▽ 要約
マーケット急落──24時間で3.8〜4.0億ドルの清算
ETH25倍──清算3,115ドル・名目約1億ドル
BTC40倍──50BTCで清算猶予は数%
HYPE/PUMP──個別悪材料で下落加速
8月中旬の下落で、Machi 含み損 1368万ドルが一気に顕在化したため、最大ポジションのETH(25倍)からミーム銘柄まで清算リスクを定量で点検し、急落要因と今後のトリガーを解説する。
ポジションの内訳:ETH・BTC・HYPE・PUMP
市場下落で主要ロングが同時に逆行したため、最大のETHを中心に含み損が拡大した。
— ETH(25倍):保有は約2.2万〜2.3万ETH規模、名目約9,800万〜1億ドル、清算価格は約3,115ドル。単体で1,100万ドル超の含み損を抱え、証拠金は数百万ドル規模。利確・ストップは4,242〜4,800ドル帯に再設定。
— BTC(40倍):約50BTCのロング。建玉は価格11.8万ドル時点で約590万ドル相当。急落局面では評価が急減し、清算水準は現値から数%下と推定される。
— HYPE:Hyperliquidのガバナンストークン。5〜10倍でロングし、入場は42〜46ドル帯。一時は50万〜90万HYPE規模まで拡大、直近は縮小も含み損が拡大。
— PUMP:5倍ロング。初期に3億PUMP超で参戦後、エアドロップ延期などで急落し先物・現物合計で約994万ドルを計上して一度手仕舞い、のち規模を縮小して再エントリー。
ETH(25倍・名目約1億ドル)
レバレッジが高く維持証拠金を厚く積む必要があるため、短期の4〜5%下落でも評価が急悪化した。
ETHは4,200ドル割れでロング勢の清算が増え、清算価格3,115ドルまでの下落余地は約25%だが、イベント次第で短期間に接近し得る。
BTC(40倍・50BTC)
倍率が極端に高いため、わずかな値幅でも証拠金維持率が枯渇しやすい。
11.3万ドル近辺までの下振れで評価が大幅に毀損し、清算リスクがにわかに高まった。
HYPE(5〜10倍)
50ドルの上値抵抗に跳ね返されたため、テクニカルに反落圧力が強まった。
再上昇には48〜50ドル帯の上抜けが必要で、失敗時は39ドル方向の押し目リスクが指摘される。
PUMP(5倍)
エアドロップ延期と供給流出の思惑で需給が悪化したため、再エントリー後も逆風が続いた。
初回の損失確定で規模は縮小したが、流動性低下局面では清算時のスリッページ拡大が懸念される。
含み損拡大の背景:市場・ニュース・マクロ
ジャクソンホール警戒で短期IVが上昇し、24時間で3.7〜4.0億ドル規模のロング清算が集中した。
8月19日前後にBTCは一時11.5万ドル割れ、ETHも4,200ドル割れでロング清算が連鎖。QCPなどの市況メモは「ロング主導の清算増」を指摘し、資金調達率の反落・短期IV上昇が確認された。
市場とコミュニティの反応
オンチェーン監視が即時に拡散したため、著名トレーダーの含み損が市場心理を冷やした。
LookonchainやOnchain LensがETH・BTC・HYPE・PUMPの合算含み損を速報し、James Wynnの25倍ETHロングの部分清算も相次いで共有、ハイレバ連鎖への警戒感が強まった。
Machi氏の来歴・影響力と今回の位置づけ
NFTクジラかつ大型ベットで相場の出来高とムードに与える影響が大きいため、損益情報がセンチメント指標化した。
過去にはETH・HYPEでの利益確定やNFT大量売買など話題も多く、ZachXBTとの法的応酬も経て、賛否を伴う存在感が続いている。
清算リスクと今後のシナリオ
ETHが3,000~3,115ドルに接近すれば名目約1億ドルのロングが連鎖清算の着火点となり得るため、イベント前後のガンマ変動に警戒が必要だ。
反対に、BTC・ETHが反発して4,300/11.8万ドルを回復すれば含み損は急速に縮小し、再び含み益圏に戻る公算もある。
▽ FAQ
Q. Machi氏の含み損は最大いくらか?
A. 2025年8月20日時点で最大1,368万ドル。ETH・BTC・HYPE・PUMPの合算。
Q. 最大ポジションのETHはどの水準で危ないか?
A. 清算価格は約3,115ドル。現行4,100ドル台から約25%下落で危険域。
Q. BTCロングはどの程度のレバレッジか?
A. 40倍で約50BTCの建玉。数%の下落で清算リスクが高まる。
Q. HYPEとPUMPの個別要因は?
A. HYPEは50ドルで反落し39ドル観測、PUMPはエアドロップ延期でICO割れ。
Q. 市場全体の清算額は?
A. 8月19〜20日にかけて24時間で約3.8〜4.0億ドル、うちロングが大半。
■ ニュース解説
8月19〜20日の市況悪化でロング清算が拡大したため、Machi氏の高倍率ロング(ETH25倍・BTC40倍等)に含み損1,368万ドルが発生し、テクニカル反落のHYPEやエアドロップ延期のPUMPも損失を広げた。
投資家の視点:イベント(ジャクソンホール)の前後はIV上昇と清算連鎖が起きやすいため、①証拠金余力の厚み、②ストップの事前設定、③銘柄分散と相関低減、④建玉の時間分散を徹底したい。特に25〜40倍の高倍率は小幅逆行でも致命傷になり得る。
※本稿は投資助言ではありません。
(参考:Lookonchain,Onchain Lens)