▽ 要約
SEC新基準:19b‑4撤回要請でS‑1審査に一本化
FTX配当:9/30に約16億ドル、受取1〜3営業日
EDEN上場:Binanceで9/30、流通1.8387億枚
市況:BTC週次−2.68%、レバ清算で需給悪化
「いま最も動くのはどこか」。9月30日は、SECの手続き変更、FTXの1.6Bドル配当開始、BinanceのEDEN上場が重なり、資金フローの再配分が焦点だ。9月30日 暗号資産ニュースを起点に、ETF承認の時間軸、配当資金の行先、RWA需要の受け皿を整理することで、短期のボラと中期のテーマを見誤らない。
SECの手続き変更—19b‑4撤回要請の狙い
一般上場基準の適用で取引所規則審査が省略され得るため、19b‑4撤回→S‑1審査一本化でアルト現物ETFの承認時期は前倒しされる可能性が高まった。
複数メディアが、SECがXRP・SOL・ADA・DOGE・LTCの現物ETFで19b‑4の撤回を要請したと報道。背景には「汎用的上場基準」の承認により、個別の19b‑4審査を不要化した点がある。残る論点は発行体のS‑1(開示)内容で、上場取引所の実務は簡素化される一方、S‑1有効化のタイミング次第で「一斉上場」も視野に入る。需給面では“噂で買い・事実で売り”の価格反応に留意したい。
対象銘柄とスケジュールの見立て
対象はXRP・SOL・ADA・DOGE・LTCの5銘柄の現物ETFで、19b‑4撤回が今週にも始まる見込みのため、S‑1の有効化が次の関門となった。
足元の報道は“迅速化”に傾くが、政府機関の閉鎖や事務負荷の変動で実務は遅延し得る。投資家は、有効化の官報・EDGAR登録の時刻とマーケットメイク体制(AP・流動性供給)を確認し、先物・現物のベーシスとオプションIVの歪みで過熱を測るべきだ。
市場インパクト—需給の二面性
形式審査の短縮で上場準備は進む一方、S‑1の記述(リスク要因・保管・価格乖離)が厳格化するため、発行体の実装力差がパフォーマンス格差を生む。
短期は「承認前の思惑→承認後の利益確定」に備え、期近コールのIV高止まりや清算の偏りが生みやすいスパイクに注意。中期は現物ETFの“継続的な純流入”が鍵で、指数寄与の大きい銘柄は需給の追い風を受けやすい。
FTX、9月30日に第三回配当—約16億ドル
第三回配当が9月30日に始まるため、米国区分5Bは追加40%で累計回収95%に近づき、入金は1〜3営業日内が目安となる。
FTX Recovery Trustは、Kraken・BitGo・Payoneer経由で約$1.6Bを支払うと告知。一部区分は78〜120%の回収レンジが示され、国内外で割合が異なる。手続は8/15までの要件充足が前提である。市場的には、短期の換金フローが局所的な売り圧に見える一方、債権確定の進展は長期のリスク低下に資する。
H3:フローの読み方と戦術
大口の受取主体はまずUSD現金で着金するため、BTC・ETH・SOLなどの現物・先物に即時の“売り圧”が直結するとは限らない。
ただし、信用余力回復でデリバティブの建玉が戻りやすい局面でもあり、ベーシス拡大や資金調達レートの反転には注意。分配スケジュール前後の板厚・清算分布(OIヒートマップ)を確認し、ガンマ・スクイズや逆回転の罠を避けたい。
BinanceにOpenEden(EDEN)上場—RWAの受け皿
9月30日19:00(UTC+8)にEDENが上場するため、初期流通1.8387億枚とエアドロップの同時実施がRWAテーマの資金流入を後押ししやすい。
BinanceはHODLerエアドロップ1,500万EDEN、上場時流通は183,870,000枚、ペアはUSDT/USDC/BNB/FDUSD/TRY。OpenEdenはT-Bill利回りをオンチェーンに載せるRWA基盤で、Billsポイント7.5%配分のエアドロップは9/30 18:30(北京)に請求開始。地域制限やSeedタグの取引ルール、コントラクト(BSC/Ethereum)も開示済みだ。
配布・上場設計と留意点
エアドロップ/Alpha配布→現物上場の順で流動性が段階的に形成されるため、初期はスプレッド拡大と板の薄さが共存しやすい。
短期は解禁売り・マイナスベーシスの拡大に警戒しつつ、流通比率とFDVの持続性を検証。中期はT-Bill連動ストリームの安定性、担保運用の透明性が評価軸となる。
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企業トレジャリー(DAT)に監視強化—フライホイールの限界
SEC/FINRAの共同調査が進むため、mNAV割れ時の負帰還(増資困難→希薄化)や情報漏えい疑惑が焦点となり、選別が加速する。
“暗号トレジャリー”の拡大は、mNAV>1での増資→買い増し→NAV上昇の正帰還に依存するが、割れれば逆回転し資本コストが急騰する。最近では、BitMine Immersionが「ETH265万枚、総資産$11.6B」と主張するなど大型保有の発表が相次ぐが、投資家は開示の検証(保管・資金源・流動性)に一層の注意が必要だ。
韓国Naver×Upbit—株式交換は協議段階、安定コイン連携が射程
NaverとDunamuは株式交換を含む包括協議を開示したため、決済×取引所×安定コインの“スーパーアプリ”構想が具体化する一方、最終合意ではない。
規制当局への開示では「協力形態を検討、株式交換含むが未確定」と明記。報道後、Naver株は一時+16%の上昇も、実務は交換比率・支配構造・監督当局審査がカギ。GIWA L2やNaver Payの導線が実装されれば、オンチェーン決済のUXは大幅に改善し得る。
市況—BTC週次−2.68%、レバ清算とドル高の複合逆風
金利減速期待の後退と先物の過剰レバ清算が重なったため、BTCは週次−2.68%で120日線を割り込み、中期は9〜11万ドルのレンジが意識される。
8月PCE後のドル高・長短金利反発で流動性がやや引き締まり、アルトOI比率の高さが$1.8B規模のロング清算を誘発。10月はグローバルM2のヘッドウィンドが強まる見通しだが、季節性とイベント駆動(ETF・配当資金流入)で戻り余地も残る。
▽ FAQ
Q. SECの変更点と対象銘柄は?
A. 19b‑4撤回→一般上場基準適用へ移行。対象はXRP・SOL・ADA・DOGE・LTCで、審査はS‑1中心(2025年9月)。
Q. FTXの第三回配当の規模と受取時期は?
A. 約16億ドルを9/30開始。米5Bは+40%で累計95%、入金は1〜3営業日、BitGo・Kraken・Payoneer経由。
Q. EDEN上場の時刻と流通枚数は?
A. 9/30 19:00(UTC+8)上場、初期流通1.8387億枚。HODLerエアドロップ1,500万枚、Bills枠は供給の7.5%。
Q. 直近のBTCの週足パフォーマンスは?
A. 9/22〜28で−2.68%。120日線割れ、清算累計は約18億ドルでOIが縮小した。
Q. 企業の暗号トレジャリーは安全ですか?
A. mNAV次第で正負回転が反転し、規制調査で資金調達は厳格化。個社の保管・資金源の検証が必須です。
■ ニュース解説
SECの形式審査短縮とFTXの$1.6B配当が重なるため資金循環が加速する一方で、EDEN上場など新規案件が需給の受け皿となるが、ドル高や清算残渣でボラは残る。
投資家の視点:承認イベントはS‑1有効化の公式ソースで時刻確認、FTX着金窓の先物ベーシス・資金調達率に注目、EDENは流通比率とアンロック計画を精査。DAT銘柄はmNAVと開示の妥当性を優先確認し、過度なレバレッジは回避。
※本稿は投資助言ではありません。
(参考:PR Newswire,Binance公告)