FOMC25bp利下げ、SECがETF上場の一般基準承認、BNB1,000ドル到達、RCMPが過去最大押収。

▽ 要約

FOMC利下げ 米FRBが25bp利下げ、HKMAも追随
SEC新基準 ETF一般上場基準と指数OP承認
BNB再高値 1,000ドル初到達で時価総額5位圏

9月19日 暗号資産ニュースの焦点は、金利・規制・価格の三点だ。FRBの25bp利下げで金融環境は若干緩み、SECはETF一般上場基準を承認して暗号資産ETPの土台を整えたため、市場はBNBの1,000ドル到達など強含みに反応した。

FOMCが25bp利下げ、香港も同調

米FRBが9月17日(米東部)、政策金利を4.00–4.25%に引き下げたため、金融環境は段階的緩和へ転じ、ペッグ制の香港も翌18日にベースレートを4.50%へ引下げた。
8会合ぶりの利下げは労働市場の軟化を重視した判断とされる。ドットでは年内あと2回の可能性が示唆された。香港金融管理局(HKMA)は米国の決定を受け、即日25bpの調整を実施。短期金利と与信環境の緩和は、ボラタイルな暗号資産のセンチメント改善に直結する。

SECが「一般上場基準」を承認—個別審査の壁が低下

SECが9月18日にコモディティ型信託の一般上場基準を承認したため、暗号資産の現物型ETFは個別の規則改正を待たず上場可能となった。
NYSE/Nasdaq/Cboeの19b‑4が束ねて認められ、要件を満たす資産(クロスマーケット監視や先物上場実績等)が対象となる。審査は最長240日からおおむね75日前後へ短縮される見通しで、BTC/ETH以外(例:SOLやXRP等)への波及余地が広がる。

指数オプションも同時承認

SECはCboeのBitcoin US ETF Index(CBTX/MBTX)に対するPM清算の第三金曜・非標準・四半期限の指数オプション上場も承認したため、ヘッジ・裁定の手段が拡充した。
現物ETFの厚みとデリバティブ市場の整備は、流動性の循環と価格発見の効率を高める。グレースケールのデジタル・ラージキャップ・ファンド(CoinDesk 5連動)の上場承認も同日に示された。

関連:SEC仮想通貨ETF包括基準承認とXRP・DOGE上場

BNBが史上初の1,000ドル—利下げと規制進展が追い風

米利下げとSEC決定を受け、資金回帰が強まったため、BNBは9月18日に初の1,000ドル台へ乗せ、時価総額でSOLを上回る5位圏に浮上した。
ここ数日の上伸は、政策モメンタムと取引所関連テーマの思惑が複合した結果だ。24時間騰落は+4~5%台、過去サイクル高値(2021年<700ドル)を明確更新した。短期は達成感と警戒感が交錯するが、上位銘柄の循環物色に変化が生じている。

トークン化へ前進—Nasdaqが「同一板・チェーン決済」案

Nasdaqが9月8日に19b‑4を提出し、同一板での約定とDTCのDLT基盤でのトークン決済を併用するため、実運用のT+0清算が現実味を帯びた。
提案は同質性(CUSIP共有・権利同一)の確保を前提に、従来株式と同一のマッチングと板を維持しつつ、裏側の清算・名義記録を分散台帳へ移す枠組みだ。DTCのProject Ionは既に1日10万件超を並行処理しており、ロードマップ上は2026年Q3の開始が示唆される。

法執行強化—RCMPが過去最大の加ドル5,600万超を押収

カナダ連邦警察(RCMP)は9月18日、TradeOgreに関連して過去最大規模の暗号資産を押収し、プラットフォーム停止を初めて実施したため、北米でのAML/登録不備リスクが再確認された。
捜査は2024年6月のEuropolの通報を端緒とし、FINTRAC未登録や本人確認不備が焦点とされた。取引データは継続解析中で、今後の訴追の可能性がある。

その他トピック—NYDFSの分析活用要請、SOL蓄積の上場企業

NYDFSは州内銀行にブロックチェーン分析の積極活用を求めたため、銀行の暗号資産曝露に対する監視と審査は一段と厳格化が進む。
一方、DeFi Development Corp.は62,745 SOLを追加取得し保有超200万SOLに到達した。機関マネーのアロケーション変化と与信環境の緩みが、選別的にリスク資産へ回帰している兆候だ。

▽ FAQ

Q. SECの一般上場基準で、上場まで何が短縮?
A. 9月18日の承認で個別規則改正が不要化し、NYSA/Nasdaq/Cboeはおおむね75日程度で現物型ETFを上場可能に。

Q. BNBはどの水準で史上最高値?
A. 2025年9月18日に1,000ドル超を初達成し、24時間で約4〜5%上昇、時価総額はSOLを上回る5位圏へ。

Q. RCMPの押収額と日付は?
A. 2025年9月18日に5,600万加ドル超を押収し、TradeOgre停止を発表。Europol通報とFINTRAC未登録が焦点。

Q. Nasdaqのトークン化取引はいつ始まる?
A. SEC承認とDTCのインフラ準備が前提で、最短で2026年Q3見込み。初期は市場時間内のみ。

Q. NYDFSの新ガイダンスの対象は?
A. 2025年9月17日付で州銀行・在米外国銀行支店等を対象に、ブロックチェーン分析をAML等の補完ツールとして期待。

■ ニュース解説

利下げとSECの制度整備が同時進行したため、流動性・受皿の両面で資金回帰が生じ、BNBの1,000ドル到達や機関のSOL蓄積が進んだ一方で、RCMPの大規模押収とNYDFSの監督強化がガバナンス面の緊張を保っている。
投資家の視点:政策・規制と流動性の両輪を注視する。短期はイベントドリブンの過熱に注意しつつ、ヘッジ手段(指数オプション)や現物ETFの受益構造、オンチェーン与信のカウンターパーティ管理を点検したい。ボラ拡大局面では分散、逆相関資産、キャッシュ比率の動的調整が有効になりやすい。

※本稿は投資助言ではありません。

(参考:Federal Reserve,FRB,SEC,HKMA