボラティリティは四半期損益を変動させる。
投資家の視点:短期はETH価格・時価評価のブレに注意しつつ、①DATの取得・保有方針(価格帯・配分・保管体制)、②会計処理と開示KPI(時価評価・感応度)、③本業シナジー(リーガルSaaSへの実装)を四半期開示で追うのが一般的だろう。
※本稿は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。
(参考:Robot Consulting,Yahoo Finance,SEC)