1月22日 予測市場が主役:PolymarketとBTC急落

▽ 要約

市況:BTCは$88,000割れ、清算$642M。
テーマ:予測市場は高頻度化し規制も強まる。
資金:Spaceは超過$7.3M返金、$FIGHTも100%返金。
機関:裁定利回りは17%→4.7%に低下。

BTC/ETHの急落と清算拡大が短期センチメントを冷やす一方、予測市場は取引量増と規制強化が同時進行している。

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暗号資産は「下げた理由が分からない」と感じやすい局面に入っています。結論は、価格・市場構造・規制の3つを同時に見ないと説明がつきにくいという点です。本稿ではPolymarketを含む予測市場の変化と、BTC/ETH下落の背景を、数値ベースで解説します。

市況総括

BTC/ETHの下落と大規模清算が同時に起き、短期のレバレッジ偏重が調整局面を増幅した。

2026-01-22の価格と清算

BTCは$87,863、ETHは$2,892まで下落し、24時間清算は$642Mと多かった。

まず価格水準を押さえると、2026-01-22時点でBTCは$88,000を割り込み$87,863.60、ETHは$2,900を割り込み$2,892.02が示された。日中変動はBTCが-2.68%、ETHが-3.68%と、下げ幅自体より「連続した下押し」が印象を残す形だ。

清算データでは、過去24時間の全体清算が$642Mで、ロング側が$537M、ショート側が$105Mと、ロング偏重の巻き戻しが目立つ。銘柄別ではBTCが$259M、ETHが$211Mで、主要2資産が清算の中心に位置づけられた。

機関マネーの取引行動:cash-and-carryの利回り低下

現物買い・先物売りの裁定利回りが約17%→約4.7%へ低下し、CME建玉も縮小した。

機関投資家が使ってきた「現物を買い、先物を売る」cash-and-carry取引は、価格差の縮小でうま味が落ちたとされる。年率換算の利回りが約1年前の約17%から足元で約4.7%へ低下し、資金調達コストを賄いにくい水準になった点が示された。

裁定の縮小は弱材料にも見えるが、市場成熟の裏返しでもある。取引所間の価格差が詰まれば、低リスクで回る資金が減り、代わりにより複雑な戦略(DeFiを含む)へ移る余地が広がるためだ。

「暗号だけ冬」とされた背景

他資産が上昇する局面でも暗号資産が伸び悩む要因として、流動性環境と地政学リスクが挙げられた。

マクロ視点では、2025年を通じて金(ゴールド)+60%超、銀(シルバー)+210.9%、米小型株指数(Russell 2000)+12.8%などが挙げられる一方、BTCは短期の高値更新後に下落・低ボラで停滞したという対比が示された。

弱さの理由としては、米国の量的引き締め継続や日本の利上げによる流動性収縮、政策・地政学の不確実性が高リスク資産の上値を抑える、という説明が提示された。なお、BTC/金の相対強弱が過去4回「売られ過ぎ」に入った局面では、その後の反発が観測されたという指摘もあるが、再現性は保証されないため材料の一つとして扱いたい。

一方で市場構造の見方は一枚岩ではない。機関参加が進むほど価格は上がりやすくボラティリティは下がりやすい、という見立てが提示され、BTC/ETHが「投機」から「配置(アロケーション)」へ移る過程という整理も示された。

規制・政策アップデート(予測市場の急拡大)

予測市場は取引量が急増する一方で、法的な位置づけを巡り各国で規制圧力が強まっている。

高取引量化のメカニズム

押して待つ賭けから「途中で売買する取引」へ変わり、同一資金の周転率が上がった。

予測市場が伸びる背景は、「結果を待つ」賭けから「途中の確率変化を売買する」取引へ寄った点にある。イベントは「起きるか否か」ではなく「確率が時間とともにどう動くか」として扱われ、同じユーザーが同一イベントで複数回ポジションを調整することで、取引量が積み上がりやすい。

プラットフォーム別には、Kalshiがスポーツを軸に高頻度・高速決済で回転率を高め、Polymarketが政治・テック等の情緒的テーマを素早く上場して「世論の取引層」に寄っている、という対比が示された。成長型のOpinionはインセンティブとプロダクト設計で初期成長を作る一方、報酬が薄れた後の継続利用が焦点になると整理されている。

規制の焦点は「金融」か「ギャンブル」か

2026-01-12に単日$700M超が報じられる一方、欧州や米州でアクセス遮断や提供禁止が進んだ。

取引量の急増は注目を集める一方で、規制面の摩擦も拡大している。2026-01-12の単日で主要プラットフォーム合計の取引総量が$700Mを超えたとの事例が示され、機関が「非標準イベント(選挙、政策時点、紛争など)」の価格付けに活用し得るという見方が出ている。

同時に、欧州ではハンガリー、ポルトガル、ウクライナなどが「無免許ギャンブル」等を理由にPolymarketの遮断や撤退要求を行ったとされ、米国ではマサチューセッツ州でKalshiのスポーツ関連契約が禁じられた事例が示された。Polymarket側も33の国・地域で地理的ブロックを実施しており、利用可能地域の変化が継続的なリスク要因になる。

争点は、情報集約・リスクヘッジの「金融ツール」とみなすのか、低参入で中毒性や資金洗浄等の懸念がある「賭博」とみなすのか、という法的分類に集約される。投資家目線では、同じ「市場」でも規制当局が変われば取引可能性が変動する点に注意が要る。

企業・プロジェクト動向(返金対応とプロダクト更新)

資金調達後の返金対応が相次ぐ一方、DEXやウォレットの機能更新がチェーン上取引の裾野を広げた。

返金対応:Spaceと$FIGHT

返金の判断は「配分の公平性」を前面に出す一方、募集上限や情報開示の説明責任も残る。

レバレッジ型予測市場を掲げるSpaceは、パブリックセールで$20M超を集めた後、コミュニティ向けプール(トークノミクス上51%)から19.6%を配分し、FDVは約$69Mと説明した。結果として超過分として$7.3M超を返金する方針を示し、資金はレバレッジ用プール、流動性構築、監査、採用、CEX上場等に充当するとした。

一方で、募集規模の拡大や返金の透明性を巡る疑義が出たことも示されている。プロジェクト側は、外部で言及された$2.5Mはソフト上限でありハード上限ではない、と説明し、規模拡大は流動性と長期開発のためだと位置づけたが、説明のタイミングや体制への不信が残る形になった。

AI系プロジェクトHoloworld AIは、旗艦とする$FIGHTについてICO参加者への100%返金と、該当ユーザーへのエアドロップを発表した。総供給は100億枚でエアドロップは8,500万枚(0.85%)とされ、対象にはBNB ChainとSolanaのICO参加者、x402 Fight Pass保有者、関連キャンペーン参加者、$HOLOステーカー等が含まれる。

関連:1月21日 トークン化証券と清算急増

インフラ更新:Uniswap v4のCCAとウォレット機能

Uniswap v4の完全オンチェーン拍売機能やウォレットの自動執行が、取引手段の選択肢を増やした。

DEX側では、Uniswapの連続清算オークション(CCA)がBaseに展開され、Uniswap v4上で完全オンチェーンのトークンオークションを組める、とされた。許可不要・無料で使える設計が強調されており、価格発見と初期流動性の立ち上げを「プロトコル内」で完結させる方向性が見える。

ウォレット側では、OKX WalletがTEEベースのスマートアカウントを全面公開し、自己保管を維持しつつCopy Trade、Limit Order、TP/SLなどの条件付き執行を可能にした。注文条件が満たされるとTEEが署名して自動でオンチェーン実行する設計で、個人が使う取引手段の高度化が進んでいる。

トークン化とステーキング:TBIL試験とnative DVT案

米ETF株式のチェーン記録の試験提案と、ETHのDVT統合案が「制度×技術」の接点を示した。

伝統金融とチェーンの接続では、F/m Investmentsが米SECに対し、米国債3カ月ETF「TBIL」(運用規模$6.3B)の一部株式をブロックチェーン上で記録する試験を申請したとされる。持ち高や売買の仕組みは変えず、バックエンドの登録のみをチェーン化する構想で、制度側が許容できる範囲での「小さな統合」になり得る。

技術側では、Vitalik Buterinが「ネイティブDVTステーキング」を提案し、DVTをプロトコルに統合して安全性と分散性を高める構想が紹介された。検証者が複数鍵(最大16)と閾値署名で1つのバリデータとして動く設計で、単一障害点を減らしつつ、個人・機関が独立運用しやすくする狙いが語られている。

投資家メモ(決済カードと情報流通)

実需の入口である決済と、ナラティブを運ぶSNSの変化は、相場の外側から需給に影響し得る。

決済インフラでは、暗号資産カード31枚の比較が示され、広告上の最大還元ではなく「手数料・為替スプレッド・月額費・ステーキングコストを控除した実効リターン」で評価する枠組みが採られた。上位例としてEtherFi Cash Cardは4.4点で非カストディ+最大3%還元、Gemini Credit Cardは4.2点で即時還元と無年会費・無外貨手数料、Crypto.comは3.5%還元をうたう一方でCROステーキングが前提と整理されている。

情報流通では、X(旧Twitter)が2026年に向けて推薦ロジックを「語義(セマンティック)理解」へ寄せ、停留時間や深い返信を重視するという解説が出た。短文連投や無意味な返信での水増しが効きにくくなるなら、投資家にとっては「拡散速度」より「内容の検証可能性」が相対的に重要になりやすい。

▽ FAQ

Q. 予測市場が「高頻度化」したとは?
A. 途中で確率を売買する取引が増え、Kalshiはスポーツで資金回転率を大幅に高めた(2026-01-12に単日$700M超)。

Q. Spaceの返金はどの規模?
A. Spaceはパブリックセールで$20M超調達後、超過分$7.3M超を返金し、FDV約$69Mと説明した(2026-01-22)。

Q. $FIGHTの返金とエアドロップは?
A. Holoworld AIはICO参加者へ100%返金し、総供給100億枚中8,500万枚(0.85%)を配布するとした。

Q. BTC/ETH下落時の清算は?
A. 2026-01-22にBTCは$87,863、ETHは$2,892となり、24時間の清算は$642M(ロング$537M)だった。

■ ニュース解説

BTC/ETHが下落してロング清算が膨らんだため、短期ではレバレッジ調整の影響が大きい。
一方で予測市場は取引量増と規制強化が同時に進むため、商品性と法域リスクの両方が論点になる。投資家の視点:価格だけでなく清算・裁定利回り・利用可能地域の変化を点検し、プロジェクトの返金条件やトークン配分の透明性を確認したい。

※本稿は一般的な情報提供を目的としており、特定銘柄・金融商品の売買を推奨するものではなく、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

(参考:PANews