ETH、円建て史上最高値圏へ 4100ドル攻防が焦点

▽ 要約

ブレイクアウト:ETH一時4,214.96ドルで「4100」が鍵。
ETF
:8/8に米ETH現物ETFへ純流入4.61億ドル。
ショート:1時間の清算1.39億ドル、ETHが1.14億。
クジラ:9年・8年保有の売却で節目の供給が増勢。

円建てETHは年初来高値を更新し過去最高値目前へ接近しました。米ETH現物ETFの大口流入とデリバティブ清算の加速が上昇圧力を強め、4100ドルを明確に突破すれば短期で加速が想定されます。一方で高値帯では歴史的保有の利確売りも厚く、上下ともに振れ幅が拡大しやすい局面です。

4100ドルの壁と短期シナリオ

4000ドル台を回復したため、4100ドル突破でショート解消が連鎖し、4400〜4500ドルの一段高が想定される一方、到達前後は往来相場になりやすい。
直近では複数取引所で4200ドル台を一時回復し、抵抗帯上抜けの初動を示唆。オプションのガンマ構造も上振れ圧力を補強しうる状況です。

清算連鎖の現況

1時間で総額1.39億ドルの清算が発生し、うちETHが1.14億ドルとショート偏重になりました。
流動性が薄くなりやすい時間帯の清算増はブレイク時の“燃料”となり、4100ドル突破局面では買い戻しと追随買いが重なる構図です。

市場センチメントの転換

著名トレーダーの強気転換が観測され、直近の売りからの“買い戻し”示唆も報じられました。
SNS上の機関・個人の強気言説がモメンタムを刺激しやすく、短期は「4100突破=加速」の見立てが優勢です。

円建て動向の位置づけ

円建ては21年11月の過去高値(約70.6万円)へ接近。為替の円安バイアスがドル建て以上に上値圧力を強め、史上高値更新のハードルを相対的に引き下げています。

関連:ETH現物ETFに資金流入続く

資金フロー:米ETH現物ETFの寄与

8/8は純流入4.61億ドル。銘柄別ではETHAに約2.55億ドル、FETHに約1.32億ドルが入り、現物需要の強さを裏づけました。
ETFの総資産は約233億ドル規模へ拡大し、ETH時価総額比の保有比率は概算で4.7%前後。4日連続の純流入で、先週の大幅流出からのV字回復が鮮明です。

需給の質と持続可能性

ETF資金は押し目での“受け皿”として機能しやすく、需給の厚みを形成します。
もっとも、連日の大口流入は息切れしやすい面もあり、短期のトレンド判定には翌営業日のフロー継続確認が重要です。

オンチェーンと大口:売りと買いの綱引き

2016年に約7.7ドルで取得した“遠古クジラ”が4,141ドル付近で4,723 ETHを売却。8年保有アドレスも4,079ドルで3,280 ETHを手仕舞いし、節目の供給が増えました。
対照的に、新規参加者やモメンタム勢の増加が報告され、既存保有者の再参入も進み、短期の需給は下支えされています。

モメンタム層の増加

「初回買い手」と「モメンタム買い」の双方が増勢に転じ、出来高の伴った戻りと整合的です。
短期の持続性はフローとボラのバランス次第で、4100ドルの上抜け可否が最大のテスターになります。

▽ FAQ

Q. ETHが4100ドルを超えた後の到達余地は?
A. 市場見立てでは「4400〜4500ドル」までの短期急伸シナリオが有力視されています。

Q. 8月8日のETH現物ETFの明細は?
A. 純流入は4.61億ドルで、ETHAとFETHに大口資金が入りました。

Q. 直近の清算統計で最大はどれか?
A. 1時間で1.39億ドル規模の清算が発生し、ETHは1.14億ドルでショート偏重でした。

Q. 円建ては史上最高値更新か?
A. 現時点では「目前」。21年11月の約70.6万円が次の判断ラインです。

■ ニュース解説

価格が4200ドル台に触れて清算が増加したため短期モメンタムが強化された一方、8/8のETF大口流入で現物需要が補強され、歴史的保有の利確売りが節目の供給を厚くしています。
投資家の視点:短期は「4100ドルの攻防」と「ETFフロー継続」を重視。上抜け時は追随より押し目を吟味し、未達時は清算増に備え証拠金とポジションサイズを事前調整。円建てでは為替要因も併せて管理してください。

※本稿は投資助言ではありません。

(参考:PANews,Farside Investors,Ash Crypto