▽ 要約
オンチェーンで上場直後に大口売却と送金が観測
運営は「売っていない」主張、MMによる流動性供給
251倍のFiNANCiE発行からJupiter上場へ移行
過去の類似事例を踏まえ透明性と説明責任が焦点
ガチホトークン 運営売り疑惑をめぐり、上場直後の資金移動と運営説明の齟齬が論点化したため、一次情報に基づき経緯・規模・座組を検証し、マーケットメイクとの境界を中立に解説する。
発行経緯とJupiter上場の座組
FiNANCiEで2024年10月にCTとして始動し、2025年8月にSolanaでJupiterへ上場したため、国内コミュニティトークンからグローバル流通のミームコインへ転換した。
FiNANCiE発の「ガチホトークン」はCTとして最大251倍を記録し、Jupiter連携の座組ではMeteoraが流動性面で組み込まれた。
JupiterはMoonshot(発行)とMeteora(流動性)を抱えるエコシステムで、Meteora側はローンチ向けにアンチボット機構(Alpha Vault等)を提供しているため、初動のスナイプ対策も想定線上にある。
FiNANCiE発行(2024年10月)と価格推移
FiNANCiE上のCTとして発行され最大251倍まで上昇したため、コミュニティ主導の初期熱量が確認できる。
CTは日本居住者向けの限定流通で、暗号資産ではなくFiNANCiE内トークンとして扱われ、価格変動はアプリ内の需給と市場告知の影響を強く受けた。
Solana移行とMeteora活用
2025年8月のJupiter上場でMeteoraを用いた流動性供給が実施されたため、オンチェーンでの板厚確保と価格発見を同時に進めた。
MeteoraはDLMMやLaunch Poolにアンチスナイプ手段(Alpha Vault)を備えるが、その具体的な設定はプロジェクトごとに異なり、当該案件でも仕様の公開度が透明性に直結する。
「運営売り」疑惑の論点とオンチェーン観測
上場直後に特定アドレスから約8.25万ドルの売却と約9.12万ドルの外部送金が観測されたため、初動の売り圧力の一因と受け止められた。
Solanaエクスプローラー参照のコミュニティ分析では、当該アドレスはTGE前の受領と上場直後の大量移転履歴を持つと指摘され、売却はMeteora経由のMM関連とみられる動作が混在していた可能性がある。
運営側の説明と市場の受け止め
運営は「運営売りは一切ない」「問題視のウォレットは管理外」と回答したため、意図的な売り抜けを否定した。
一方、投資家側は「マーケットメイク由来でも結果として需給を緩ませたのではないか」と見なし、定義と体験のズレが不信の核となった。
価格・流動性の足取り
上場後に下落を挟んだが、8月17日時点で底値から+32%の戻りとされ、流動性は約3,000万円との発言が確認されたため、初期の需給調整後は一定の安定化が進んだ。
ただし短期の回復は恒常化を保証しないため、流動性の出所と維持方針の透明化が評価の鍵となる。
過去の類似事例と差異
「キャプテン翼 -RIVALS-」では2023年初頭、ユーティリティトークンTSUBASAUTが事前告知なくDEX上場後に合計164回・3,000万円超の売却が報告され、不具合(バグ)と説明された。
本件は設計上の価格調整や不具合対応が絡んだ特殊例だが、「上場直後の運営起因の売り圧力」という構図が想起され、今回の受け止めを厳しくしている。
今回との比較観点
今回、運営は売却そのものを否定し、流動性供給の範囲とする説明に立ったため、意図と結果のギャップが焦点となる。
透明性の確保には、MM委託先・対象アドレス・売買パラメータ・手数料や収益の帰属先まで、開示の粒度が重要である。
投資家が確認すべき透明性の要件
上場設計書(どのAMM・どのVaultをどう設定したか)、ロック/ベスティング、委託先の署名アドレス、LP手数料や収益配分、売買ルール(上限/下限/レートリミッター)を公開すれば、MMと自己売却の境界は可視化される。
対話の機会(AMA・ポストモーテム)とダッシュボード(保有者分布・LP残高・トレジャリー移動)を揃えることで、疑念は大幅に低減する。
▽ FAQ
Q. ガチホトークン($GCHO)の発行経緯は?
A. 2024年10月FiNANCiEでCT発行、2025年8月SolanaでJupiter上場、流動性はMeteora活用と説明されています(日時は公表情報ベース)。
Q. 運営売り疑惑の根拠は?
A. 上場直後に約8.25万ドル売却と約9.12万ドル送金が観測され、Solscan参照のコミュニティ分析がXで共有されました。
Q. 運営の公式見解は?
A. 「運営売りは一切ない」「問題視のウォレットは非管理」と回答し、上場時のトークン供給はMM目的としています。
Q. 市況データはどう推移?
A. 8月17日時点の発言で底値から+32%回復、流動性約3,000万円と示され、短期の需給は落ち着きつつあります。
Q. 過去の類似ケースは?
A. 「キャプテン翼-RIVALS-」でTSUBASAUT上場直後に計164回・3,000万円超の売却が報告され、後に不具合と説明されました。
■ ニュース解説
上場直後に特定アドレスから大口売却と送金が観測されたため市場に下押し圧力が生じた一方で、運営は売却否定とMM目的の供給を強調した。
投資家の視点:設計・アドレス・収益帰属の開示と定期的なAMAで情報非対称を縮小し、板厚・ロック・ベスティングの継続監視を行うのが一般的。
※本稿は投資助言ではありません。
(参考:PR TIMES,note(イケハヤ),Meteora Docs,X(MOLYA),X(國光宏尚))