▽ 要約
市況：ETF資金フローは週次で20億ドル流出、恐怖指数9
規制：日本20%課税案、105銘柄を金融商品に再分類へ
企業：DappRadar終了、StrategyのBTC追加取得、エルサルバドル買い増し
イベント：FSOL上場、SGXがBTC/ETHパーペ発表
ETF資金フローの流出拡大とセンチメント悪化が続くため、FSOL上場やSGXの新商品でも上値の重さは残る見通しです。
市況総括
ETF資金の週次流出が20億ドルと年初来級に膨らみ、恐怖&強欲指数が9まで低下したため、短期の下落圧力とボラ拡大が続いた。
ここ1週間で暗号資産ETPは累計30億ドル超の流出となり、AUMは10月初の2,640億ドルから1,910億ドルへ27%減少した。米国が流出の97%を占める一方、ドイツは逆張りの資金流入で対照的だった。センチメントでは指数が2020-03以来の極端な恐怖域（個人心理の capitulation 局面）に入り、派生市場では清算加速が観測された。
レンジ・需給の見方
需給は売り優勢へ傾き、スポットは87,000/79,000/74,000ドルの支持帯が意識されるため、一段安なら逢高売りの戻り待ちが増える。
足元は長期保有者の利益確定と短期損切りが同時進行し、取引所フローは流出超から流入超へ転換、受け手不在の弱気地合いが続く構図だ。
規制・政策アップデート
日本は暗号資産を金融商品として再分類し、105銘柄を一律20%課税の対象にする案が報じられ、2026年通常国会での法整備が視野に入った。
制度面はインサイダー規制や開示強化も含む方向で、投資家保護と市場の制度化が同時に進む可能性がある。税率フラット化は国内投資家の還流や価格発見の国内回帰を後押しし得るが、政省令設計と対象銘柄の線引きが鍵となる。
企業・資金調達・プロジェクト動向
DappRadarが7年の運営に幕を下ろすと発表したため、GameFi/NFTデータ需要の冷え込みと収益モデルトランジションの難しさが露呈した。
Strategy（旧MicroStrategy）は11-10〜11-16に8,178 BTC（約8.36億ドル）を追加取得し、蓄積戦略を継続した。一方、エルサルバドルも約1,090 BTCを買い増した。
Uniswap（UNIfication）
Uniswapは手数料スイッチの有効化と1億UNI焼却を含むUNIfication案を提示したため、プロトコル価値の還元設計が前進した。
Ethereum（Kohaku）
Vitalik ButerinがDevconでプライバシー指向の枠組み「Kohaku」を公開したため、ウォレット実装での選択的秘匿やコンプライアンス対応の両立が進む見込みだ。
イベント
FidelityのSolana ETF「FSOL」は2025-11-18に上場し、経費率0.25%で始動するため、SOL系ETFの競争が加速する。
SGXデリバティブはBTC/ETHのパーペチュアル先物を2025-11-24に上場予定で、指数はiEdge CoinDeskを参照する。
先物清算ではHyperliquidのBTC-USDで9,651万ドルの最大清算が発生し、24時間の全市場清算は約8.14億ドルに達した。
▽ FAQ
Q. 今週のETFフローは？
A. 2025-11-17時点の週次で暗号資産ETPは20億ドル流出、米国が97%を占め、BTC▲13.8億/ETH▲6.89億ドルでした。
Q. FSOL（Fidelity Solana ETF）の条件は？
A. 2025-11-18上場、経費率0.25%でFidelity Solana Reference Indexを追跡、ステーキング収益を含みます。
Q. 日本の20%課税は決定？
A. 2026年国会提出を目指す提案段階で、105銘柄の金融商品再分類と分離課税20%が報じられています。
Q. SGXの新商品は誰向け？
A. 2025-11-24にBTC/ETHパーペ上場、機関・適格投資家向けで、iEdge CoinDesk指数を参照します。
Q. 直近の清算動向は？
A. Hyperliquidで最大9,651万ドルの単一清算、全体では24時間で約8.14億ドル清算と伝えられています。
■ ニュース解説
ETF資金流出が続き恐怖指数が極端域へ落ち込んだため、短期は戻り売り圧力が残る一方で、制度面の前進（日本の20%案、SGX上場、FSOL登場）が中期の受け皿になり得る。
投資家の視点：裁量の短期ヘッジやポジション軽量化で変動域に耐える一方、現物積立はスケジュール分散（DCA）を原則に、政策・流動性イベント（税制の立法化、先物上場の定着、ETFフロー転換）をトリガーとして配分を再評価。
※本稿は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。
（参考：CoinShares）
