▽ 要約
サイン日:2025年8月7日、401(k)に暗号資産解禁。
マーケット影響:BTC一時11.7万ドル、ETHも上昇。
仕組み:DOLとSECが規則改正、実装は数カ月先。
規模:DC12.2兆ドル、401(k)8.7兆ドルが対象。
米国は「401(k) 仮想通貨 解禁 大統領令」で退職年金の投資選択肢を拡張する方針を正式化した。ホワイトハウスと主要メディアが署名(8月7日)を確認している。
読者の疑問は「本当に401(k)で暗号資産が買えるのか」。結論はただちに全面解禁ではなく、DOL・SECの規則改正を経る段階的実装だ。この記事では制度面・市場影響・リスクを短時間で把握できるようお伝えする。
大統領令の要点
大統領令は、401(k)に暗号資産・私募(PE)・不動産などの代替資産を組み入れる道を開き、DOLとSECに規則改正を指示した。ホワイトハウスのファクトシートが「9,000万人超の労働者」へのアクセス拡大を明記。
8月7日、トランプ大統領は当該大統領令に署名。ロイター日本語版やWSJなど複数の大手媒体が、ERISA下のガイダンス見直しとSECの規制調整を伴うことを報道した。なお、実行は直ちに投資可能を意味しない点に留意。
制度面:実装プロセスと既存方針の変更
実装はDOL・SECのルールメイキングが前提。2025年5月28日にDOLは2022年の「暗号資産は極めて慎重に」ガイダンスを撤回し、中立姿勢へ回帰済み。
DOL撤回後も、受託者責任の水準は低下しておらず、プランスポンサーは厳格なデューデリジェンスを求められる。早期導入は自己運用口座(SDBW)など限定的窓口から進むとの専門家見解が多い。
市場の反応と資金フロー規模
報道直後、BTCは約2%上昇し11.6~11.7万ドル、ETHは3,800ドル台へ。初動は限定的だがポジティブ。
米DC市場は12.2兆ドル、401(k)は8.7兆ドル(2025年Q1)。1%配分の想定だけで約1220億ドル(DC全体)/約870億ドル(401(k)のみ)の潜在流入規模となる。
補足:一部では1%でBTC13万ドル、5%で20万ドル超との強気見立てもあるが、価格は需給・マクロ・制度詳細に左右されるため、試算幅としての参考に留めたい。強気予測の例としてBitwiseは2025年に20万ドル超を掲げる。
支持と懸念:関係者の声
政権側は「投資選択の民主化」を強調し、9,000万人のアクセス拡大を訴える。他方、手数料・流動性・訴訟リスクへの懸念は根強い。
デビッド・サックス氏は「9,000万人以上が代替資産にアクセス」とXで表明。WSJは同日、“デバンキング”対策の別令にも言及し、金融規制全体の地殻変動を指摘。
関連政策との位置づけ
大統領令は7月の安定コイン法(GENIUS Act)および3月の戦略的ビットコイン備蓄(SBR)EOと連動し、暗号資産の制度統合を加速させる。
GENIUS Actは100%準備・月次開示などの枠組みを整備。SBRは政府保有BTCの一元管理を指示する。
実務影響:プラン提供者・投資家の次アクション
初期はSDBWやターゲットデート型の限定メニューから試行される見込み。受託者責任の明確化と情報開示・コスト管理が導入の鍵となる。
プラン提供者は、商品性(評価・流動性)と手数料水準、教育資材の充実、ベンダーのカストディ体制を総点検すべきだ。参加者側は配分比率の上限(例:1–3%)や長期積立の適合性を事前に確認したい。
▽ FAQ
Q. 大統領令はいつ何を解禁?
A. 2025年8月7日署名。401(k)で暗号資産・PE・不動産等を可能にする方針で、DOLとSECに規則改正を指示。
Q. 対象規模は?
A. DC市場12.2兆ドル、401(k)8.7兆ドル、参加者は9,000万人超。潜在流入は1%で870~1,220億ドル。
Q. すぐ買える?
A. 直ちに全面解禁ではない。ルール整備後、まずSDBW等を通じ段階的導入が現実的。
Q. 初期の市場反応は?
A. BTCは約2%高の11.6~11.7万ドル、ETHは3,800ドル台へ。反応は限定的も方向は強含み。
Q. 主なリスク?
A. 高ボラ、手数料、評価・流動性、受託者責任・訴訟。導入側も参加者側も厳格な管理が必要。
■ ニュース解説
何が起きたか。 8月7日、米国は退職年金の投資対象を“私募・不動産・暗号資産”まで拡張する方針をEOで打ち出し、監督当局に制度整備を命じた。目的は投資選択の民主化であり、約9,000万人・12.2兆ドルの巨大市場に扉が開く。反面、手数料・評価・流動性・訴訟という古典的論点は厳然として残る。
投資家として。 実装初期は配分をミニマム(例1–3%)に抑え、積立・再均衡の規律と商品コスト上限(総経費率・成功報酬)を厳守。自己運用口座のリスク(手数料・発注エラー)も理解する。これは投資助言ではなく、一般的情報である。
(出典:Barron’s,The White HouseIC InstituteThe Guardian,The White House+1World Economic Forum,X (formerly Twitter)The Wall Street Journal)