9月27日暗号資産ニュース総まとめ|ETF資金流出とテザー報道

▽ 要約

ETF資金流出:BTC4.18億$/ETH2.48億$、弱含み
テザー資金調達:ソフトバンクとArk、評価額5,000億$
バンガード:第三者の暗号ETF取扱いを検討
デジタル人民元:上海センター開所、長安鏈を採用

投資家の関心は「下げ止まりは近いか」。結論として、9月27日時点の暗号資産市場は現物ETFからの資金流出が続く一方、テザーの巨額調達報道やヴァンガードの姿勢変化が中期の制度資金拡大余地を示す。この記事では「9月27日 暗号資産ニュース」を横断的に整理し、短期の需給、機関動向、規制・ステーブルコインの更新点まで一気に把握できるよう解説する。

市場動向と資金フロー

9/26(米東部)にBTC現物ETFは4.18億ドル、ETH現物ETFは2.48億ドルの純流出となり、価格は一時BTC11万ドル・ETH4,000ドルまで変動した。
9月26日(米東部)のフローでは、BTC現物ETFの総流出が4.18億ドルに達し、12本すべてで当日の資金流入がゼロ。最大流出はFBTCの3億ドル、IBITは3,725万ドルの流出だった。運用資産残高(NAV)は1,435.63億ドル、BTC時価総額比は6.59%、累計ネット流入は568.15億ドル。ETH現物ETFは2.48億ドル流出で5日連続の純流出、最大はETHAの2億ドル流出。ETH ETFのNAVは260.1億ドル、時価総額比5.37%、累計ネット流入131.2億ドル。短期の需給はタイト化している。

ETH・BTC現物ETFの資金動向

機関マネーの一時的後退が続いたため、直近は値動きが上値の重い展開になった。
BTCはOKX板で11万ドルを一時突破、ETHは4,000ドル台を回復したが、ETFフローの弱さが追随買いを抑制している。ETHは5日連続の流出で、機関需給の慎重さがうかがえる。

個別大型トランスファーとオンチェーン

8年以上休眠の2ウォレットが20万ETHを新アドレスへ移動したため、潜在的な供給増と市場心理への影響が意識された。
当該アーリー参加者はBitfinex経由の取得履歴を持ち、8ウォレット合計で73.6万ETH(約28.9億ドル)を保有とされる。チェーン上の大口移動は短期センチメントを冷やしやすい。

関連:9月25日:テザー5000億ドル評価と相場

企業・機関の動き

流出局面が続く一方で、テザーの超大型資金調達報道やヴァンガードの方針転換観測が、中期の投資家アクセス拡大を示した。

テザー:最大5,000億ドル評価の外部調達報道

大型ラウンド交渉の報により、ステーブルコイン発行体の資本力・事業多角化への期待が高まった。
報道では、ソフトバンクGとArk InvestがTether Holdingsの新ラウンドに向け予備的協議を行い、評価額は最大5,000億ドルに達する可能性があるとされた。実現すれば同社過去最大の外部調達となる。

ヴァンガード:第三者の暗号ETF取扱いを検討

個人ブローカー顧客向けに第三者の暗号ETFの取扱いを許容する可能性が示されたため、アクセス面の制約緩和が示唆された。
同社は自社発行の暗号ETFには消極的だが、販売プラットフォームとしての方針見直しが報じられた。詳細や時期は未定。

Theta Capital:ブロックチェーンFoFで2億ドル調達へ

トップティアVCへの分散出資で市場回復局面のα獲得を狙うため、FoF新設・資金集めが活発化している。
新ファンドは10~15本の暗号VCに配分し、目標ネットIRRは約25%とされる。

規制・CBDC・企業ステーブル

中国のデジタル人民元センター開所とCloudflareの「NET Dollar」構想が、決済インフラの多層化と企業ステーブルの用途拡大を後押しした。

上海:デジタル人民元国際運営センターが始動

中銀デジタル通貨ブリッジを基盤に、ブロックチェーンサービスは「長安鏈」、デジタル資産プラットフォームは上清所に基づくとされた。
域内・越境決済の運用拠点整備は、クロスボーダー活用の制度面・技術面の整合を促す。

Cloudflare:AIエージェント向けUSDステーブル「NET Dollar」

マイクロペイメントや自動決済を見据えた企業ステーブル構想が、Web決済の新モデルを指向したため、既存ステーブル市場に新潮流が加わる。
リアルタイム決済、プログラマブル性、グローバル相互運用性などをうたい、AIエージェントの商取引基盤を想定する。

SWIFT×Linea:安定通貨は「検討段階」、オンチェーンメッセージ実証

約12行が参加する実証は進むが、ステーブル発行は未決であるため、過度な先行観測は禁物となった。

デリバティブ・パーペチュアルDEXの潮流

Aster台頭とHyperliquidの対応が注目を集め、DEXの手数料収益・誘導設計を巡る競争が一段と激化した。
Asterのトークノミクス設計やインセンティブ配分が取引参加を加速させる一方、Hyperliquidは安定通貨USDH等を含むエコシステム強化で応戦している。市場の流動性獲得は速度と設計品質が問われる局面にある。

イーサリアムETFの進捗(補足)

主要運用会社がS-1修正を同時提出し、担保関連の条項明確化が進んだため、数週間内の承認観測が強まった。
フランクリン、フィデリティ、CoinShares、Bitwise、Grayscale、VanEck、Canaryが修正を出したと伝えられた。

▽ FAQ

Q. 9月27日のBTC・ETH現物ETFの資金動向は?
A. BTCは−4.18億ドル、ETHは−2.48億ドル(9/26米東部)。ETHは5日連続流出、BTC12本は当日流入ゼロ。

Q. テザーの新規資金調達はどの規模?
A. ソフトバンクとArkが協議と報道。評価額は最大5,000億ドルで、同社過去最大級の外部調達見込み。

Q. ヴァンガードの暗号ETF方針は?
A. 自社ETFは出さず、第三者の暗号ETFの取扱い容認を検討中。詳細は未定。

Q. デジタル人民元センターの基盤は?
A. ブロックチェーンは長安鏈、デジタル資産プラットフォームは上清所に基づくと報じられた。

Q. 休眠ウォレットのETH移動はどれくらい?
A. 20万ETHが2アドレスへ移転、当該クジラは計73.6万ETHを8ウォレットで保有。

■ ニュース解説(中立)

ETFからの資金流出が続いたため短期の需給は弱含みとなる一方で、テザーの大型資金調達報道とヴァンガードの姿勢変化は制度資金の受け皿拡大を示した。
9/26(米東部)はBTC−4.18億ドル、ETH−2.48億ドルの純流出となり、マクロ不確実性とポジ整理が続く一方でステーブル発行体と販売プラットフォームの動きは前向きで、目先は調整基調を残すが中期は投資家アクセス拡大が相殺する。
投資家の視点:フロー悪化時はレバレッジ圧縮・損切り水準の明確化・ドルコストの再配分を優先し、スポットETFの連日フローと大口オンチェーン移動の監視を日次ルーティン化したい。並行して、ステーブル発行体や販売プラットフォームの政策・資本動向(テザー調達、ヴァンガード取扱い方針)を中期のアクセス要因として点検する。

※本稿は投資助言ではありません。

(参考:PANews