▽ 要約
イーサリアム:BETH発表とETH第3四半期+79%見通しを整理。
トークン:SUI・ZETAほか大型アンロック、WLFIが9/1始動。
ステーブル:USDTシェア59.55%、BaaS/STaaS潮流が鮮明。
マクロ:9/5米雇用統計、ゴールド/ビットコインの役割分担。
9月1日の市場はプロジェクト始動と資金フローの節目が重なり、仮想通貨ニュース 2025年9月1日の焦点はWLFIローンチ、BETH、SUI等の解放、USDTシェア低下に集約されるため、短期ボラの着火点と中期テーマの両面を押さえる価値がある。
本日(9/1)の主要イベントとスケジュール
主要プロジェクトの進捗とアンロックが重なるため、流動性とセンチメントの変化が短期価格に波及しやすい。
WLFI—ETHメインネット始動とSolana展開の布石
メインネット始動と同時に早期投資家の20%が解放され、CCIP経由のSolana側テスト転送も確認されたため、マルチチェーン展開が視野に入った。
WLFIは9月1日にETHでローンチ、20:00(UTC+8)に請求と取引開始予定。前段として10 WLFIのSolana転送がChainlink CCIPで観測され、開発者からSolana展開方針が示唆された。
トークンアンロック—SUI/ENA/IMX/ZETA
解放規模が集中するため、該当銘柄のボラティリティ上昇と板厚の変化に注意が必要となった。
9/1朝にSUIが約4,400万枚(約1.45億ドル、流通の約1.25%)、同時刻にZETAが4,426万枚(約4.55%、約8.4百万ドル)を解放。9/2にENAが4,063万枚(約0.64%、約2,710万ドル)、9/5にIMXが2,452万枚(約1.27%、約1,280万ドル)を解放予定。
規制・取引所の動き(抜粋)
規制と取引所の施策が参加動機に影響しやすく、週内の需給を左右する要素となった。
Binance Alphaは220ポイント保有者向けエアドロップを本日20:00開始予定。週後半は9/5の米雇用統計でクロスマーケット変動が拡大し得る。
イーサリアム周辺——BETHとETHの強含み
焼却の可視化と供給動態の期待が相まって、エコシステムの循環性と資産性が再評価されつつある。
BETH—ETH焼却のオンチェーン証憑化
焼却先への即時転送と1:1ミントが組み合わさるため、供給減と監査可能性の両立が進んだ。
Ethereum Community FoundationはETH焼却証明トークン「BETH」を公開。コントラクトが受け取ったETHをバーンアドレスへ即転送し、同量のBETHをミントして送付、焼却量の可視化と台帳化を図る。Lubin氏は周辺トークン群の産業化に言及。
第3四半期のETHリターン
7月+48%、8月+21%でQ3累計+78.98%となったため、過去最高の第3四半期に迫る推移となった。
短期ではビットコイン主導の地合いに左右されるが、ETH固有のアップグレード期待と焼却動態が相対的な下支え要因。
DAT戦略—企業トレジャリーの売却シナリオ
資本政策やmNAVなどの指標により、利確・分散・ヘッジ・資金繰り・損切りの局面が訪れるため、ブックの変化をモニターすべきだ。
想定シナリオは「利確」「分散」「先物等でのヘッジ売り」「mNAV<1の継続」「資金繰り圧力」「ストップロス」。コスト水準と経営層交代、mNAVの推移が重要シグナル。
ステーブルコインと決済—BaaS/STaaSの台頭
大手の参入とチャネル競争が強まったため、発行から流通(ディストリビューション)へ価値連鎖が移動している。
シェア変化—USDT 59.55%へ低下
市場時価は約2,828億ドルに拡大する一方、USDTの支配率は59.55%まで低下したため、複数銘柄体制が進んだ。
USDCは約24.9%、チェーン別ではEthereum/Tron/Solanaが上位。Tetherは旧来の一部ネットワークでのサポート終了計画も示して最適化を進める。
GoogleのGCULと「Stablecoin-as-a-Service」
金融機関向けの許可型チェーンとAPI化が進むため、発行は外部委託し、配布とUI/UXで競争する時代に入った。
Google Cloudは許可型のUniversal Ledger(GCUL)を構築し、KYC・清算・プログラマブルペイメントを内包。Circle/Paxosの真贋検証、Mastercard連携、FinastraのUSDC送金統合など、STaaS/BaaSの実装が広がる。
日本の税制20%案の含意
総合課税から分離課税(約20%)への移行が検討されているため、ETF・円建てステーブルコイン解禁の呼び水となる公算が大きい。
2025年末までに骨子、2026年前半の法改正・施行見込み。Web3の産業基盤化と国内流動性の回帰に資する可能性。
マクロ・資金動向と周辺トレンド
株式急落局面と債券売り局面での「ヘッジの主役」が異なるため、指標イベントに伴う相関の変化に警戒したい。
ゴールドとビットコインの役割分担
株式急落時は金、債券売り時はBTCが相対優位となるため、クロスアセット・ヘッジの分担を意識すべきだ。
8月は金・BTC双方から資金が流出する局面も観測。政策経路の不確実性が続く限り、ヘッジバランスの再配分が鍵。
VC資金—Q2は96億ドル、インフラ偏重
件数は減る一方で金額は大型化したため、寡占的に「基盤レイヤー」に資金が厚く配分された。
Series A中央値は1,760万ドル、Seed中央値は660万ドル。バリデータ流動性、ロールアップ、計算ネットワーク等の案件が厚い。
富裕層消費と採用の拡大
価格上昇と若年富裕層の台頭で、プライベートジェットやウルトラクルーズ等の高額サービスに仮想通貨決済の受け皿が拡大した。
旅行・ホスピタリティ領域はクリプトネイティブの消費を取り込み、可処分所得の新たな使途を提示しつつある。
▽ FAQ
Q. WLFIのローンチ日時と初期アンロックは?
A. WLFIは9/1にETHで始動、早期投資家の20%が解放。請求と取引は20:00(UTC+8)予定。
Q. 今週の主要アンロックは?
A. SUIが9/1に4,400万枚、ZETAが同日4,426万枚、ENAが9/2、IMXが9/5に解放。
Q. BETHとは?
A. ETH焼却に紐づく1:1の証憑トークンで、送付ETHは即焼却先へ転送されBETHがミントされる。
Q. ステーブルの勢力図は?
A. 総時価は約2,828億ドル、USDTは59.55%で2年超ぶりに60%割れ。
Q. 日本の税制20%案はいつ実装?
A. 2025年末に骨子、2026年前半の改正・施行見込み。ETFや円建てステーブルの後押しに。
■ ニュース解説
プロジェクト始動(WLFI・BETH)と大型アンロック(SUI等)が集中したため、短期の流動性は増す一方でイベント通過後の反動が出やすい。米雇用統計が控えるので、クロスアセットの相関変化にも注意が必要だ。
投資家の視点: イベント密集日は玉突きの板薄化が起きやすいため指値の滑りに注意。アンロック対象銘柄は需給ギャップを前提に、出来高・資金流入・建玉の三点監視で短期戦術を選ぶ。ETHは焼却とアップグレード期待が下支えだが、BTC主導の地合いに従属しやすい。ステーブルはディストリビューション競争が主戦場となるため、送金・カストディ体験や利回り設計の優劣を重視。
※本稿は投資助言ではありません。
(参考:Etherscan,Token Unlocks,CoinGlass/Coin Bureau(X))