Gemini XRPクレジットカードの全貌と要点

▽ 要約

発表 米向け「XRP版」クレジットカード、即時XRP還元
還元率 4/3/2/1%+提携店で最大10%
手数料 年会費$0・海外手数料$0・交換$0
将来像 RLUSD基軸化とMiCA・IPOで展開加速

日常決済でXRPを貯めたい——このニーズに対し、GeminiはWebBank発行のMastercard「XRP Edition」を投入し、即時XRP還元と手数料ゼロ水準で差別化したため、XRPコミュニティの実需拡大が見込まれる。Gemini XRPクレジットカードを一読で理解できる構成とし、他社比較・申請手順・将来展望まで要点を解説する。

発表のポイント(対象・狙い・設計)

XRP特化の限定デザインを採用し、日常支出をXRP獲得機会へ転換する狙いで、米居住者向けに即時XRP還元とWorld Elite特典を組み合わせた。
カードはMastercardネットワークで世界中の加盟店で利用可能で、ガソリン・EV充電・ライドシェア4%、外食3%、食料品2%、その他1%のXRPが自動付与される。提携店では最大10%のプロモーションが用意され、物理カード番号は券面非表示でアプリ管理の“ナンバーレス”仕様だ。RLUSDは米国ユーザー向け全スポットペアの基軸通貨として選択可能になり、入出庫や交換の導線が簡素化された。

報酬と特典

4%カテゴリは月$300まで適用されるため、通勤・移動や週末の外出に集中させると効率的になり、提携店の期間オファー活用で実質還元をさらに引き上げられる。
報酬は決済直後にGemini口座へ反映され、XRPのほかBTC・ETHなど50種超から自由に選択・切替できる。World Elite経由でPeacock PremiumやLyft等の割引も受けられ、旅行・サブスクの実利用価値が高い。

手数料・設計

年会費$0・海外利用手数料$0・報酬交換手数料$0のため、海外出張・旅行でもコストを抑えやすい。
メタル製カード(黒・銀・ローズゴールド)はリサイクル材比率が高く、券面に番号を印字しない設計で不正リスクを抑制し、番号はアプリで随時確認する。

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対象地域・通貨とRLUSDの位置づけ

米国居住者(50州+プエルトリコ)が申請対象で、決済・請求はUSD建て、報酬はUSD換算で付与される。
RLUSDは米国ユーザー向けに全スポットの基軸通貨化が進み、XRPや他資産へのワンステップ交換を可能にするため、手数料・価格スリッページの低減が期待できる。

ユーザーのメリットと留意点

高還元(最大4%)と手数料ゼロ設計、即時付与の利便性により、レバレッジを用いずに日々の支出を“積立”へ変換できる。
一方で報酬は暗号資産建てのため、XRP価格下落時には受取価値が毀損しうる。米国内居住・信用審査などの要件もあり、日本在住者には利用機会が限定的となる。

他社カードとの比較(位置づけの違い)

Geminiは年会費$0と即時還元を武器にXRPコミュニティへ特化し、Crypto.comやCoinbaseと差別化する。
Crypto.comはVisa系でCROステーク量に応じ上限が高く(最大8%等の高還元やレベルアップ施策)、一方のCoinbase One CardはAmExネットワークで最大4%のBTC還元を予告しており、有料会員向けの“資産残高連動”型を採用する。Geminiは加入プラン不要・即時付与でシンプルさを優先した設計だ。

申請・KYCと利用開始まで

事前審査はソフトプルで提示され、本申込で信用審査を経て承認後5〜7営業日でカードが到着する。
本人確認(政府ID等)と口座開設が前提で、支払い元は連携した米国の銀行口座(USD)。バーチャルカードは即時利用でき、物理カード到着後はアプリからアクティベーションする。

ネットの反応と今後の展望

コミュニティからは「日常でXRPが貯まる」点が歓迎され、国内外メディアは“投資から決済へ”のシフトを評価しつつ価格変動リスクに言及した。
Geminiは米国でIPO申請を進め、EUではMiCAライセンスを取得し、RLUSDの基軸化と合わせて欧米での事業拡大を図る。一方でXRPLはabrdnのMMFトークン化やSG‑ForgeのEURCV展開、ブラジルVERT・GuggenheimのRWA案件など導入事例が増え、XRP実需の裾野が広がっている。

▽ FAQ

Q. 何が発表された?
A. 2025年8月25日、GeminiがRippleと提携し米国向けXRP版クレジットカードを公表、WebBank発行のMastercardで即時XRP還元。

Q. 還元率と上限は?
A. ガソリン等4%、外食3%、食料品2%、その他1%。4%枠は月$300まで、それ以降は1%。提携店は最大10%還元。

Q. どこで使えて、対象は誰?
A. Mastercard加盟店で世界中利用可。申請は米国居住者(50州+PR)が対象で、請求はUSD建て。

Q. 手数料は?
A. 年会費$0・海外手数料$0・報酬交換$0。World Elite特典でPeacockやLyft等の割引や保護が付帯。

Q. 報酬通貨は固定?
A. XRP以外にBTC・ETHなどGemini上の50種超から選択可能で、アプリでいつでも切替できる。

■ ニュース解説

GeminiがXRP特化カードとRLUSD基軸化を同時に打ち出したため、米国における“使う暗号資産”の導線が整い、一方で価格変動という本質的リスクは利用者側の管理課題として残る。
投資家の視点:実需拡大はネットワーク価値の追い風だが、報酬の暗号資産建てはボラティリティの影響を直に受ける。短期は還元の実効価値管理と売却・積立ルールの事前設計、中期はRLUSDやXRPLの採用深化の継続性をトラッキング。IPO・MiCA対応など発行体側の資本・規制動向も合わせて確認したい。

※本稿は投資助言ではありません。

(参考:Gemini,WebBank