【bitcoin.jp】堀田丸正、Bakkt筆頭株主化の全貌

▽ 要約

株価急騰:8/4終値53円→8/12高値441円で約8.3倍
株式異動:Bakktが約30%を1株99.41円で取得
商号変更:「bitcoin.jp」改称や定款変更を臨時総会で諮る
東証措置:8/12は値幅上限533円に拡大

「なぜ着物問屋の株が急騰したのか?」——答えは堀田丸正のBakkt筆頭株主化だ。RIZAP保有株の約30%(1株99.41円)の譲渡公表後、株価は8/4終値53円から8/12高値441円と急伸した。臨時総会では商号変更(bitcoin.jp)や定款改定、新取締役選任も視野に入る。本稿では一次開示と取引所公表を突き合わせ、事実関係・市場措置・今後の論点を一気読みできる形で解説する。

株価急騰の時系列と取引所の措置

発表翌営業日から連日のストップ高を経て値幅制限拡大に至ったため、短期的な需給ひっ迫が価格上昇を加速させた。
8/4終値は53円、8/5はS高83円、8/6は113円、8/7は163円、8/8は213円で、8/12には高値441円を付けた。年初来では4/7の安値35円から8/12高値441円で約12.6倍となり、「材料→需給」の教科書的な連鎖が観測できる。東京証券取引所は二日連続の比例配分等を受け、8/12の上限を533円へ拡大した(基準値213円)。

8/4〜8/12の日足と出来事の対応

終値の階段上げ(53→83→113→163→213円)により8/12の値幅上限拡大が適用され、短期の値動きレンジが広がった一方でボラティリティも急上昇した。
公開データの日足は、材料公表翌日からの連続S高→比例配分の典型パターンを示す。8/12の場中高値441円は8/4終値の約8.3倍で、YTDレンジ拡大を一気に牽引した。

出資スキームと支配関係の変化

市場外相対でRIZAP→Bakktへ16,864,650株を1株99.41円で譲渡し、Bakktが議決権ベースで約30%の筆頭株主、RIZAPは約27.26%へ低下した。
決済は8/5。会社側の開示には株数・単価・総額(約16.8億円)が明記され、取引は東証の立会外で実施された。併せて「親会社、その他の関係会社、主要株主の異動」が公表されており、筆頭株主がRIZAPからBakktへ交代する構図が確定した。

臨時株主総会で想定される議案

商号変更や事業目的の追加、発行可能株式総数の増加、新取締役選任を想定し、基準日は8/25とされた。
会社は8/6付で基準日設定を開示し、「新たな資本関係の下での機動的な資金調達」に備える旨を記した。改定後の定款には「デジタル資産(ビットコイン等)への投資」を含む目的追加が見込まれる。

「bitcoin.jp」構想と経営体制

Bakktは社名をbitcoin.jpへ改称する方針とドメイン取得を公表し、国際部門トップのPhillip Lord氏をCEOに充てる計画を示した。
同社は「多国籍ビットコイントレジャリー戦略」の起点として日本を位置づけ、MHT(堀田丸正)にビットコイン等の保有を組み込む財務モデルを掲げる。改称・人事は株主承認を前提とするが、一次開示で方向性は明瞭だ。

関連:Bakkt、堀田丸正30%取得し「bitcoin.jp」へ

企業概要と直近業績(足元の立ち位置)

伝統的な繊維卸で近年は赤字が続いていたため、新規事業の導入余地が大きい一方、財務の耐性も注視点となる。
会社概要では創業1861年、設立1933年、和装・宝飾・和装小物・婦人用品卸、意匠撚糸の製造卸など多角展開。2025年3月期の連結売上高は約31.0億円、経常損失約3.0億円、当期純損失約4.1億円。従業員は連結85名(期末)。成熟市場の中での構造的な収益性の弱さが課題だった。

RIZAPによる売却計画の紆余曲折

5月には第三者(合同会社エンヴィー)への売却計画が報じられたが、6月に開示事項の中止が公表され、最終的に8月のBakkt入りで着地した。
この経緯はRIZAPの資産ポートフォリオ再編の一環で、非中核資産の現金化と、外部パートナーによる事業転換の同時達成という文脈で理解できる。

市場評価と今後の論点(ビットコイン財務の是非)

材料は強烈だが、ボラティリティ・会計・ガバナンスの管理なくしては長期的な価値創出は難しい。
日本でもMetaPlanetやコンヴァノなど「ビットコイン財務」を打ち出す上場企業が増えつつある。Bakktは6月に最大10億ドルのシェルフ登録、7月に7,500万ドルの増資を完了し、デジタル資産取得方針を明示した。一方、価格変動に伴う評価差・減損、保管・内部統制、規制対応などの運用課題は重い。堀田丸正(bitcoin.jp予定)は臨時総会での承認と体制整備を経て、調達・取得・開示の規律を確立できるかが焦点となる。

▽ FAQ

Q. Bakktの取得条件は?
A. 1株99.41円で16,864,650株(約30%)を譲渡、総額約16.8億円。決済は2025年8月5日。

Q. 株価はどれだけ上がった?
A. 8/4終値53円→8/12高値441円で約8.3倍、年初来安値35円比で約12.6倍。

Q. 8/12の値幅制限は?
A. 東証は基準値213円に対し上限533円へ一時拡大(下限は通常どおり)。

Q. いつ社名変更される?
A. 株主承認後。8/6開示で臨時総会の基準日を8/25に設定し、商号変更案の上程を検討中。

Q. Bakkt側の狙いは?
A. 日本を起点に「多国籍ビットコイントレジャリー戦略」を進め、MHTをモデルケース化すること。

■ ニュース解説

開示(株式譲渡・親会社異動)と取引所の値幅拡大が同時進行したため、短期の需給主導で価格が急伸した一方、臨時総会の可決次第で事業軸が正式に転換する。
投資家の視点:一次資料で条件・スケジュール・議案を確認し、①承認可否、②資本政策(希薄化や調達手段)、③ビットコイン保有・会計方針、④内部統制・人事の四点を継続モニター。

※本稿は投資助言ではありません。

(参考:堀田丸正