▽ 要約
市況:ETH現物ETFは11-10流入ゼロ、SOLは+$6.78M
企業:Coinbase×BVNKの約$2B買収交渉が不成立
技術:Fusaka直前、PeerDAS等の実装論点を整理
政策:IRSのETPステーキング容認報道とブラジル規制
ETFフローの対照(ETH鈍化・SOL流入)とFusaka接近、Coinbase周辺ニュースやDeFiリスク顕在化を俯瞰し、投資家の確認ポイントを簡潔に解説する。
市況総括
先週の急落を受け資金は選別化したため、11-10は米ETH現物ETFがゼロ流入となる一方でSOL現物ETFは+$6.78Mの純流入が継続した。 主要現物ETFの乏しいフローが続く一方、テーマ偏重の循環色も強まっており、AIやプライバシー銘柄に短期の物色が波及しやすい地合いとなった。
レンジ・需給の見方
短期は$104k近辺の攻防が続くため、需給はETFフローと先物清算動向に連動しやすい。 調整局面では現物優位の回復シナリオが有効で、機関フローとアルトETFの分断がボラティリティを助長している。
規制・政策アップデート
米国では、暗号資産ETPのステーキングを一定条件で容認する税務ガイダンスが報じられたため、PoS資産の機関導入設計に再検討の余地が生じた。 ブラジル中銀はVASPに対し承認・AML準拠を求める枠組みを発表し、新興市場でもルール形成が進んだ。
企業・資金調達・プロジェクト動向
資本市場が不安定なため、取引所・発行プラットフォームは選別志向を強めた一方、マイナーは負債調達で電力・HPC投資を前倒ししている。 Coinbaseは英BVNKの約$2B買収交渉を中止し、同時にAllora(ALLO)の現物上場を予告、一次公開チャネルの整備を進めた。
Lighter:$68M調達とTVL拡大
著名投資家が参加した$68Mの資金調達を受け、LighterのTVLは$1.17Bへ拡大しLayer2「Linea」の$1.04Bを上回ったため、プロダクト指標の面でも存在感が増した。
Monad:エコシステム始動と一次販売モデル
高頻度アプリ志向のPerp DEX/予測市場などの立ち上がりが見込まれ、Coinbaseの新たなトークン販売モデルと合わせて、個人の公平性を意識した割当設計と情報開示が注目される。
マイニング・HPC:大型調達と備え
CleanSparkは$1.15Bの転換社債を条件付きで価格決定し、電力資産とHPCの拡張に充当予定であるため、ハッシュプライス低下局面での設備主導型戦略が継続する可能性が高い。 カナダのMatadorは$100Mノート枠の初回$10.5Mを引き出し平均$102,752でBTCを92枚追加したため、バランスシートのBTC比率を意図的に引き上げている。
コメディティ化する“プライバシー”
ZEC・DASH・XMRなどの「古参」銘柄の月間上昇が相次ぎ、プロダクト更新と半減期・基金整備などの複合要因で逆行高の事例が散見された。
国内一次市場:IEOの課題
国内IEO「FPL」は公開価格1円を割れたとの投稿が相次いだため、需給設計と情報開示の見直しが急務と映る。
イベント
Fusakaは12-03(JST)実装見込みで、PeerDASによるデータ可用性拡張やDoS耐性強化、P-256対応など開発者機能が追加されるため、L2スループット・手数料面での構造的改善が期待される。 英ロンドンでは「6.1万BTC」押収関連でQian Zhimin被告に11年8カ月の実刑判決が下り、当局の没収資産還元スキームに注目が集まった。
取引所・上場商品
BitwiseのChainlink ETF(CLNK)のDTCC掲載が観測され、オラクル領域の“ETF化”も話題化した。 CoinbaseはALLOのUSD建て現物ペア上場を予告し、流動性条件次第で順次開始される見通しだ。
▽ FAQ
Q. 米ETH現物ETFはいつゼロ流入になった?
A. 米東部時間2025-11-10に主要ETH現物ETFの流入は0となり、翌11-11も総じて鈍化が継続しました。
Q. Solana現物ETFの直近動向は?
A. 2025-11-10に+$6.78Mの純流入で、10営業日連続の資金流入を記録しました。
Q. Fusakaの主な変更点は?
A. PeerDASでblob処理を拡張、DoS耐性とガス上限の調整、P-256対応やプリコンファーム導入などです。
Q. Coinbase×BVNKはどうなった?
A. 10月の独占交渉を経た約$2B買収は、11-12に双方合意で不成立となりました。
Q. マイナーの資金調達は市況に何を示す?
A. CleanSparkの$1.15B転換社債など、電力・HPC投資へ資本を厚く配分し、次期ハッシュ上昇・AI対応へ備える姿勢です。
■ ニュース解説
ETFフローがETHに鈍化しSOLに偏ったため、β露出の調整圧力と“テーマ分散”の同時進行が見える一方で、Fusaka実装接近と一次市場の制度設計見直しが重なり資金は選別化が続く。
投資家の視点:短期はフロー(ETF・先物清算)と流動性指標(ステーブル供給、所要証拠金)を確認し、イベント(Fusaka、主要上場・判決)にはポジションサイズとヘッジを連動させるのが無難。
※本稿は一般的情報で投資助言ではありません。
(参考:CleanSpark,Matador Technologies)





