▽ 要約
出来高 2025年7月は月間3,308億ドルでRobinhood超過。
収益 年換算約12億ドル、1人当たり約1.06億ドル。
買戻し 手数料の約97%がHYPE買戻しに充当。
基盤 独自L1+板方式で約20万注文/秒・瞬時確定。
Hyperliquid最新状況は「月間取引高で主要プラットフォーム級、年換算収益でもDeFi上位、手数料の買い戻し設計でトークンに強い還元」に収れんし、独自L1とCLOBによりCEX級の体験をオンチェーンで実現しているため、2025年8月時点の注目度は過去最高水準にある。
2025年7月の取引高と他社比較
7月はHyperliquidの合計取引高が3,308億ドルとなり、Robinhoodの2,378億ドルを約39%上回ったため、市場シェア拡大が鮮明になった。
7月のHyperliquidはパーペチュアルが月間3,190〜3,200億ドル規模、スポットを加えた合計が約3,308億ドル。Robinhoodは株式ノーション2,091億ドル、アプリの暗号資産168億ドル、Bitstamp119億ドルの計2,378億ドルで、差は約930億ドルに達した。オンチェーンデリバティブ市場ではHyperliquidの存在感が最大級に拡大している。
スポットの活況と日次の過去最高
7月には24時間スポット取引量が約34億ドルに達した日があり、スポットでも存在感を示したため、合計出来高の底上げに寄与した。
24時間ベースの急増は大口の現物ローテーションや新規上場に連動して発生し、CEXに匹敵する板厚と約定スピードが背景にある。HyperliquidはCLOBを完全オンチェーンで実装し、瞬時確定の最終性で大口約定を積み上げる構造を持つ。
年換算収益と「1人当たり収益」の異次元
手数料・収益推計では直近30日収益が約9.83億ドル、年換算で約11.99億ドルに達し、チーム11人報道を用いると1人当たり約1.06億ドルと世界最高水準になった。
直近30日で手数料は約10.57億ドル、収益は約9.83億ドル、日次の手数料は400万〜500万ドル台で推移する。外部比較でも「1人当たり収益(Revenue per Employee)」でHyperliquidが世界首位級との評価が広がり、Tetherの「1人当たり利益」約9,300万ドルを上回る事例として参照される(指標の定義差には留意)。
他社のRPEベンチマーク
NVIDIAのRPEは約360万ドル、Appleは約240万ドルの水準であるため、HyperliquidのRPEは桁違いとなる。
ハイテク大手は巨大な固定費と人的規模を抱える一方、HyperliquidはL1から取引所までを一気通貫で自動化・最適化しているため、超少人数で高い収益効率を実現できている。
匿名のBTC→ETHローテーションと手数料循環
8月下旬には匿名の巨鯨が約19,663BTC売り・約455,672ETH買いの回転を4日で実行したため、24時間出来高と日次手数料が急増し、HYPE買い戻し原資が膨らんだ。
この回転は、BTCをUnit(HyperUnit)経由でデポジットしuBTCを発行→uETHへ板で交換→再びUnitでETHチェーンへ引出す流れで完結する。KYC登録を前提としないウォレット間フローのため、発注主体はプロトコルに対して匿名性を保つ。日次手数料は400万〜500万ドル台に達し、30日ベースで月間1億ドル超、年換算で12億ドル級の水準が続く。
手数料の約97%がHYPE買い戻しへ
設計上、手数料の約97%が基金を通じ市場でHYPEを買い戻すため、出来高増加は即時にトークン需要へ波及する。
買い戻し配分は透明性をもって運用され、出来高の増加がトークン需給の押し上げ要因として直接的に作用する構造が確認できる。
CEX級の実行性能と市場シェア
HyperliquidはオンチェーンでCEX級の速度と流動性を提供し、DeFiパーペ市場で80%超のシェアを獲得する日もあるため、CEXからの大口移行の受け皿となっている。
独自L1(HyperCore/HyperEVM)上の完全オンチェーン板(CLOB)は約20万注文/秒、瞬時確定に対応し、ガスレスかつ低遅延での注文発行を可能にする。これにより大口のTWAP執行や低スリッページ約定が可能になり、オンチェーン先物の主戦場としての地位を固めている。
HLP(Hyperliquidity Provider)による板厚の安定化
HLPはプロトコル保有の流動性ボールトとしてMMと清算業務を担い、取引手数料の一部を受け取るため、板厚維持と低スリッページの両立に寄与する。
HLPはコミュニティ所有で、一般ユーザーのデポジットで戦略が稼働する。これにより、流動性がプロトコル側で恒常的に確保され、極端な市場局面でも板の薄さが緩和されやすい。
構造・トークン設計の要点
Hyperliquidは独自L1(HyperCore)とHyperEVMの二層で汎用実行環境を提供し、uBTC/uETHなどの対応資産がブリッジ経由でミントされるため、CEXを介さずに大口のチェーン間ローテーションが完結する。
トークン設計ではHYPE総供給10億枚、創世配布で31%をコミュニティにエアドロップ。手数料の大半が買い戻し原資となる設計が市場で広く共有され、ガバナンスやステーキングと合わせてプロトコル価値の取り込みを強めている。
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▽ FAQ
Q. 2025年7月のHyperliquid月間取引高は?
A. 合計約3,308億ドルで、Robinhoodの約2,378億ドル比+39.1%(2025-07)。
Q. 年換算収益と1人当たり収益は?
A. 年換算約11.99億ドル、チーム11人前提で約1.06億ドル/人(2025-08)。
Q. HYPE買い戻しへの手数料配分は?
A. 設計上約97%が基金経由で買い戻しに充当(2025年)。
Q. 匿名のローテーション例は?
A. 2025-08に約19,663BTC売り/約455,672ETH買いの回転が観測(4日間)。
Q. 技術的特徴の核心は?
A. 独自L1+板方式、約20万注文/秒、瞬時確定、ガスレス、HLPで板を補強。
■ ニュース解説
7月はHyperliquidの月間合計が3,308億ドルでRobinhoodの2,378億ドルを上回り、8月下旬の巨鯨ローテーションで日次手数料も急増したため、HYPE買い戻しの累積加速が確認された。
7月の対Robinhood差は約930億ドルに拡大し、DeFiパーペ市場での支配的地位が強まっているため、独自L1+CLOBのCEX級実行性能とHLPの流動性、手数料買い戻し設計が相乗し、CEXからの大口移行で出来高が増えHYPE需給に直接連動しやすい市場構造が形成されつつある。
投資家の視点: ① 指標は「出来高→手数料→買い戻し」に直結するため、30日移動のFees/Revenueを定点観測する、② 鯨の回転がスポット板に与える影響(スリッページやHLPの損益)を確認する、③ CEX規制や流動性の変化がオンチェーン移行に与える波及を注視する。
※本稿は投資助言ではありません。
(参考:DeFiLlama,Robinhood IR,Hyperliquid Docs)