▽ 要約
政策 … FRB QT終了と0.25pt利下げ、12月の追加利下げは「ほど遠い」と議長示唆
市況 … ダウ一時-200→小反落、ナスダックはNVDA$5T到達で高値維持
暗号資産 … QT停止でドル流動性の重石が外れやすい一方、実質金利上昇で短期は不安定
企業 … 元FTX USトップが株式等のパーペチュアル上場構想、Bermuda規制下で準備
市況総括
FOMCは0.25pt利下げとQT(資産縮小)の12-01停止を決定したため、短期のドル流動性観測は緩む一方で、12月の追加利下げは「既定路線ではない」との示唆でリスク選好は揺れた。
米株はダウが小反落(場中一時-200)、S&P500横ばい、ナスダックはNVDA$5Tで高値維持となった。
レンジ・需給の見方
QT停止は準備預金の目減りと資金調達コスト上振れを抑えるため、ドル資金のタイト化圧力が和らぐ一方で、会見直後は長期金利が切り返したため、金利感応度の高い資産を中心に短期ノイズが残る。
規制・政策アップデート
FOMCは政策金利を3.75%—4.00%へ引下げ、2025-12-01から保有債券の元本全額再投資でバランスシート縮小を停止するとした。
パウエル議長は「特定の資産価格の是非ではなく金融システム全体の耐久性を見る」とし、12月の追加利下げは『ほど遠い』と明確化した。
企業・資金調達・プロジェクト動向
元FTX US社長のBrett Harrison氏が、Bermuda規制下でArchitect Financial Technologies(AX)を通じ、株式・指数・コモディティ・為替等のパーペチュアル(無期限先物)上場を計画。
クリプト由来のプロダクトがトラディショナル資産へ拡張する動きとして注目される。
Nvidiaと巨大化するAIテーマ
Nvidia(NVDA)が時価総額$5Tを突破し、AI関連の需給牽引が続く。主要行合算を上回るとの比較も拡散し、指数寄与度の集中が一段と高まった。
イベント
トランプ大統領は習近平国家主席との関係について「非常に満足のいく成果」に言及。米中対話の温度感改善は、関税・輸出規制・サプライチェーンの思惑を通じて半導体・大型テックのボラティリティ要因となる。
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▽ FAQ
Q. FRBはいつQT(資産縮小)を終了する?
A. 2025-12-01に再投資へ切替。準備預金の確保と流動性維持を優先すると説明。
Q. 今回の利下げ幅とレンジは?
A. 0.25ptで3.75%〜4.00%。9月に続く連続利下げで、雇用と物価の両にらみ。
Q. 12月の追加利下げは?
A. 議長は「既定路線でない」と発言。政府閉鎖で重要指標の欠測も背景。
Q. 株式市場の反応は?
A. ダウ-74(場中-200)、S&P500横ばい、ナスダックはNVDA$5Tで上昇基調。
Q. クリプト市場への含意は?
A. QT停止はドル流動性面で追い風だが、実質金利・ドル指数の反応を要確認。
■ ニュース解説
QT終了でドル資金の逼迫懸念が和らぐため、流動性観測は緩む一方で、パウエル発言により12月の利下げ前提が後退したため、金利と株の一時的な逆風が生じた。
投資家の視点:ドル実質金利・長期金利・DXYの方向とマネーマーケット残高に注目しつつ、QT停止→国債需給の変化→リスク資産のフロー連鎖を段階的に検証する。
※本稿は一般的な情報提供であり、投資助言ではありません。
(参考:Federal Reserve)





