▽要約
ビットコイン追加 :780BTCを9,250万ドルで取得し総保有17,132BTC
戦略の柱 :インフレヘッジ+株主価値最大化を掲げる「555ミリオン計画」
市場インパクト :株価は開始来約90倍、世界公開企業5位の保有量に浮上
リスク要因 :希薄化とBTC価格変動で業績ボラ急拡大
今後の目標 :2027年末21万BTC保有へ―流通量1%を狙う
メタプラネットは780BTCを追加取得し総保有を17,132BTCへ拡大。公式X発表と適時開示で確認され、同社の「BTC財務戦略」が次段階に入った。
投資家は「日本上場企業がなぜここまでBTCを買い続けるのか?」と疑問を抱くはずだ。本稿では取得詳細、戦略背景、市場評価、リスクを整理し、読後には同社株とBTC市場の相関を俯瞰できる。
取得概要
7月28日3時01分、公式Xで780BTC取得を公表し総保有は17,132BTC。平均単価118,622ドル、取得額約9,250万ドル。累計投資は17.3億ドルに達し通算コストは10.1万ドル/BTC。
資金調達の内訳
資金源は6月開始の「555ミリオン計画」に基づく新株予約権行使と社債償還資金の再振り向け。これにより発行株式は年初比+35%だがBTCイールド449.7%で希薄化を吸収。
保有量推移
2024年末1,762BTC→2025年6月末13,350BTC→7月末17,132BTC。3か月で+13,000BTC超と取得ペースが加速。
戦略的背景
「BTCを準備資産化」する長期方針が2024年4月に始動。インフレヘッジと企業価値向上が目的。
555ミリオン計画とは
最大7,700億円を調達し2027年末21万BTC保有を狙う大型増資。米子会社Metaplanet Treasury Corp.へ最大50億ドル投入し米市場で資金を吸収。
KPI「BTCイールド」
1株当たりBTC保有量増減率を示し年初来+449.7%を達成。株主価値の定量指標として採用。
市場・アナリスト評価
株価は戦略開始後約90倍。世界公開企業BTC保有ランキング5位に浮上し「日本版マイクロストラテジー」と称される。
リスク認識
BTC価格急落なら損失計上・株価下落、希薄化継続でEPS下押し。2025Q1には評価損74億円で経常赤字転落の実例。
規制動向
国内で追随企業は限定的。金融庁は現行会計基準に従う姿勢だが、大量暗号資産保有企業の増加に伴い開示ルール強化の可能性。
他社・国家との比較
保有量はMicroStrategy(約607,770BTC)の1/35だが、時価総額比では上回る。国家ではエルサルバドル政府の6,200BTCを超過。
今後の展望
短期目標3万BTC、2027年末21万BTC。調達余地と市場価格次第で達成可否が左右される。BTC高騰局面では資金調達コスト低減と含み益拡大が同時進行する可能性。
▽ FAQ
Q. 今回の取得額と単価は?
A. 約9,250万ドル、平均118,622ドル/BTCで780BTCを購入。
Q. 総保有量は何BTC?
A. 17,132BTCで公開企業世界5位。
Q. なぜビットコインを買い続ける?
A. インフレヘッジと株主価値最大化を狙う財務リザーブ戦略。
Q. 株価はどう動いた?
A. 戦略開始来で約90倍上昇も高ボラティリティ。
Q. 2027年の保有目標は?
A. 21万BTC(流通量の約1%)を掲げる。
■ ニュース解説
メタプラネットの追加取得は「BTCを準備資産に据える」という企業財務の新潮流を日本市場に定着させる試金石だ。取得額9,250万ドルは同社の資金調達力を映し、世界ランキングでも上位を固めた。一方で希薄化とBTC価格敏感度が高まるため、投資家は株式をBTC連動商品と割り切ってポートフォリオを組む姿勢が不可欠だ。
本記事は情報提供であり投資助言ではありません。投資判断は自己責任で行ってください。
(出典:Bitcoin Treasuries,業界紙インタビュー,決算短信)