▽ 要約
ETF流入5.24億ドル、ETHは1.07億ドル流出
OKXが6銘柄の現物ペア廃止を発表
VisaがUSDC送金パイロットを米国開始
MSTRがmNAV割れ、DAT評価の修正続く
ETF資金フローが買い直しを示す一方で上場廃止・規制・企業ニュースが交錯し、短期の不安定さと中期の資金循環が同居した。
投資家が知りたいのは「下押しの中で資金はどこへ流れたか」だ。11-13はETF資金フローがBTCに+5.24億ドルと買い直しを示す一方、ETHは-1.07億ドルの流出で選別が進んだ。取引所ではOKXが6銘柄の現物ペア廃止、決済はVisaのUSDC送金パイロットが始動、企業ではMSTR(Strategy)がmNAV割れ、国内ではCoincheckのFPL IEOが急落・サーキットブレーカー発動。短期のボラは続くが、資金の受け皿・規制整備・事業基盤の勝者が浮き彫りになった。
市況総括
ETFの資金回帰が鮮明なため、BTCはフロー主導で下支えされる一方、ETHは資金流出で相対劣位が続いた。
11-11の米現物BTC ETFは+5.24億ドル入(IBIT+2.24億ドルなど)、対照的にETHは-1.07億ドルの流出で、センチメントはビットコイン優位に傾いた。Morgan Stanleyはサイクル「秋」入りで利益確定を助言しつつも、需給はETFとDATの吸収力次第だと指摘される。
レンジ・需給の見方
ETFの流入再開とDAT買い鈍化が交錯したため、上値は限定も下値はフローで支えられやすい。
Coin Metricsは長期保有の利確と機関投資の吸収で回転が緩やかと分析、ボラは45–50%へ低下。DAT株のプレミアム縮小やmNAV割れの増加も、現物への直接フローを促しやすい。
規制・政策アップデート
送金インフラは実装段階のため、法定通貨とステーブルコインのハイブリッドが進む。
Visaは米国内でUSDC等のステーブルコイン即時ペイアウトのパイロットを開始。BoEは規制の弱さがもたらすリスクを改めて指摘、FRBは12月利下げ巡り見解が分かれるなど政策は不確実性を残す。
企業・資金調達・プロジェクト動向
事業・プロダクトの実需系は前進する一方、銘柄整理と評価修正が並行して進んだ。
OKXの上場廃止
流動性とリスク管理を優先するため、OKXはBAL/LOOKS等6銘柄の現物ペアを段階的に廃止する。
USDⓈ対は11-19、USDT対は11-22に廃止予定(各UTC 8:00–10:00)。取扱資産の見直しで板の効率化を狙う。
Coinbase / ALLO
新規トークンの上場は需給の初動が荒くなるため、開始時刻・流動性条件の確認が重要だ。
CoinbaseはALLO-USDの開始を11-12へ順延し、流動性条件を満たせば順次オープンと告知。
Lighter(デリバティブDEX)
成長領域の周辺で大型調達が続くため、TVL拡大とマージン需要の獲得競争が加速している。
Founders Fundら主導で$68M調達、評価額約$1.5B、TVLは$1.17B規模に到達。
Astar Phase 2
トークノミクス3.0で供給上限10.5B・Burndrop導入のため、供給規律の明確化とエコシステム連携が進む。
DAT・M&A・その他
DAT(企業型暗号資産財務)の評価はレバレッジとmNAVで揺れたため、株式調達の妙味が低下している。
MSTR(Strategy)はmNAV割れに到達、プレミアム縮小局面で“ショートMSTR・ロングBTC”戦略が奏功した事例も共有された。業界M&Aは年内143件と活発で、統合でサービス幅とライセンス取得を加速。
国内:CoincheckのFPL IEO
個人フローのボラが高いため、上場直後はサーキットブレーカーや板寄せのルール理解が不可欠だ。
FPLは初値形成後に0.401円まで急落し下落方向のサーキットブレーカー発動、公募1.0円を大幅割れ。
マイニング:Bitdeer
オペリスク顕在化のため、設備稼働・保険・復旧コストを伴う供給側ショックに注意が必要だ。
米オハイオ新設サイトで火災、26棟中2棟倒壊・負傷者なし、鎮火・調査中。
イベント
価格は短期に荒いが、フローと需給の再編が中期の“勝ち筋”を選別するため、ニュースの分解と時系列把握が要点となる。
ETHは一時$3,400割れ、BTCは$100k近辺の攻防。イベント主導のボラ局面で、現物フロー・上場廃止・新規上場・設備事故が同時多発した。
▽ FAQ
Q. 11-13のETFフローは?
A. BTC現物ETFは+5.24億ドル流入、ETHは-1.07億ドル流出。IBITが+2.24億ドルで主導。
Q. OKXの上場廃止はいつ何を?
A. BAL/PERP/FLM/DEP/NC/LOOKSのUSDⓈ対は11-19、USDT対は11-22廃止。
Q. Visaのパイロットは誰向けで何通貨?
A. 米国内の企業・プラットフォームがUSDC等でウォレットへ即時ペイアウト可能。
Q. MSTR(Strategy)の異常値とは?
A. 時価総額$65.36Bに対しBTC保有額$65.49BでmNAV<1、割安圧力が顕在化。
Q. CoincheckのFPLで何が起きた?
A. 11-11上場直後0.401円まで急落、下落方向のサーキットブレーカー発動。
■ ニュース解説
ETF流入がBTCへ傾きETHから流出したため、短期は“BTCディフェンシブ・ETH相対軟化”、一方で取引所の上場廃止・新規上場や決済インフラの前進が中期の資金循環を補強する。
投資家の視点:指値・板寄せ・SCB等の市場ルールを前提に、①ETFフロー(銘柄間シェア)②取引所の上場整理③決済・規制の実装度④DATのmNAV推移を定点観測したうえで、時間分散とリスク限度額を徹底。
※本稿は一般的な情報提供であり投資助言ではありません。
(参考:Visa,OKX,Coinbase Markets)





