【トランプ家族プロジェクトUSD1】最新動向とビットコイン市場—5月17日ニュース総まとめ

【要約】
・トランプ家族プロジェクトUSD1が3つのパブリックチェーンに展開し、BNB ChainやTronなどで新たな活用が進む
・Strategy(旧MicroStrategy)はビットコインを約57万枚保有し、大手機関の買い増しが続く一方、空売り勢も狙う構図
・5月17日の暗号資産ニュースとして、Omniの投資家代替分を買い戻し、Jetcraftが暗号支払い導入、米国GENIUS法案など重要動向が相次ぐ

トランプ家族プロジェクトUSD1の急拡大

トランプ家族プロジェクトUSD1とは
トランプ前大統領一族が関与するDeFiプラットフォーム「World Liberty Financial Inc. (WLFI)」が発行するステーブルコインが「USD1」です。1USD1=1米ドルのペッグを維持するしくみで、アメリカ国債や銀行預金などにより裏付けされています。外部監査やBitGoによるカストディが導入され、機関投資家にも対応可能な設計が特徴です。

3チェーン展開と10超のプロトコル提携

  • イーサリアム(ETH):Uniswap V3などへ初期流動性を提供
  • BNB Chain:5月14日時点で公式サポート発表。Venus ProtocolやStakeStoneなどが採用
  • Tron:WLFI最大個人投資者である孫宇晨氏との関係から、5月にTronへ原生発行を発表

すでに10以上のDeFi・ウォレット・決済企業と統合し、複数の流動性プールで合計数億ドル規模のトランザクションが確認されています。また、アブダビの投資ファンドMGXがBinanceへ20億ドルの出資を行う際、公式決済手段としてUSD1が選定されたことも注目点です。

Strategyのビットコインレバレッジと空売り勢の攻防

Strategy(旧MicroStrategy)の現状
Strategyは旧称MicroStrategyの米上場企業で、ビットコイン投資に積極的な姿勢を示しています。2025年5月16日時点で約56.8万BTC(推定21億ドル超)を保有し、市場からは“ビットコインETF的な存在”と捉えられています。2025年第一四半期は約42億ドルの巨額赤字を計上しましたが、ビットコイン価格が10万ドルを超える環境下で企業価値は急伸し、BlackRockやVanguard、Susquehannaなど大手機関が相次ぎMSTR株を買い増している点が注目されます。

一方で空売り狙いも続出
投機筋の大物Jim Chanosなど複数のヘッジファンドが「ビットコインは買うが、Strategy(MSTR)は空売りする」という戦略をとっています。理由としては、MSTR株の時価総額がビットコイン保有額を上回り過熱感があるとする見方があるためです。今後もビットコイン価格や企業の追加購入状況によって株価が大きく動く可能性が示唆されています。

5月17日の主な暗号資産ニュース

Omniによる投資家持分の買い戻し

DeFiプロトコルOmni Labsは約677万枚のOMNIトークンを初期投資家から割引価格で買い戻すと発表。投資家保有分を20.06%→13.29%へ引き下げ、コミュニティへのトークン分配を強化しています。

ジェットクラフトの暗号決済導入

ビジネス航空機取引大手JetcraftがCoinPaymentsと提携し、高額のプライベートジェット売買決済に暗号通貨を導入。富裕層や法人顧客が複数の暗号資産で支払可能となり、業界の決済選択肢が拡大しました。

GENIUS法案が最終表決へ

米上院多数党のThune氏は、安定通貨(STABLE法案)の拡張版「GENIUS法案」を5月19日に表決すると発表。大手金融機関を対象とした連邦規制や消費者保護強化などが盛り込まれ、可決すれば米国におけるステーブルコイン規制の初の包括的枠組みとなる見込みです。

そのほかの注目動向

  • FTXの破産手続き:5月30日以降に約50億ドル相当が分配開始予定
  • ロシア央行:ビットコインを“4月最高の投資リターン資産”と評価
  • バーレーンやブラジル企業などもBTC保有戦略に参入

ニュースの解説

今回注目されるのは、トランプ家族プロジェクトUSD1によるパブリックチェーン上の展開と、MEXC・HTXなど複数取引所への上場スピード感です。わずか1か月で約20億ドル超の時価総額に到達しており、今後の運営透明性や準備資産の監査が市場の信認を左右するでしょう。

一方、Strategyはビットコイン価格急伸の恩恵を受けながら、空売り投資家との攻防を繰り返しています。MSTR株が今後もビットコイン相場の「レバレッジETF」として機能するかどうかは、大口機関投資家の動向や追加買い増し計画が焦点となります。

さらに米国で安定通貨のルールが整備される可能性が高まっており、GENIUS法案の成否はUSD1やUSDCを含む全ステーブルコイン市場の方向性を決定づけるかもしれません。各国や地域の規制設計も進展しており、国際的に安定した暗号資産市場が形成されるかどうか、引き続き注視が必要です。以上が最新ニュースの解説となります。