【6月1日】仮想通貨ニュース:最新動向と注目トピック徹底解説

【要約】
・SuiエコシステムのDEX「Cetus Protocol」がハッキング被害後、隔離資金をマルチシグウォレットに移転
・ステーブルコインの時価総額が2,500億ドルを突破
・アメリカ政府がCoinbaseユーザーによる暗号資産記録訴訟の却下を要請
・香港が《ステーブルコイン条例》を正式に法例化、年内に発行制度が予定
・複数の米国上場企業がビットコインやイーサリアムを大量購入し、資金調達と併せた「買い増し戦略」を拡大
・ハッキングや価格変動に関するデータが活発化

CETUS PROTOCOLのハッキングと資金移転

Sui上の分散型取引所Cetus Protocolは先日ハッキング被害を受け、運営側は隔離していた資金を「Cetus」「Sui財団」「OtterSec」が共同管理するマルチシグウォレットへ安全に移転しました。これはコミュニティ主導のオンチェーン投票によって承認を得た後に実施されたもので、今後は被害からの復旧プロセスが次の段階へ進むとされています。Cetus側は攻撃の詳しい経緯と復旧状況を共有するため、6月2日にコミュニティ向けのスペースを開催する予定です。

ステーブルコイン時価総額が2,500億ドルを突破

Coingeckoのデータによると、ステーブルコイン全体の時価総額が2,500億ドルを超えました。うち、Tether(USDT)が約1,530億ドル(シェア61.2%)と最大の割合を占め、次いでUSD Coin(USDC)が610億ドル超で2位となっています。
市場の24時間取引量は約612億ドルと報告されており、ステーブルコインの需要と流動性が依然として高水準を維持していることが示唆されます。

米政府、Coinbaseユーザーの訴訟却下を求める

米政府は、CoinbaseユーザーJames Harper氏による「米国税庁(IRS)が取引履歴を違法に取得した」とする訴えに対し、最高裁判所へ却下を求める文書を提出しました。政府の主張によれば、Harper氏はCoinbaseと自発的にデータを共有しており、IRSは正当な法的手続きを踏んで司法承認を得た召喚状を活用していたため「違憲ではない」としています。
この訴訟はCoinbaseユーザーのプライバシー問題を巡る争点となっていますが、最高裁が案件を審理しないと決定すれば、下級審のIRS勝訴判決が確定する見込みです。

香港《ステーブルコイン条例》が正式に法例化、年内の施行へ

香港は5月30日付で《ステーブルコイン条例》を官報に掲載し、正式に法例化しました。年内に発行体ライセンス制度が施行される見通しで、まずは法定通貨と連動するステーブルコインの発行者を対象とするとされています。条例はリスク対応型で柔軟な規制メカニズムを整備し、一般投資家を保護しつつデジタル資産の発展を促す狙いがあります。具体的には、準備資産の管理や価値安定機構、償還手続き、AML(アンチマネーロンダリング)などの要件が定められ、香港金融管理局はこの新たな規制枠組みに期待を示しています。

上場企業の大量仮想通貨購入戦略

トランプメディアグループ:24.4億ドルを調達しビットコインの大口保有者に

トランプメディアグループは、株式発行などを通じて24.4億ドルを調達し、そのうち23.2億ドル相当をビットコインに充当する計画を明らかにしています。将来的には米国上場企業の中でも有数のビットコイン保有量となる見込みで、株主資本と合わせて巨大な資産構成を形成すると発表されています。

SharpLink Gaming:10億ドル規模のETH購入を計画

オンラインギャンブル関連のSharpLink Gamingは、証券登録申請(S-3)を提出し最大10億ドル分の普通株を発行する計画を示しました。調達資金の大部分をイーサリアム(ETH)の購入に充てる方針が示されており、すでに4.25億ドルを調達したとの情報もあります。これによってETHを主要準備資産化する狙いがあるとみられています。

Cetusの再開スケジュール

Cetusは今回のハッキング被害を受けてサービスを一部停止していましたが、約1週間程度で全面復旧を目指すと表明しました。
・データの復旧
・CLMM(集中流動性マーケットメーカー)コントラクトのアップグレード
・LP機能などの一時停止機能の再開
これらを迅速に行い、ユーザー資金の安全確保と共にプラットフォームの信頼回復を図るとしています。

Binance Alphaによるトークンエアドロップ

Binance Alphaは、新たにTaiko(TAIKO)を上場し、一定のAlphaポイントを保有するユーザーに対し、TAIKOトークンのエアドロップを実施すると発表しました。具体的には205ポイント以上を保有しているユーザーが、130枚のTAIKOを受け取れるとのことです。受け取るには15ポイントが必要で、24時間以内に手続きが必要とされています。

ニュースの解説

今回の「仮想通貨ニュース」では、分散型取引所のセキュリティ問題やステーブルコイン市場の拡大、米政府とCoinbaseユーザーの法廷闘争など、幅広いテーマが並びました。特に上場企業による仮想通貨買い増し戦略が目を引きます。米国の金利水準やインフレ動向、規制強化の流れも相まって、企業がビットコインやイーサリアムを「準備資産」として本格活用し始めている点は注目に値します。一方、ハッキングリスクの高まりを受け、DEXやブロックチェーンのセキュリティに対する投資と管理体制強化が一層重要になるでしょう。
こうした動向はマーケット全体の信頼を左右し、制度面の整備や投資家保護施策の拡充が続くことで長期的な市場拡大が期待できます。現時点での市場はボラティリティを伴いますが、企業や金融機関が参入を続けることで、今後も「仮想通貨ニュース」には大きな動きが続くと考えられます。