ビットコインはNASDAQと本当に“決別”したのか?トランプ利下げ要請とWeb3投機化の現状を追う

【要約
・Arthur Hayes氏は、ビットコインがNASDAQとの相関を断ち切り、「法定通貨流動性の純粋な煙探知機」へ進化している可能性を示唆
・トランプ前大統領は連邦準備制度(FRB)のパウエル議長に対し「早急な利下げ」を要請し、金融政策への政治的圧力が高まる
・Web3は当初「去中心化」を志向していたが、結果的に大規模資本が主導する投機的市場へ変質しているとの指摘がある
・新たな「土地」とも呼ばれるブロックチェーン領域は拡大を続ける一方、複雑さやリスクから一般ユーザーの参入は依然限定的

Arthur Hayesが見据えるビットコインの“脱相関”と関税政策

著名な暗号資産取引所BitMEXの元CEOであるArthur Hayes氏は、2025年4月5日に自身のSNSで「ビットコインとNASDAQの相関がついに崩れつつあるのではないか」と言及しました。さらに、ビットコインホルダーは関税政策の動向を注視すべきだとし、「ビットコインこそが法定通貨の流動性を最も純粋に示す“煙探知機”になる可能性がある」と述べています。

ビットコインは長らく米国株式市場、特にハイテク企業が集まるNASDAQとの価格相関が指摘されてきました。金融緩和による資金の流入やリスクオン・リスクオフの動きが、株式と暗号資産市場の動向をある程度同期させていたのです。しかし、最近の世界的な金融・地政学リスクの高まりとともに、ビットコインが独自の値動きを見せ始めているとの分析があります。
さらに、Hayes氏の言及する「関税政策」への言及は、グローバルな貿易摩擦が激化する中、法定通貨への信認が揺らぐ可能性に言及していると考えられます。ビットコインは国境を超えて取引できるため、資本規制や通貨安リスクを回避する手段として再評価される局面もあり得るでしょう。こうした背景を踏まえ、ビットコインがNASDAQとは異なる相場の動きで存在感を示し始めている点は注目に値します。

トランプ前大統領の利下げ要請とFRBパウエル議長への政治的圧力

2025年4月4日の報道によると、米国のトランプ前大統領は連邦準備制度(FRB)のパウエル議長に対し「速やかな利下げ」の実施を強く求めました。トランプ氏は「今こそがベストな利下げタイミングであり、パウエル議長は常に動きが遅すぎる」と批判し、「政治的な駆け引きをやめるべきだ」と主張しています。

ビットコインや他の暗号資産は、金利の上下に影響を受けやすいと考えられてきました。一般に、市場金利が低いほどリスク資産への資金流入が促進されるため、株式やビットコインへの需要が高まる傾向があります。一方、利上げ局面では安全資産回帰が起こりやすく、暗号資産市場から資金が流出しやすいとされてきました。

しかし、Arthur Hayes氏が示唆するように、もしビットコインがNASDAQと本格的に乖離する動きを強めるのであれば、単なる“低金利=ビットコイン高”という図式だけでは説明がつかなくなる可能性があります。加えて、トランプ氏の利下げ要請は、FRBの独立性を損なう恐れを指摘する声も根強く、今後の金融政策にどの程度反映されるかは不透明です。政治的圧力と金融当局の舵取りが、ビットコインをはじめとする暗号資産のボラティリティを刺激する要因となるか注目が集まっています。

Web3が“投機の温床”と化した背景

Web3は、当初ブロックチェーン技術を基盤に「権力の集中化を排し、ユーザーが主権を持つインターネット空間」を理想として掲げてきました。ビットコインが象徴する「去中心化」の思想から始まり、イーサリアムやソラナ、ポルカドットなど新たなプロトコルが次々と登場し、多様なユースケースやプロジェクトが急拡大してきた経緯があります。

しかし、こうした“理想”の成長過程で、資本力のある投資家や巨大プラットフォーマーが続々と参入。いわゆる「ブロックチェーン上の土地」とも言われる“ブロックスペース”は、当初は希少性が高く、高額なトランザクション手数料を支払ってでも利用したい開発者やトレーダーが多く存在しました。ところが、レイヤー2ソリューションやサイドチェーンといった技術が普及するにつれ、ブロックスペースは量的拡大を遂げ、結果的に価値が希薄化しやすい状況も生まれています。

一方で、次々と誕生する新規トークンやNFT、DeFiプロトコルが「ハイリスク・ハイリターン」な投機先として注目を集め、巨大な資本が市場を支配する構図も見え隠れします。大手取引所やマーケットメイカーは、取引のフローを押さえることで手数料収入や相場操縦まがいの取引を行う余地を確保していると批判されることもあります。

「Web3は真の去中心化を目指す場所ではなく、大企業や大口投資家にとっての“新たな儲けの場”になったのではないか」という見方は、日増しに強まっています。とはいえ、依然としてWeb3の潜在力に期待を寄せる技術者やコミュニティも多く存在し、次世代の分散型アプリケーションやDAO(自律分散型組織)が社会基盤になると考える人々も少なくありません。

複雑さと投機リスクが招くユーザー参入のハードル

Web3への関心は高いものの、一般のWeb2ユーザーが大規模に移行するには至っていません。その背景には、ウォレットの管理や私钥(プライベートキー)の扱いなど、利用環境の複雑さが大きな壁として立ちはだかります。さらに、高い変動率やセキュリティリスク、詐欺まがいのプロジェクトが多発することも、慎重な姿勢を呼び起こす要因です。

特に新規参入者は「一夜にして資産を倍増できる」との宣伝に惹かれやすい反面、相場急落やハッキング、運営者による資金持ち逃げといったリスクに巻き込まれやすいという現実があります。こうした状況を見る限り、Web3空間はビットコインやイーサリアムなどの主要銘柄以外では“カジノ”のような投機色が強まりやすいのも事実といえます。

一方で、多くのプロジェクトがユーザー体験の向上やセキュリティ強化に取り組んでおり、今後の技術進歩次第ではWeb2ユーザーの大規模流入が起こる可能性は依然として残っています。Web3が本来目指した「脱中央集権」に近づけるのか、それとも資本家主導の“投機の楽園”として進んでいくのかは、今後の市場発展と規制整備に大きく左右されるでしょう。

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