【Sui】5月26日ブロックチェーン動向:FTX破産索賠、Cetusハッキング、そして注目の5月末~6月イベント

【要約】
5月26日にBinanceがHuma Finance(HUMA)を上場し、さらにBNB Chain「Maxwell」テストネットがアップグレード
5月30日からFTXが主要債権者に破産索賠の支払いを開始予定
Suiトークンは6月1日に約1.54億ドル相当の大規模アンロックを予定
・DeFiプロトコルのCetusが2.3億ドル相当のハッキング被害に遭遇
・NFT市場では一部チェーンが大幅伸長、Avalancheなど取引増加
・Farcasterをはじめ各種ブロックチェーン関連の技術アップデートも活発化

5月26日:BinanceやBNB Chainに注目

世界最大級の取引所であるBinanceは、5月26日21時(日本時間)より新規上場銘柄Huma Finance(HUMA)の取引を開始しました。HUMAは迅速な送金と流動性提供を強みとする「PayFi」プロジェクトとして注目され、USDTやUSDCなど複数の通貨ペアがサポートされています。

同日、BNB Chainは「Maxwell」ハードフォークのテストネットをアップグレード。ブロック生成間隔を1.5秒から0.75秒へ短縮し、ネットワーク効率の向上を図っています。本アップグレードは6月末にメインネット導入が予定されており、今後のBNBエコシステム拡大に期待がかかります。

FTX破産索賠:5月30日に主要債権者へ初回支払い

破綻した暗号資産取引所FTXは、法廷管理下で資産回収を進めてきましたが、5月30日から主要債権者への初回支払いを実施する計画です。合計で推定114億ドルのキャッシュ準備があるとされ、投資家や大口取引先に対して一定の弁済が進む見通しです。

SECのETF審査・ライトコインETFやイーサリアムETFが焦点

米国証券取引委員会(SEC)は、ライトコイン(LTC)現物ETFの申請に対して審査を延長し、グレイスケールのイーサリアムETFに質押機能を加える提案に関しても6月1日まで審議を延期しています。SECの判断は暗号資産市場の価格変動にも影響しやすいため、投資家はこのタイムラインを注視しています。

Sui(SUI)トークン:6月1日に約1.54億ドル相当のアンロック

フォーカスキーワードであるSui(SUI)トークンは、6月1日午前8時(日本時間)に約4,400万枚のロック解除が予定されています。これは流通量の1.32%にあたり、評価額は1.54億ドル規模です。大手取引所への上場と合わせて注目度が急上昇しているため、価格動向を含め今後の動きに要警戒です。

Cetusハッキング事件:2.3億ドル規模の被害

Suiエコシステムの流動性プロトコル「Cetus」が、5月22日に推定2.3億ドル相当のハッキング被害を受けました。攻撃手法は数値オーバーフローの脆弱性を狙ったもので、わずかな担保で巨額の流動性を奪取されたと報告されています。Cetus側はイーサリアムなどへブリッジされた資金の一部凍結に成功し、今後の回復策としてプロトコルの修正やコミュニティガバナンス投票を進めています。

James Wynn氏の大口BTCポジション動向

著名トレーダーであるJames Wynn氏が先日、12億ドル相当のBTCロングを損切りし、およそ1,339万ドルの損失を計上しました。その後すぐに大口のショートポジションを建て、約1.95億ドル規模へと追加拡大。短期的なレバレッジ取引においても大きな額が動いており、市場心理への影響が注目されています。

NFT市場:Avalancheの取引額が急増

直近1週間のNFT売買動向を見ると、全体の取引額は1億2,980万ドルとほぼ横ばいでしたが、Avalancheチェーンでの売上が前週比で200%超の急伸を示しました。イーサリアム系の売上は依然としてトップシェアを維持しつつも、マルチチェーン化が進むNFTの市場活況ぶりが改めて浮き彫りになっています。

Farcasterやその他のアップデート

分散型ソーシャルプロトコルのFarcasterはブランドの再整理を進め、ユーザー体験の向上やクライアント別の機能拡充に着手しています。さらにテック企業やウォレットサービスとの連携が拡大中であり、オンチェーンSNSの新潮流として注目度が増しています。
また、アメリカでは安定通貨(ステーブルコイン)に関する規制として「GENIUS法案」が審議されています。これは担保資産の透明性や利払い機能の禁止などを定め、ドルを軸とした国際的な規制モデルとなる可能性があると言われています。

ニュースの解説

上記のように、5月末から6月にかけて暗号資産市場は多数の重要イベントが予定されており、そのインパクトは決して小さくありません。Sui(SUI)トークンのアンロックは供給量増加を伴うため、短期的な市場変動を引き起こす要因となり得ます。一方で、FTXの破産索賠が実施に移ることで、投資家が回収した資金を再投資する動きが出れば、全体的な流動性が高まる可能性があります。

また、Cetusプロトコルのハッキング事件は、スマートコントラクトのセキュリティ対策が不十分だと巨額被害につながることを再認識させる出来事となりました。今後は各プロジェクトともテストや監査体制を強化し、コミュニティや第三者機関の協力を得ながらセキュリティ水準を引き上げていくことが求められます。

今後は米国SECのETF審査やステーブルコイン法案の動向次第で、市場環境がさらに大きく変動する可能性があります。仮想通貨の国際的な規制網が徐々に整備されつつある今、プロジェクト側はより一層のコンプライアンス意識と技術の堅牢性が不可欠となるでしょう。投資家は最新の法規制と技術情報を追いながら、リスク管理を徹底することが重要です。