▽ 要約
UX向上:ブリッジ不要でHyperliquidに直接USDCを入出金
CCTP V2:クロスチェーン送金が1:1資本効率に
セキュリティ強化:ブリッジ攻撃面積を大幅圧縮
機関投資家参入:Circle Mint経由で法定通貨オンランプ拡充
市場影響:USDC流動性集中で取引板がさらに厚く
Hyperliquid ネイティブUSDCがいよいよ始動します。
「DEXなのにCEX並みの入出金体験は本当に実現するのか?」――その疑問に対し、本稿は結論として「ラップ不要で安全・低コスト」と断言します。この記事を読めば、仕組み・メリット・注意点が5分で把握でき、自分のウォレット資産をどう動かすべきか判断できるでしょう。
発表の要点
最短でまとめると、2025年7月下旬にHyperliquidはCircleとの正式提携を発表し、ネイティブUSDCとCCTP V2を近日ローンチすると告知した。これにより従来必須だったブリッジ版USDCのラッピング工程が消え、入金・出金が1トランザクションで完結する。
CircleとHyperliquid—役割分担
- Circleは規制準拠USDCを発行、HyperliquidはDEX基盤を提供。
- 具体的根拠:USDCは100 %現金同等物で裏付け、HyperliquidはUSDC建て証拠金DEXとして日間出来高20 億ドルを越える。
技術構造:ネイティブUSDC
- HyperEVM上に公式USDCコントラクトを導入し他チェーンUSDCと同等価値を保持。
- これまでArbitrum経由USDC.eやUSDTをUSDCとして扱った設計は、スマートコントラクト層が1段増えガス・リスクが残存。ネイティブ移行で当該レイヤーを削除。
CCTP V2の革新
- バーン&ミント方式+Hooksで安全かつ自動化されたクロスチェーン送金を実現。
- V1比で対応チェーンが拡大し、Hyperliquid→Ethereum→Base間を数分で転送可能。Hooksにより転送完了後にDeFi預入を自動実行するユースケースが想定される。
メリットまとめ
主な利点 | 概要 |
---|---|
信頼性 | 公式USDCでコンプライアンス強化 |
コスト | ラップ/ブリッジ手数料ゼロ、ガス一回分 |
セキュリティ | ブリッジ攻撃面積縮小 |
流動性 | USDC集中でスプレッド縮小 |
機関導線 | Circle Mint経由で銀行⇄DEXを直接接続 |
関連:ハイパーリキッド障害続発、API過負荷で取引30分停止
今後のロードマップ
- 2025 Q3:ネイティブUSDCコントラクト公開、UI切替開始
- Q3末:ブリッジUSDC→ネイティブ自動移行期間
- Q4:EURCなど他法定通貨建てステーブル検証
ユーザーへの実務的注意
- ネットワーク選択—CCTP対応ウォレットで「Ethereum→Hyperliquid」を必ず指定。
- 残高確認—UI上ラベルが「USDC.e」から「USDC」へ変わる可能性。
- 通知フォロー—公式DiscordとXアカウントで移行日程を随時確認。
▽ FAQ
Q. Hyperliquidチェーンで手数料はいくら?
A. ガスは平均0.05 USDC前後。ブリッジ/ラップ費用は原則不要。
Q. Circle Mintは個人も使えますか?
A. 現状は機関向け。規制動向次第で個人開放の可能性あり。
Q. CCTP V2は他トークンにも使えますか?
A. 現在はUSDC専用だが、将来USDTやEURC対応が議論中。
Q. 旧USDC.eは失効しますか?
A. 自動アップグレード予定だが、公式告知を必ず確認。
■ ニュース解説
HyperliquidのネイティブUSDC導入は、DEXのユーザビリティと機関投資家受け入れ体制を同時に底上げする大規模アップグレードだ。USDCの裏付け透明性は規制強化が進む2025年市場で大きな評価軸となっており、Circleとしても提携先を拡げネットワーク効果を狙う。短期的にはUSDC流動性のHyperliquid集中でスプレッド縮小と出来高増が期待され、中期的には他チェーンもネイティブステーブルへシフトしマルチチェーンUXが平滑化すると見込まれる。
投資家は (1) 移行スケジュールの確認、(2) USDC建て運用商品の利回り比較など二次リスクヘッジ を踏まえた資金配分を推奨する。
※本記事は情報提供であり投資助言ではありません。
(出典:Circleロードマップ,WuBlockchain統計,Cryptact解説)