▽ 要約
マーケット BTCは11.8万ドル、ETHは4,300ドル台。
マクロ 米ADP−3.2万人で金利低下が追い風。
規制 米財務省がCAMT緩和案、含み益課税回避も。
企業 メタプラネット3.08万BTCで上場4位報。
投資家の関心は「値動きの持続性」と「政策の追い風」だが、10月2日はBTCが11.8万ドルに乗せ、ETHも4,300ドルを回復したため、強気地合いが継続しやすい一方で米マクロの弱さと政策変更が相場を揺らす局面となった。10月のETF審査集中と資金調達の活発化を押さえることで、短期・中期の戦略判断に役立つ。
市場動向(BTC・ETHと主要指標)
価格の節目突破が確認されたため、短期の上昇モメンタムが維持されやすく、出来高と清算動向の変化に注目が集まった。
10月2日、BTCは11.8万ドルを上抜け日中+0.5%、ETHも4,300ドル台を回復しテクニカルな節目を試した。ボラティリティはイベントを前に拡大しやすく、ストップ狩りや清算連鎖が増える局面では玉の置き方が重要となる。
ソラナ・エコシステムの収益化
30日売上がL1/L2で首位となったため、手数料実需が価格の下支え要因として意識された。
直近30日でSolanaのDApps収益は1.87億ドル超とされ、基盤チェーンの“実収益”可視化が資金の呼び水となっている。
マクロ・政策(ADP・金利・規制)
米雇用の弱さで金利が低下したため、リスク資産に追い風が吹く一方で米政府機能停止リスクが不確実性を高めた。
9月の米ADP雇用は−3.2万人と予想+5万人から大きく下振れ、米10年金利の低下を通じて暗号資産のリスク選好を後押しした。他方、上院が歳出法案を可決できず、ホワイトハウスは政府閉鎖を宣言、短期的なヘッドライン・リスクは残る。
米財務省のCAMT緩和案
未実現益課税の適用を巡る扱いが緩むため、企業の暗号資産保有戦略に中立〜追い風の変化が生じた。
CAMT(法人向け代替ミニマム課税)の運用緩和が報じられ、MicroStrategyなど保有益の課税リスクが後退。米企業のトレジャリー戦略やDAT(デジタル資産トレジャリー)銘柄の評価見直し要因となる。
企業動向・資金調達・エコシステム
調達と財務戦略の積極化が続いたため、取引所・L1・ステーブル周辺でのマネー循環が強まった。
MEXC VenturesはEthenaエコシステムへの投資累計を6,600万ドルへ拡大し、ステーブル×利回り分野の成長期待を示した。香港SFCは2025年上期の暗号資産関連手数料収入が1億2,790万HKDと公表し、域内の制度市場が着実に拡大している。
上場企業のBTC保有増(日本)
保有増がランキングに反映されたため、日本発のトレジャリーモデルが国際的に可視化された。
メタプラネットはBTC保有を5,268枚増やし計3.08万枚とされ、上場企業のBTC保有で世界4位に浮上したとの集計が示された。日本企業によるバランスシート戦略の進化は、国内外の企業会計・税制の議論にも波及し得る。
トークン・個別トピック
投機主導の回転が進むため、流動性の厚い銘柄に資金が集中する一方で逆回転のリスクも高い。
著名クリエイターの関連ウォレットによるトークン購入やBNBエコシステムの強含みなど、話題性と流動性の結び付きが価格弾力性を高めている。短期筋は約定深度と清算データの確認が肝要だ。
10月のイベントチェック(ETF・TGE)
ETF審査とTGE集中が控えるため、ニュースフロー起点のボラ拡大に備えたリスク管理が必要となった。
10月は米SECのアルト現物ETFの最終判断が続く見込みで、LTC(2日)、SOL/LTCの信託転換(10日)、XRP(24日)などが注目期日。Q4はTGE/メインネット始動の案件が列をなし、分散的な“局地強気”が生じやすい。
▽ FAQ
Q. 10月2日時点のBTC・ETHの状況は?
A. BTCは11.8万ドル、ETHは4,300ドル前後。いずれも10月2日に節目を試し、短期上昇のモメンタムを維持した。
Q. 米ADPの−3.2万人は市場にどう影響?
A. 金利低下とドル安観測につながり、10月1日以降の暗号資産のリスク選好を支える一因となった。
Q. CAMT緩和案で恩恵を受ける企業は?
A. MicroStrategyなど暗号資産を多額保有する企業で、未実現益課税リスクの後退が期待される。
Q. メタプラネットのBTC保有は何枚?
A. 10月1日公表ベースで約3.08万枚と報じられ、上場企業の保有ランキングで4位とされた。
Q. 10月のETF審査の焦点は?
A. LTCが10月2日先陣、続いてSOL/LTC転換(10日)とXRP(24日)。可否はセクターの資金循環を左右。
■ ニュース解説
価格はイベント前の強気で推移したため、市場はBTC11.8万ドル・ETH4,300ドルを確認し、米ADPの弱さとCAMT緩和観測で金利が和らいだ一方で、米政府閉鎖リスクがボラを高めた。
投資家の視点:短期はイベントドリブンの値幅拡大に備え、清算・金利・為替をセットで監視。中期は政策(税制・ETF)と“実収益”指標(L1手数料、エコシステム売上)をKPIに資産配分を段階調整する。
※本稿は投資助言ではありません。
(参考:PANews)